【ライブレポート】FAKE?「チェシャ猫の回にようこそ」

ツイート

KEN LLOYD率いるロックバンド、FAKE?によるマンスリーライブ『Live Wonderland』の第3弾<Chapter III The Cheshire Cat Presents FAKE? “Live Wonderland”>が9月15日、東京clubasiaにて開催された。

◆FAKE?画像

7月から12月にかけて、6ヶ月連続で実施されるこのマンスリーライブ。ライブタイトルにもある「Wonderland」とはKENが4年にもわたり構想を温め続けてきた「歪んだファンタジーとロック的仮想空間の融合」を示すもので、6回のライブすべてが異なるコンセプト、異なる内容で実施される。


x今回のイメージキャラクターは「チェシャ猫(The Cheshire Cat)」。前回、前々回とは会場の雰囲気がガラリと変わり、妖艶でより幻想的な世界観が演出された。ステージには大型スクリーン、その両脇にはLEDパネルが設置され、2枚のLEDパネルにはThe Cheshire Catをイメージしたピンク&紫のストライプ柄が映されている。さらにステージ下手にはピンクのフェイクファーをあしらった姿見鏡、会場左右の壁にもLEDパネルが設置されたほか、ステージ上のお立ち台やDJブースにはピンクのフェイクファーがあしらわれている。こういったこだわりが『Live Wonderland』の面白いところで、毎回来場するファンには興味深いところなのではないだろうか。

そして過去2回同様、観客にはライブロゴ入りLEDリストバンドが入場時に配布され、フロアのオーディエンスはみな腕にリストバンドを装着。この時点で、観客もこのライブの“演出”に組み込まれる。彼ら、彼女らは今か今かとライブのスタートを待ち構えていた。

定刻を過ぎた頃に会場が暗転すると、大型スクリーンには映画を思わせるようなオープニング映像が映し出され、バンドメンバーとあわせて過去のマンスリーライブのメインキャラクター“The Twins”のDEEとDUM、White Rabbit、カメのPETE、そして今回の主役であるThe Cheshire Catを紹介。どこか憎めない表情のThe Cheshire Catを前に、客席からは「カワイイ!」などの声が上がる。そして最後にKENの写真が表示されると大きな歓声が沸き起こり、ダブステップ風のオープニングSEにあわせてPABLO(Gt / Pay money To my Pain)、峰正典(Gt)、JOE(Ba / Fuzzy Control、ROLL-B DINOSAUR)、ZAX(Dr / Pay money To my Pain、The BONEZ)、DJ BASS(Turntable / ZINGI)、d-kiku(Key & Manipulator)といったおなじみのバンドメンバーがステージに登場。過去2回のライブでの白い衣装から一転、今回は全員がピンクのシャツを着用しており、最後にモヒカンヘア、薄ピンクのシャツにネクタイ、黒いパンツ姿のKENがステージに立ち、グルーヴィーな「Closer」からライブをスタートさせた。


オープニングからThe Cheshire Catのイメージカラーであるピンクと紫の照明がフロアを照らす中、バンドは激しいサウンドを繰り出していく。曲がサビに突入するとLEDリストバンドはピンクの光を放ち、さらに客席に向けてレーザーも飛び交うなど、序盤から派手な演出でライブを盛り上げていった。続くアップテンポの「Someday」では、観客がリズムに合わせてジャンプ。LEDリストバンドも曲のパートごとに、さまざまな色を放ち続けた。

2曲終えると、KENは「チェシャ猫の回にようこそ」と挨拶。しかし、続けて「こうやって紹介しておきながら、今から心配なことを伝えます。今日メンバーは13時に会場入りしたんだけど、チェシャ猫の回にもかかわらず(チェシャ猫が)来てないという。全然見つからなくて正直困ってる。このまま進めて来なかったら、ごめんなさいということで(笑)」と冗談交じりで話す。KENの説明で会場内は若干ざわつくも、バンドはそのまま演奏を再開。「Taste It」ではLEDパネルにWhite RabbitやPETEが登場し、ライブ会場の様子をPCや双眼鏡で観察する様子が映し出される。また「Lucifer's Cut」では逆さになった十字架が炎に包まれる映像が映り、赤く光る照明とLEDリストバンドがその映像にシンクロ。ヘヴィなリズムと相まって、その光景は何かの儀式のように見えた。

