RAMI、“熱望”をのせた輝きを増す光

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ソロ・プロジェクトのRaglaiaを率いて、まさに不死鳥の如き復活を遂げたRAMI。在籍していたAldiousの活動が上昇機運にある中で、ドクター・ストップにより“引退”と同義の休養を余儀なくされた彼女の高らかな生還は、涙なしには語れないドラマだった。ただ、その新たなスタートは、RAMIが再びステージに立つうえでのほんの序章でしかなかったということになるのだろう。

◆RAMI『Aspiration』画像

あの清春が楽曲提供した「Remember」も話題となった、2015年11月にリリースされた1stアルバム『Creation』に伴う東京公演(2016年2月20日=代官山ユニット)の際に、突如として発表されたソロ・シンガーとしてのデビュー。その瞬間、場内には割れんばかりの喝采が起こったが、ついにその全貌が明らかになる。


「ヴォーカリストとして幅を広げるため」。当時のRAMIはそう話していた。来たる9月7日にリリースされるアルバム『Aspiration』を耳にすると、その発言にも充分に頷かされる。サウンド面で言えば、現代的なテイストを押し出しながら個性的な音塊を叩き付けていたRaglaiaとは異なり、全編を貫いているのはオーセンティックなヘヴィ・メタルを基盤にしたもの。楽曲によって色合いは変わってくるが、メロディックなキャッチーさを湛えながら、プログレッシヴさもアグレッシヴさも多彩に表現されている。


ここで聴けるRAMIの歌唱は、明らかにこれまでの足跡を超越した説得力を持っている。もちろん、それは本人の日々の鍛錬の結果でもあるが、本来的なポテンシャルが開花したと解釈するほうが適切かもしれない。自身でも作曲をしてきたRAMIが、今回はすべてのマテリアルを外部ライターに委ねたのも、その狙いを具現化させるアイデアだったに違いない。

しかも、その顔触れがまた豪華だ。ミュージック・ビデオが公開されたリード・トラック「In My Eyes」を書き下ろしたGALNERYUSのSyuを始め、同じくGALNERYUSのYUHKI、GARGOYLEのKENTARO、さらにはヒット・メーカーとしても知られるスウェーデンのサミュエル・ヴェルモとマッツ・ヴァレンティン。この作家陣から全体像を思い巡らせてみても面白いだろう。また、小室哲哉が作詞作曲した篠原涼子の「恋しさと せつなさと 心強さと」のカヴァーも収録されている。

レコーディングも他にGARGOYLEのTOSHIとKATSUJI、GALNRYUSに加入したFUMIYA、ALHAMBRAの梶原稔広、MardelasやSABER TIGERでも活動するhibikiが参加する鉄壁の布陣。そして多方面で話題となっているヴァイオリニスト、Ayasaも客演しているのである。この上ないバックアップと言っていい。

その総指揮たる役割を務めたのが久武頼正氏だ。一世を風靡したANIMETALを始め、日本のメタル・シーンに様々な変革をもたらしてきた敏腕プロデューサーである。実はAldiousの初期作品も手がけていた経緯があるが、今回のコラボレーションが成功裏に進んだことは、これまでのキャリアを概観しても容易に想像できるだろう。

タイトルに冠された“熱望”を意味する言葉に、RAMIはどんな思い込めたのか。間もなくリスナーのもとに届けられる『Aspiration』、そして11月に行われる東名阪ツアーを通して、ソロ・シンガーとしてのRAMIの魅力は、歌に込められたメッセージと共に、より明確に伝わっていくはずだ。彼女が放つ光は、より輝きを増している。

文:土屋京輔

RAMI『Aspiration』

CD+DVD【DVD付限定盤】RAMI-015 \3,300(tax out)
CD【通常盤】RAMI-014 \2,500(tax out)
解説:伊藤政則
1.Overture To Aspiration
2.In My Eyes
3.Secret Flame
4.Forever Precious
5.Sing For You
6.恋しさと せつなさと 心強さと
7.Pray To The Sky
8.Rainwater
DVD
・In My Eyes(Music Video)
・In My Eyes(Behind the Scenes)
・Pray To The Sky(Music Video)

<RAMI “Aspiration Tour 2016”>

2016年11月12日(土)大阪・阿倍野ROCKTOWN(19:00開場/19:30開演)
2016年11月13日(日)名古屋・ell.FITS ALL(18:00開場/18:30開演)
2016年11月27日(日)東京・duo MUSIC EXCHANGE(17:30開場/18:00開演)

◆RAMIオフィシャルサイト
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