マーティ・フリードマンが、アイドルの楽曲面に焦点をあてて選曲プロデュースを行ったコンピレーション・アルバム『楽曲派!』がリリースされる。良質な楽曲群は本当に魅力的だし、本作を聴くと、現在のアイドルシーンには様々なアイドルが存在していることが分かることもポイント。コアなアイドルファンはもちろん、アイドルに興味がありつつどこから入れば良いのか分からない…というリスナーにイチオシの一作となっている。そこで、BARKSはマーティと『楽曲派!』のジャケットを飾ったクロちゃん(安田大サーカス)を招いて、アイドル対談を実施。二人の話と併せて『楽曲派!』を聴くと、より楽しめる内容の対談となった。

◆『楽曲派!』~画像&映像~

■歌っている曲が良くなければ、どんなにかわいいアイドルでも興味が湧かない
■アイドルの楽曲には良い曲がいっぱいあるから、それをみんなに知って欲しい


――まずは、『楽曲派!』というアイドルのコンピレーション・アルバムを作ることを決めた経緯などを、お願いします。

マーティ・フリードマン(以下、マーティ):日本では、アイドルというのは大きなマーケットを持ったジャンルで、それこそ一つの文化として根づいています。でも、その割に音楽面はあまり重要視されていない気がして。僕は逆に歌っている曲が良くなければ、どんなにかわいいアイドルでも興味が湧かないんですよ。一般的なイメージ以上に、アイドルの楽曲には良い曲がいっぱいあるから、それをみんなに知って欲しいというのがあって、僕好みのアイドルソングを集めてコンピレーションしようと思ったんです。ただ、僕はアイドルの音楽が大好きなんですが、マニアのアイドルファンほど詳しくはないんです。好きだけど名前が分からないメンバーがいるグループとかも多いし、裏話とかはほとんど知らない。そういう状態で、純粋に僕が良いなと思う曲を集めたから、コアなアイドルファンの人が『楽曲派!』を聴いたら、どんな風に感じるかは分からないです。

クロちゃん:『楽曲派!』は、すごく楽しめましたよ。それに、僕はマーティさんが、こういうものを作ってくれたことが本当に嬉しいです。マーティさんみたいにキチンとしたアーティストで、世界で戦ってきた人がアイドルの曲を良いと言ってくれると、アイドルファンとしてはご褒美をもらったような感じがするんですよ。だってね、たとえば僕とかが「アイドルの楽曲は良いんですよ」とか言っても説得力がないじゃないですか。

マーティ:ええっ? そんなことは、ないでしょう?

クロちゃん:いや、あるんですよ。でも、マーティさんが良いと言うと、重みが違うから。アイドルファンは、みんなマーティさんに、ありがとうと言っていますよ。僕なんかは、マーティさんが楽しんでこういうアルバムを作っているというだけでもテンションが上がりますし。

マーティ:そう言ってもらえると、本当に嬉しいです。実際、アイドルのことをあまり知らなくて、音楽は大したことないだろうと思っている人は多いですよね。でも、最近のアイドルの音楽は本当に凄い。5年前とかの音楽と比べたら、すごくクオリティーが高いんです。特にトップクラスのアイドルは、プロダクションにしても、演出しても、全体的な世界観にしてもハイレベルで、A級のアーティスト達と互角に争えるものになっている。そういう状況だから、そんなに知られてないアイドルでも、良い曲はいっぱいあるんです。それを、もっと沢山の人に知って欲しいというのはありますね。


――『楽曲派!』は、それに最適の一作といえます。クロちゃんは『楽曲派!』のジャケットを飾っているわけですが、その話を聞いた時はどんなことを思いました?

クロちゃん:メッチャ嬉しかったです。でも、ジャケット撮影するためにスタジオに入って、メイクをしたりしていくうちに、“あれ? これってドッキリじゃないよな”って(笑)。最近10日で7個くらいドッキリを仕掛けられたことがあって、疑い深くなってしまっていて(笑)。今回の件もマーティさんが選んだ曲を集めたCDの表紙に僕がなるということで有頂天だったけど、よくよく考えたら、そんなわけないかなという気がしてきて。というのは、撮影場所のメイク室が個室で、メイクさんがセクシーな方だったから、女の子系のドッキリなのかなと思ったんです(笑)。

マーティ:ハハハ!!(爆笑)

クロちゃん:それで、ドッキリかもしれないと思って、メイクの人にちょっかいを出すようなことを言って、ただのセクハラみたいな感じになったという。ごめんなさいと謝らせてくれと思いますよ、本当に(笑)。でも、何事もなくちゃんと写真を撮って、CDが出来上がって、こうやって取材を……いや、まだ分からないか。まだ、ドッキリが続いているということもありますよね。


――ないです(笑)。すべて真実ですので、安心してください。

クロちゃん:ですよね。だって、これがドッキリだとしたら、一流のミュージシャンが僕のことを騙すことになるじゃないですか。そうなったら、もう何も信じられなくなりますから(笑)。

マーティ:ハハハ!! それは、ないから大丈夫(笑)。

――クロちゃんはすごくアイドルが好きなことで有名ですが、どんな風にアイドルファンになっていったのでしょう?

クロちゃん:元々で言うと、僕はこんな声だから、自分がアイドルになりたかったんです。それもあって、ずっとアイドルは良いなと思っていたけど、がっつりハマったのはAKB48からです。僕はメイド喫茶が好きで、『@ほぉ~むカフェ』によく行っていて……。

マーティ:あっ、よくご存じですね! 僕も、好きだったんですよ。あの店は手作りチョコとかがあってね(笑)。


クロちゃん:そうそう(笑)。っていうか、まさかのそこが共通点というのは地獄ですよ(笑)。で、僕は『@ほぉ~むカフェ』のメイドさんが結成したユニットの完全メイド宣言さんのCDも買ったりしていたんです。そういう中で、秋葉原のドン・キホーテの上に『AKB48劇場』というのが出来たというので、冷やかし半分に行ってみたんですよ。そうしたら、ダンスとか上手くて、歌とかも良いのに、本当にMCが出来ていなくて、“なに、この違和感?”と思って。その違和感にハマったんです。それから、本格的にアイドルにのめり込んでいきました。ただ、僕は現場主義なので、実際に自分の目でアイドルのライブとかを見て、好きかどうかを判断しています。僕はノートに書くのが好きなので、ノートにいろんなことを書きながらアイドルのライブを観るんですよ。お笑いをやっていて、先輩の芸人がネタをやっているのを袖で見てメモを書く人がいるんですね。僕はそんなことは一切したことがないのに、アイドルの現場に行くと一心不乱に書くんです。それで、お前は何の勉強をしているんだと、よく言われます(笑)。

マーティ:凄いなぁ(笑)。

クロちゃん:マーティさんは、どういう感じだったんですか?

マーティ:僕は、タンポポさんとか、三人祭さんとかを見て、すごく強い印象を受けて、それからどんどんアイドルファンになっていきました。その当時のアイドルは今ほどバリエーションが豊かじゃなかったけど、だんだんいろんなアイドルが出てくるようになって、今は爆発みたいになっていますね。“釣りアイドル”とか“掃除アイドル”とか“医者ごっこアイドル”とか、いろんなテーマ・アイドルがいるから。だから、アイドルファンとしては、パラダイス状態です。それに、アイドルは本当に曲が良い。聴くと、感動的に元気になるんですよ。せつないけど、ハッピーだし、応援してくれるようなものになっている。そこが良いですね。

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