【インタビュー】谷山浩子と栗コーダーカルテット、聴く者すべてをしあわせにする音の魔法『ひろコーダー☆栗コーダー』

twitterツイート

おまちどおさま。谷山浩子と栗コーダーカルテット、初のコラボ作品がついに完成。『ひろコーダー☆栗コーダー』は、初対面から12年の間、数々の共演で親交を深めてきた、ひとりと3人の強い願いが生んだ珠玉の音。「不思議なアリス」など往年の名曲から、NHK『みんなのうた』でおなじみ「ピヨの恩返し」の初CD化、栗コーダー渾身の脱力系インスト「しっぽのきもち」、などなど、ゆるメルヘンの世界を極めた8曲入り。かわいくて、おとぼけで、それでいて実は、音楽的に高度で緻密。聴く者すべてをしあわせにする音の魔法をご賞味あれ。

◆谷山浩子&栗コーダーカルテット~画像~

■みなさんミュージシャンとしては超一流で
■音楽的にすごいけど技術的にはぬるいみたいな


――せっかくなので、出会いのお話からしましょうか。いつ頃のことですか。

谷山浩子(以下、谷山):出会い……いつでしたっけ?

栗原正已(以下、栗原):記憶力が……(笑)。

――えー、資料によりますと、2004年のクリスマス、江東区文化センターでのライブが初共演みたいです。

栗原:ああ、そうです。それが最初ですね。

関島岳郎(以下、関島):谷山さんから声をかけていただいて、出演したんだと思います。

栗原:僕らとしては、“え、谷山さん? 喜んで!”みたいな感じだったと思います。だって、僕らはそんなに知られていなかったので。

谷山:そうなんですか? すごく有名で人気があるというふうに、私は聞いていましたけど。

川口義之(以下、川口):それは、いい伝わり方をしていましたね(笑)。

栗原:『ピタゴラスイッチ』が始まったのが、2002年だから、それで知られている部分があったのかもしれない。

――出会った時の印象は、どんな感じでした?

谷山:とにかく不思議な人たちだったので、びっくりしました。こういうミュージシャンには、会ったことがなかったので。ミュージシャンというのは、みんな、自分の担当楽器の超プロなわけじゃないですか。シンガーだったら、ギターはちょっと苦手だけど弾いていますとか、そういう人はいますけど。でも栗コーダーは、なんて言うのか……。

栗原:今、言い方をものすごく迷ってらっしゃいますけど(笑)。大丈夫ですよ、ストレートに言っていただいて。

谷山:リコーダーという楽器については、超プロというわけではなくて。アマチュアの人がちょっとじょうず、みたいな。

川口:わははは。

谷山:そんな感じなんだけど、みなさんミュージシャンとしては超一流で。つまり、音楽的にすごいけど、技術的にはぬるいみたいな。

関島:ふふふふ。

谷山:そういう人たちがこの世にいることを、今まで見たことがなかったんですよ。だからすごいなって。

栗原:そういえば昔、プロフィールに“高い音楽力と、そこそこの演奏力で”みたいなことを書いてた時期がありましたね(笑)。

関島:演奏力の足りなさを音楽性で補っていると、世間では言われていたんですよ。初期の頃は。

――反対に、栗コーダーさんから見た、谷山さんの印象は。

栗原:世の中にいる、天才のうちの一人ですね。確実に。どう考えても。

谷山:ひええ~。

栗原:一緒に作業させていただいていると、より感じますね。端々に。

川口:曲に包容力があるので。うまい人が演奏しても、もちろん成り立ちますし、僕らのような者が参加しても、おそらくいい感じになるのではないかと。

谷山:逆に、“入りにくい”“隙がない”と言われたこともあるので。包容力があると言われると、すごくうれしい。

――そのあとは、2005年の猫森集会、2013年に東京文化会館で行われた“放課後の音楽室”、そして2014年には再び猫森集会。つまりここに至るまでに、4回の共演で、おそらく数十曲は一緒に演奏しているわけですよね。

栗原:そうなんです。今回は、それがベーシックになってます。数えたらずいぶんありまして、どうやって絞ろうかとあれこれ相談して、こういう選曲になりました。


▲『ひろコーダー☆栗コーダー』

――今回の『ひろコーダー☆栗コーダー』。そもそも、作品にしようということになったきっかけは?

谷山:お客さんからの要望が、すごく多かったんですよ。最初にご一緒した時から評判が良くて、“ものすごく合います!”と言ってくれる人が多かったんです。だから、やっとですね。

川口:僕らはライブに誘ってもらうたびに、“作品にできるといいね”ということは、よく僕らの話の中には出てました。

関島:そうだね。

川口:ただ谷山さんの、アーティストとしての作品の流れがある中で、こういう共演ものはなかなか入れにくいものだろうから。機会があるといいね、と、ぼんやり言っていたぐらいで。

栗原:僕らも僕らなりに手ごたえを、こっそり感じていました。でもまさか、そういうことはないだろうからと言っていたんですけど、実現してしまいましたね。光栄です。

川口:それと、今回の大きな特徴になったのは、栗コーダーが3人になったタイミングがあるんです(※2015年4月から)。だからこそ、リコーダーのとても上手い方をお迎えして、4人で演奏することもできたりとか。

栗原:もともと4人で成立するように作っていたので。3人になったぶん、足りないひとつのパートに、プロのリコーダー奏者をお迎えしようと。

――というと、まるで栗コーダーがプロではないような(笑)。

栗原:僕らはリコーダーのプロではないです(笑)。同好会みたいなものなので。今回も浅井(愛)さんというプロのリコーダー奏者をお迎えして、いろいろ教えてもらいました。

◆インタビュー(2)へ
twitterこの記事をツイート

この記事の関連情報

amazon