【ライブレポート】THE ORAL CIGARETTES、MUCC等とガチンコ3マン「対バンってええなあ」

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THE ORAL CIGARETTESが10月8日、奈良NEVERLANDからスタートした<唇対バンTOUR 2016 ~キラーチューン祭り巡業行脚の巻~>の3本目となる横浜ベイホール公演を開催した。

◆<唇対バンTOUR 2016 ~キラーチューン祭り巡業行脚の巻~> 画像

MUCCとビレッジマンズストアを迎えたこの日の3マンは、両バンドともそれぞれ翌日に仙台/大阪ライブが控えるなか、THE ORAL CIGARETTESのラブコールに応えるかたちで強行実現されたものとなる。そんな2組の心意気に応えるように、THE ORAL CIGARETTESもまたこれまでのベストを更新する渾身のライヴを見せてくれたことに加え、全公演ソールドアウトとなった対バンツアーだけにオーディエンスも、とにかく熱い。





「全バンドのなかで圧倒的な知名度の低さ! まじめな話、ちょっと怖かったの。でも、ライブってええな」──水野ギイ(Vo)

たぎる想いをぶちまけたトップバッターは5人組ロックンロールバンドのビレッジマンズストアだった。ザ・ナックの「マイ・シャローナ」をSEに登場したメンバーは全員が赤いスーツ姿。「夢の中ではない」からスタートしたライブは、軽快なビートと躍動感溢れるベースラインを駆使しながら、ツインギターを擁する泥臭いガレージロックでフロアを踊らせていく。




「大好きなTHE ORAL CIGARETTESの<唇対バンツアー>、俺たちが愛情を込めて、丁寧に丁寧に……このツアーを台無しにします!」──水野ギイ

対バンに誘ってくれたTHE ORAL CIGARETTESへの最大限のリスペクトを込めた不敵な宣言に大歓声が起きる。そして感動を呼んだのは、毎日を闘い続ける全ての人を奮い立たせる陽性ロックンロール「地獄のメロディ」だ。閉ざされた心を無理やりこじ開けるような体当たりのステージは、“知名度”などいかに無意味かを証明する快演となった。


今回の対バンツアーのなかで最も意表を突く組み合わせだったのが、2組目に登場したMUCCだ。彼らが見せたカリスマ的なステージは、そんな周囲のざわつきを一蹴するのに十分。「ENDER ENDER」からいきなり会場をダークなムードへ染め上げる。YUKKEとSATOちによる重厚なグルーヴと、ミヤの鋭角的なギターリフ、裸足のまま縦横無尽に暴れまわる逹瑯(Vo)の鬼気迫るボーカルがフロアをMUCCの支配下にしていく。

終盤、へヴィチューンにしてライブ定番曲「蘭鋳」でオーディエンスをいったんフロアに座らせると、逹瑯がこう語った。

「ふだんヴィジュアル系をバカにしてるでしょ? 従っていいの?」──逹瑯(Vo)

THE ORAL CIGARETTESのファンが大半を占める会場を挑発した逹瑯は、さらに、「(山中)拓也は独占欲が強いから、他のオトコに(自分たちのファンが)いいようにされてるのを見て、めちゃくちゃ良いライブをすると思う」と煽り、お客さんを一斉に大ジャンプさせた。ラストは「TONIGHT」でドラマチックに。“対バン”が持つ新たな出会いの場という意味を、演奏で示す凄まじいステージとなった。



「MUCCもビレッジマンズストアもかっこよかったけど、主役はオーラルです!」──山中拓也(Vo)

こう力強く言い放ったTHE ORAL CIGARETTESは開始早々からテンションが高い。中西雅哉が叩き出す引き締まったビート、あきらかにあきらのファンキーなベースライン、山中の怪しげな歌声と身振りを大きく使ったボーカル、鈴木重伸が繰り出す異国情緒漂うギターリフから突入した「CATCH ME」では、オーディエンスの絶妙の合いの手でフロアがあっという間にひとつになっていく。

<キラーチューン祭り巡業行脚の巻>というツアータイトルよろしく、披露される曲はまさに無敵のラインナップ。「狂っちゃいなよ!」と山中が煽った初期曲「Mr.ファントム」から最近のライブでは欠かせない「気づけよBaby」へ。激しさと妖艶さを行き来しながら、絶対的にキャッチーなオーラル流キラーチューンを次々に畳みかけていった。かつて、“キラーチューン祭り”は彼らのセットリストの一部だったが、結成6年にしてそれだけで1時間のライブが展開できる。このツアーにはそういう背景と意味もあるようだ。