「まだ見つからないみたい。しょうがない、チェシャ猫の新曲、もうやっちゃおう」というKENの言葉に続いて、新曲「Beside Me Pink And Purple」を本邦初披露。スクリーンやステージ上&会場両サイドのLEDパネルには、青白い月の光が刺す森の様子が映し出され、ダークかつメロディアスなミディアムチューンを華麗に演出。そんな中、LEDパネルには時折、これまで不在だったThe Cheshire Catが姿を現し、この曲を盛り上げる。そしてスクリーンの青白い光は徐々にピンク&紫へと変わっていき、The Cheshire Catの世界に侵食されていく。この不思議な雰囲気を持つ新曲は、早くもオーディエンスから好意的に受け入れられた。

この新曲が終わると、ステージ上の姿見鏡にThe Cheshire Catが再登場。観客に挨拶すると、「せっかくだから、僕のやってるお店に連れていってあげるよ。楽しいよ?」と言って次の曲「Tweakin'」へとつなげる。ここではスクリーンにポールダンサーのシルエットなど、「The Cheshire Cat Club」と呼ばれるThe Cheshire Catの店の様子が映し出され、セクシーな楽曲の雰囲気と相まって会場がいかがわしい空気に包み込まれた。


さらにライブは「ICU」、前回のライブで初披露した「White Rabbit Inc.」などグルーヴィーな横ノリナンバーを連発。ライブ後半になると「Buzz」「Addicted」とアップチューンを立て続けに演奏し、会場の熱気はピークに達する。「Here We Go」では途中で演奏をやり直すハプニングもあったものの、その後はライブの定番曲「Radio's Dead」、マンスリーライブ初回から演奏し続けている「The Twins」と盛り上がりに欠かせない楽曲を披露。最後の「Taste Maximum」ではミラーボールがまばゆい光を放つ中フロアはハッピーな空気に包まれ、「Chapter III The Cheshire Cat Presents FAKE? “Live Wonderland”」はクライマックスを迎え幕を下ろした。

FAKE?のマンスリーライブ『Live Wonderland』、次回は10月27日に今回と同じclubasiaにて「Chapter IV The Caterpillar presents “Live Wonderland”」と銘打って開催。次回公演にはvistlipのYuh(Gt)がスペシャルゲストとして出演することも決定している。このライブに向けて、Yuhは「期待やら不安やら嬉しいやら色々な感情が渦巻いてるんですが、せっかく声をかけて頂いたのでメンバーさん、FAKE?ファンのみんなと楽しみながらしっかり爪痕を残したいと思います!」と意気込みを寄せている。チケットは現在発売中なので、ぜひこの貴重な機会をお見逃しなく。


さらに『Live Wonderland』は今後も11月22日に「Chapter V The Mad Hatter presents “Live Wonderland”」、12月9日に「Chapter VI The Gang Of Hearts presents “Live Wonderland”」と続々と行われるので、こちらも今から楽しみにしておこう。

文:西廣智一

   ◆   ◆   ◆

vistlipのYuhです。
初めまして!と、
雑誌でのKENさんとの対談で知ってるよ、って方はこんにちは!

10月27日に参加させて頂く事になりました。
期待やら不安やら嬉しいやら色々な感情が渦巻いてるんですが、
せっかく声をかけて頂いたのでメンバーさん、
FAKE?ファンのみんなと楽しみながらしっかり爪痕を残したいと思います!

…そして先輩方に叱られないように頑張ります!笑

Zeppでのライブをテレビで観て、めちゃくちゃカッコ良くて、
当時は生でライブが観られなかったんですが、
今年になってやっと初めてライブ観られて、
生で観たライブは相変わらずカッコ良くて思ってたより
すげーハッピーな感じでした。もちろんいい意味で。
知り合う前からずっと勝手にKENさんといつか
なんかやりたいなって思っていた所で対談が実現して、
それからこんな形で
一緒のステージでやれるのが光栄だし本当に楽しみです!

宜しくお願いします!!

Yuh(vistlip)


   ◆   ◆   ◆

<“Live Wonderland” Chapter III The Cheshire Cat Presents FAKE?>
2016.9.15(木)@clubasia
1.Closer
2.Someday
3.Taste It
4.Lucifer's Cut
5.Beside Me Pink And Purple
6.Tweakin'
7.ICU
8.White Rabbit Inc.
9.Buzz
10.Addicted
11.Here We Go
12.Radio's Dead
13.The Twins
14.Taste Maximum

この記事をツイート

この記事の関連情報