【インタビュー】Rayflower短期連載第四弾、YUKIが語る「奇跡が起きることがある」

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Rayflowerが8月24日、初のライヴCD『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』をリリースし、ツアー<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>初日公演の火蓋を切って落とした。バンドサウンドが生身をさらす“ライヴ”を題材に、メンバー個々の実績に裏打ちされた圧倒的なテクニックを有するバンドの魅力を改めて解き明かすべく、パーソナルインタビューを5週連続でお届けしたい。

◆YUKI (Rayflower) 画像

都啓一、IKUO、Sakuraに続いて、第4週目にお届けするパーソナルインタビューはYUKI。ΛuciferやDUSTAR-3での活動をはじめ、Acid Black CherryのサポートやVAMPS主宰<HALLOWEEN PARTY>のHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA常連メンバー、Linked HorizonやSound Horizonへの参加など、ギタリストとしての経歴は多彩にして華々しい。ステージ上でのギターテクニックは美麗で超絶だが、一方で垣間見せるMCでの軽妙トークも魅力十分だ。表情豊かなプレイとキャラクターに迫るYUKIロングインタビューでは、Rayflower各メンバーの人柄も次々と浮き彫りになった。

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■ポップとテクニカルのバランスが絶妙
■聴かせるのは楽曲と歌という意志統一

──Rayflowerのライヴアルバム『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』がリリースされました。このライヴを収録した2015年のツアーはRayflowerにとってどんなものだったのでしょう?

YUKI:もともとRayflowerは、アニメのオープニングソングを形にするために都(啓一:key)さんを中心に集まったんですね。だから始めは一瞬だけのバンドという意識だったんです。でも、“いいメンバーが揃っているのでアニメの仕事が終わった後も続けていこう”ということになったんですが、リーダーの都さんの病気が見つかって。ほぼ活動ができない状態が続いたんです。その後、都さんが復帰してからライヴやネット動画をやっていたんですけど、やはりメンバー同士は常に会っていたわけじゃなくてライヴの時だけ集まるバンドだったんですよ。で、自分達のことを“陸サーファーみたいなバンド”だと言っていたんです(笑)。

──ははは。

YUKI:でも2015年、Rayflower初のフルアルバム『Color & Play』を作った時に、メンバーそれぞれが曲を出すことになって。それにリハーサルとかで、メンバー同士が会う機会も多くなったんです。結果、“陸バンド”ではなくて、よりバンドらしくなった感覚が『Color & Play』完成後に芽生えて。まぁ、バンドっぽくなったというのも変な話ですけど(笑)。

──いえ、その感覚はよく分かります。

YUKI:それまではなんとなくリーダーにお任せ、作曲者にお任せみたいな感じだったけど、『Color & Play』からメンバー各々の意見が音楽に入りだして。たとえば、“ここはこうしたほうが良いんじゃないか“とか“こういうことを試してみたい”というような声が。そうやって『Color & Play』を作って、ツアーリハーサルをしていく中で、これまで以上にメンバーそれぞれのこともよく分かっていったというか。先輩後輩を超えて、よりみんなが打ち解けて気軽にジョークも言える空気になったのが『Color & Play』のツアーだったんですよ。だから、僕らにとっては大きなターニングポイントになったツアーでした。

──先日初めてライヴを観させてもらいましたが、キャリアや肩書を持ったメンバーが集まったバンドには珍しく、強固なバンド感があることが印象的でした。

YUKI:僕らはリハや楽屋で笑いが絶えないんですよ。一緒にいる時にいい意味で気を遣うことが一切ないというか。メンバー全員がすごくナチュラルな状態でいられるんです。それに、自分のことよりもRayflowerというバンドのことを考えるメンバーが揃っているというのもあって。そういういい空気感が、ステージにも出ているんだと思います。

──バンドの雰囲気の良さは、『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』にもパッケージされています。では、Rayflowerの音楽性をどんな風に感じていますか?

YUKI:最初はアニメの主題歌からスタートしたこともあって、翳りを帯びた感じの曲やシリアスな雰囲気の曲が多かった。だから、音楽性としてはミステリアスという感じだったんです。そこにIKUOさんがアッパーな曲を持ち込んで、都さんが激しい曲も作るようになって、さらに田澤君がハードな曲を作ってきたりするんですよ。それをベースとして、プログレッシヴロックのテイストが入っていることも特徴になっていますね。でも、メンバー各々がテクニックを持っているけど、それをひけらかしたりはしない。難しいことも出来るぞと、ちょっとアピールするみたいな(笑)。そういうポップさとテクニカルな部分のバランスが絶妙というか。それぞれが自分の得意なことをやれる余地があるけど、聴かせるのは楽曲と歌というところで意志統一ができているというのがすごくいいなと思います。

──同感です。そこはかとなくプログレッシヴロックの匂いがするのはたしかにRayflowerの特徴で、『TOUR 2015~Color & Play~@品川ステラボール』に収録されている「Border Line」や「SILVER BULLET」などでも活かされています。

YUKI:「哀しみのリフレイン」もそう。ああいう曲は演奏する側にも少し緊張感があって、それを楽しんでいます。

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