「対バンってええなあ。ふつうに感動してしまいました……」──山中拓也

と感極まったような口調で語った山中は続けて、「逹瑯さんが「オーラルのファンは良い人だ」って褒めてくれた。尊敬してるバンドにそんなこと言われて、ほんまにうれしい!」と会心の笑顔を見せた。そして、後半もキラーチューン祭りはさらに加速していく。「休みほしい?」と問いかける瞬間もあったが、もちろん休ませる気など微塵もない。最後までバンドとオーディエンスとが全力でぶつかり合い、汗と熱気が充満するなか本編の幕を閉じた。




アンコールでは「俺、今日やっちまったことがあって……」と切り出した山中。実はこの日のMUCCのセットリストには、THE ORAL CIGARETTESに「嫌い」という曲があることを意識して、「大嫌い」が当初含まれていたのだという。しかし、THE ORAL CIGARETTESが「嫌い」をセットリストに入れていなかったため、両曲の揃い踏みは実現しなかったそうだ。そんな惜しいエピソードを明かしたところで急遽披露された「嫌い」。そして熱狂のライブを締め括ったのは11月16日リリースの新曲「5150」だった。リリース前にも関わらず、特大のシンガロングを巻き起こす直球のロックナンバーはTHE ORAL CIGARETTESの最新キラーチューンとなっていた。

<唇対バンツアー>はこの後、ROTTENGRAFFTY、BIGMAMA、キュウソネコカミ、赤い公園らを迎え、11月には東名阪ワンマンツアーへと突入する。「いまは焦ることなくバネを縮めています。来年を飛躍の年にするために!」と語った山中。1本1本意味のあるライブを乗り越えて、THE ORAL CIGARETTESはますます進化していくはずだ。



撮影◎Viola Kam (V'z Twinkle Photography)

■<THE ORAL CIGARETTES唇対バンTOUR 2016〜キラーチューン祭り巡業行脚の巻〜>

10月05日(水)奈良・NEVER LAND
w/go!go!vanillas, My Hair Is Bad
10月06日(木)兵庫・ART HOUSE
w/go!go!vanillas, My Hair Is Bad
10月08日(土)神奈川・YOKOHAMA Bay Hall
w/MUCC, ビレッジマンズストア
10月12日(水)北海道・小樽GOLDSTONE
w/Czecho No Repiblic, Brian the Sun
10月15日(土)福島・Hip Shot Japan
w/ROTTENGRAFFTY, Kidori Kidori
10月16日(日)山形・ミュージック昭和Session
w/ROTTENGRAFFTY, Kidori Kidori
10月18日(火)群馬・高崎clubFLEEZ
w/キュウソネコカミ, Age Factory
10月20日(木)石川・EIGHT HALL
w/キュウソネコカミ, Age Factory
10月25日(火)静岡・Live House浜松 窓枠
w/ tricot, 雨のパレード
10月27日(木)高知・CARAVAN SARY
w/BIGMAMA, 雨のパレード
10月29日(土)熊本・熊本B9 V1
w/Wienners, Hello Sleepwalkers
10月30日(日)福岡・小倉LIVE SPOT WOW!
w/Wienners, Hello Sleepwalkers
11月01日(火)山口・LIVE rise SHUNAM
w/赤い公園,パノラマパナマタウン
11月03日(木・祝)岡山・倉敷 REDBOX
w/赤い公園,パノラマパナマタウン
※全公演ソールドアウト

■<THE ORAL CIGARETTES唇ワンマンTOUR 2016〜キラーチューン祭り東名阪ワンマンの巻〜>

11月15日(火)愛知・Zepp Nagoya
11月16日(水)大阪・なんばHatch
11月22日(火)東京・Zepp Tokyo
▼チケット
前売 3800円(税込・ドリンク代別途必要)
一般発売日:2016年10月01日(土)

■シングル「5150」(読み:ファイブワンファイブオー)

2016.11.16 リリース
【初回盤(CD+DVD)】AZZS-54 ¥1,600(tax out)
【通常盤(CD)】AZCS-2056 ¥1,200 (tax out)
M1. 5150
M2. アクセス×抗体
M3. ミステイル
<初回限定盤DVD内容>
01. エイミー
02. 気づけよBaby
03. マナーモード
04. DIP-BAP
05. A-E-U-I

◆THE ORAL CIGARETTES オフィシャルサイト
◆THE ORAL CIGARETTES オフィシャルTwitter
◆THE ORAL CIGARETTES オフィシャルLINEブログ
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