【ライブレポート】SCREW、戦友ダウトと最後の共演果たす

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SCREWとダウトが10月12日と13日の2日間にわたり、東京・高田馬場AREAにて<SCREW vs ダウト「檻」-静寂の檻-><SCREW vs ダウト「檻」-喧騒の檻->と題した対バンイベントを開催。11月1日東京・TSUTAYA O-EASTでのライブをもって解散が決定しているSCREWにとって、これがダウトとの最後の共演となった。

◆SCREW、ダウト ライブ画像

バラードを中心に届けられた初日は、SCREWが先攻。「新しいSCREWが見せられたと思う」という言葉通り、初期のナンバー「秋風」「枯れ音」で幕を開けたライブは、独特な普段とは違う空間を醸し出し、オーディエンスも固唾をのんで流れを見守っていた。



「微笑みを亡くした愛と自由」では、悲鳴のようなギターの掛け合いと<あなたの心は苦しいはずなのに美しい>とマイクスタンドにすがるように歌う鋲(Vo)の歌声が痛々しいほど胸に響く。後半の「REMEMBER ME」では、華やかな演奏に、和己(G)がつまびくアコースティックギターの音が重なり、祈りにも似た響きを奏でた。

この日が最後の演奏となるかもしれない楽曲たちに、メンバー、そしてオーディエンスがそれぞれに想いを馳せる。ノイズにも似た雨の音から始まる「ANCIENT RAIN」では、うつむきがちにドラムを叩くジン(Dr)の全身から感情が溢れてくるようだった。ラストは「忘れたいつかの日...」。言葉に含みを持たせるように大切に、そして振り絞るような歌が届けられた。歌いきり脱力したかのように佇む鋲。本編中にMCはなく、観る者を圧倒する荘厳な世界だけを残しSCREWはステージを降りた。心をかき乱す静寂、優しさがしみる静寂、心に突き刺さる静寂と、駆け抜けた12曲に様々な“静寂”の色合いを残してくれた。


続いては、フォーマルな衣装に身を包んだダウトが登場。この日はキーボードを迎え、CD音源とは違ったアレンジでパフォーマンスを展開した。ミディアムテンポにアレンジされた「心技体」でスタートし、「蛍火」ではオーディエンスにハンドクラップをうながす幸樹(Vo)。SCREWの残した空気をがらりと変えていく様は、対バンであるからこその醍醐味を感じさせてくれる。

MCでは幸樹が「バラードは心の叫びだったり、メッセージ性を深く感じてもらえる曲。わかりやすく暴れるという形ではないけれど、みんなに届くと信じています」と感情を込めて伝え、心地良よいサウンドを届けたかと思えば、深く沈み込むような感情むき出しの「crawl」で会場を一気に飲み込むなど、オーディエンスの感情を揺さぶっていく。それから「JUDAS」「サイケデリコ∞サイケデリコ」「青い鳥」など、全編にわたりアレンジをほどこした楽曲を披露した。


アンコール1曲目は、ダウトのステージに鋲が参加。鋲は「今日は世界観が深くて暴れられなかったからアンコールではハジけたい」と明かし、鋲が好きな曲だというダウトの「刺青 –tattoo-」でオーディエンスを巻き込んで怒涛のコール&レスポンスが繰り広げられた。

「最後って言葉もう嫌だな…」と呟いた鋲。幸樹はその想いを受け止め、払拭するかのように「ステージにあがってもいいから。うずうずしたら前にきて!」とオーディエンスをフロア前方に呼び込み「鬼門」へ。会場はヘドバンの渦と熱気に包まれ、途中でSCREWメンバーも登場。ひヵる(G/ダウト)が和己に、威吹(G/ダウト)がマナブに自身のギターをあずけ、直人(Dr/ダウト)がジンとドラムを入れ替わるなど、大セッションとなった。さらに、ヒートアップしたメンバーはステージを所狭しと動きまわりじゃれ合うなど9人は夢中で遊び、初日を締めくくった。


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