【インタビュー】晋平太、MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻、Rude-α 、気鋭のラッパー達が顔を揃えたコンピ『I LOVE MC BATTLE』

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『フリースタイルダンジョン』『BAZOOKA!!高校生ラップ選手権』などの活躍で名を馳せたフリースタイル系ラッパーや新進気鋭の若手ラッパー達が顔を揃えたコンピレーション・アルバム『I LOVE MC BATTLE』が、9月28日にリリースされる。晋平太やKENTHE390、DOTAMA、ACE、MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻、Rude-αといった錚々たるメンバーによる多彩かつ良質な楽曲群は実に魅力的で、同作は幅広い層のリスナーにアピールする好盤に仕上がっている。『I LOVE MC BATTLE』のスーパーバイザーと楽曲セレクトを担った晋平太、若手の注目株といえるMC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻、Rude-αの3名に集まってもらい、コンピレーション・アルバムや現在のヒップホップ/ラップ・シーンなどについて大いに語ってもらった。

◆『I LOVE MC BATTLE』~画像&映像~

■ニガリ君(MC☆ニガリa.k.a 赤い稲妻)やRude-α君みたいな若い世代を紹介したい
■彼らが出てきたことで僕達の視野はすごく広がったし意識も変わった


――まずは、『I LOVE MC BATTLE』というコンピレーション・アルバムを作ることにした経緯などを、話して頂けますか。

晋平太:僕ら3人は『フリースタイルMCバトル』というものがきっかけになって出会ったんですけど、日本全国にMCバトルに強いラッパーや素敵なラッパーがいっぱいいるんですよね。ただ、僕達はMCバトルをやるためにラップをしているわけではないというのがあって。もちろんMCバトルが大好きだけど、自分の楽曲を作ったり、ライブをしたりすることが基盤としてあって、そのうえで表現方法の手段の一つとしてMCバトルに参加しているんです。だから、バトルに強くて、なおかつ楽曲やタレント性の面も魅力的な人を、もっと世に知らしめる方法はないかなと考えていたんですよ。それで、こういうアルバムを作ることにしました。特に、ニガリ君(MC☆ニガリa.k.a 赤い稲妻)とかRude-α君みたいな若い世代を紹介したいという気持ちが強かった。彼らが出てきたことで僕達の視野はすごく広がったし、意識も変わったというのがあって。つまり彼らの存在によって日本語ラップのシーンが、すごく活性化されたんです。それで、これから中心になってシーンを盛り上げていく存在といえるニガリ君とRude-α君を軸としつつ、僕が参加して欲しいと思う人達に声をかけました。


▲晋平太

Rude-α:元々は晋平さんと、ニガリと、僕と、北海道の言×THEANSWERで「共に行こう」という曲を作っていたんです。それが、『I LOVE MC BATTLE』というコンピに入ることになって、その流れで自分も曲を作って参加することになりました。僕は、MCバトルはあまり強くないんですけど(笑)。

晋平太:そんなことないよ。

Rude-α:いやいや(笑)。だから、誘ってもらった時は嬉しかったです。今まで自分のアルバムを出してきたりしたけど、コンピに入るのは初めてなんですよ。だから、他の人がいっぱいいる中に自分の曲が混ざることによって、どんな色になるのかなというのがあって。完成したアルバムを聴いたらめっちゃ面白くて、すごく良い機会を与えてもらえたと思いました。

MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻(以下、MC☆ニガリ):私事になってしまいますが、今回の『I LOVE MC BATTLE』に入っている僕の曲は1年前くらいから存在していたんですけど、1番とサビしか出来ていなくて。そうしたら晋平さんに、コンピアルバムを作るから、お前はあの曲を完成させろと言われたんです。完成させたら予想以上に好評で、それが嬉しくて。“I LOVE MC BATTLE”というタイトルですけど、バトルに限らず、このアルバムがフリースタイルダンジョンや日本のヒップホップを受け入れてもらえるきっかけになると良いなと思っています。


▲MC☆ニガリ a.k.a 赤い稲妻

――『I LOVE MC BATTLE』は個性的かつ魅力的なメンバーが顔を揃えていて、すごく楽しめました。アルバムは、皆さんが競演を果たした「共に行こう」から始まります。

晋平太:この曲は、ニガリ君、Rude-α君、言×THEANSWER君という『BAZOOKA!!高校生ラップ選手権』で大活躍した3人がいて。僕は日本全国で行なわれている『ULTIMATE MC BATTLE』というイベントの司会をやっていて、彼らとそれぞれの地元で初めて会ったんですよ。言×THEANSWER君とかは中学生の頃から知っているし、Rude-α君も『高校生ラップ選手権』に出る前から知っていて。ニガリ君は『高校生ラップ選手権』で優勝したいと言って、友達のラッパーのGOMESSと東京に出てきたりしていて。あれよあれよという間にみんな結果を出して、名前を広めていった。それで、元々仲が良かったし、なにか一緒にやれることはないかなという話をしていて、だったら一緒に曲を作ってみないかということになったんです。3人とも個性的だから、その3人を集めたらどうなるのかを見たいと思って。当時はRude-α君はまだ沖縄にいたし、言×THEANSWER君も北海道にいたんですけど、みんなで東京に集まって、スタジオに入って曲を作ろうぜといって。でも、なかなか大変だったよね?

Rude-α:大変でした(笑)。

晋平太:みんなを集めるために飛行機のチケットを用意して…というところからすでに大変。チケットを手配して送ったら、当日になって、言×THEANSWER君が電話してきて「僕のチケット、新千歳からになっているんですけど」と言うんですよ(笑)。「いや、新千歳じゃないの?」と言ったら、「僕の地元は帯広ですよ」と言われて。“えっ、そこから?”みたいな(笑)。「どうしたら良いんですかね?」と言うから、「とりあえず帯広から向かってもらって良いですか。後で、なんとかしますから」と言って。送られて来たチケットを、出発する当日の空港で初めて見るかね…みたいな(笑)。

MC☆ニガリ&Rude-α:アハハ!!(爆笑)

晋平太:そんなこともありつつ、なんとかその日のうちに集まれて形になったという奇跡みたいな曲です(笑)。


▲Rude-α

Rude-α:「共に行こう」を作った時は、東京に集まる前に16小節分のリリックを書いてきてと言われていたんですよ。16小節だから普通にパッと書けるだろうと思って、行きの飛行機の中で書くことにしたんです。そうしたら、飛行機の中で寝てしまって(笑)。東京に着いたけどリリックがない状態で、ヤバいヤバいと思いながら電車に乗って。でも、なぜか余裕があったんですよ。テスト前って直前になると、余裕があるじゃないですか。

晋平太:ええっ、なんだそれ? 普通はないよ(笑)。

Rude-α:ないですか? 全然勉強してないのに、“イケるっしょ”みたいな。

晋平太&MC☆ニガリ:……(黙)。

Rude-α:俺は、あるんですよ(笑)。その時も妙な余裕があって、電車の中でもリリックを書かないままスタジオに着いて。でも、スタジオに入った瞬間に現実に気づいて、“あっ…”てなって(笑)。晋平さんに「ちょっと時間もらって良いですか」と言って、16小節書き上げました(笑)。でも、適当には書いたわけじゃないですよ。あと、俺と言×THEANSWERがレコーディングしている時に、ニガリはもう帰っていたんだよね?

MC☆ニガリ:そう。バイトがあって(笑)。

Rude-α:バイト前にレコーディングするという(笑)。

MC☆ニガリ:アハハ(笑)。スタジオには1時間くらいしか滞在しなかったんじゃないかな。スタジオに行って、“バッ!”と歌って、帰りました(笑)。あと、「共に行こう」に関しては、晋平さんは歌も歌うんだと思いました(笑)。

晋平太:歌うよ(笑)。

Rude-α:そういえば、この曲のフック・パートに入っているハイトーンは、俺だから(笑)。晋平さんが歌っているフック・パートのハモリを、なぜか僕がやることになって。「この音を出して」と言われてキーボードを押さえるんですけど、それがすごく高くて。1時間くらい、ずっと録っていたんですよ。あの頃はまだ歌のスキルが低くて、かなり苦労しましたね。この曲に入っている高い声は、奇跡的な瞬間です(笑)。

晋平太&MC☆ニガリ:アハハ(笑)。

Rude-α:「共に行こう」という曲を一緒に歌って、みんな東京に来た以上、もしこの中の誰かに何かあったら、みんなで助け合わないとね。

晋平太:なんだ、そのモアイの精神は?(笑) うちなんちゅー出してくるね(笑)。でも、そうだね、みんなで助け合っていこう。

Rude-α:共倒れにならないようにね(笑)。

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