【インタビュー】シンフォニーX、ついに実現した圧巻のパフォーマンス

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長年この日を待っていた多くのメタルファンの念願叶った<LOUD PARK 2016>。1998年の初来日時よりマイケル・ロメオの速弾き超絶テクニックとクラシカルなプレイスタイルは群を抜いていたが、シンフォニーXは、この18年の間にプログレッシブメタルとしてドリーム・シアターと双璧をなすほどに頭角を現してきた。しかしその反面、日本にはなかなか簡単に来ないバンドのひとつになってしまい、2年前の<LOUD PARK 2014>の出演もキャンセルに。

◆シンフォニーX画像

今回も直前まで本当に来るのだろうかと心配したファンも多かったのではないだろうか。そんな彼らの登場ステージはひとつ前のバンドの出番から場内は埋め尽くされていた。歌も演奏も圧巻のステージ、フェスという限られた時間の中でも素晴らしい世界観を圧倒的に魅せる、新作『Underworld』をメインにラスト3曲は初期曲を畳み掛け、あっという間の50分であった。

ライブ終了後はサイン会も行われ、長年の想いをメンバーに直接伝えられる貴重な機会に大盛況、その直後にラッセル・アレン(Vo)、マイケル・ロメオ(G)の二人がインタビューに応えてくれた。

──ようやく18年振りの2度目の来日が叶いました、今日のステージはいかがでしたか?

マイケル:素晴らしかったよ!

ラッセル:少しノルタルジックな気持ちになったよ。色々な感情がミックスしたけど、また戻ってこれて本当に嬉しい。

──アジアツアーは行っていましたが、なぜ日本に来るのにここまで時間がかかったのでしょうか?


マイケル:僕らは来たかったんだ。この前、中国に来た時もせっかくここまで来たのだから日本にも来れないかとスケジュールを組んでもらいたかった。プロモーターが他のバンドで忙しかったり、なかなかうまくスケジュールが噛み合わなくてね、残念ながらこんなに時間がかかってしまったよ。

──新作『Underworld』は、3rdアルバムの『The Divine Wings Of Tragedy』とリンクされているそうですね?

マイケル:多少関係あるかな。『Underworld』はダンテ(13世紀から14世紀にかけて作品を発表したイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリ)の神曲(しんきょく:地獄篇、煉獄篇、天国篇の3部から成る長編叙情詩)をテーマにしていて、そのへんは「The Divine Wings Of Tragedy」にもかかわりのある部分なんだ。

ラッセル:でも『Underworld』が続編ということではなく、独立したアルバムであるし、メンバーと話し合ってダンテの神曲を集めてこのテーマにしたんだ。基本的なテーマは、地獄へ行ってまた戻って来るという事、人間色々な地獄があるだろう?そこから戻るということだよ。

──楽曲がコンパクトになりましたが、表現するにあたり大作曲とどちらが難しいですか?

マイケル:コンパクトにするのは難しいんだよ。

ラッセル:僕らには言いたい事が山ほどある、長編にすればそれだけ盛り込んで作れるけれど、短いとその中で選択しなければならないからね、コンパクトにまとめるのはとても難しいことなんだ。

──作品作りには、どのようなものから刺激を受けますか?

マイケル:古典文学だね。

ラッセル:僕らが影響を受けて書きたい曲は、人間性やヒューマンなんだ。例えばダンテの時代やギリシャ神話でも、感情だったり悲しみだったり、人間は変わらなくて連綿と現代に繋がっている。特に悲劇からはインスパイアされるね。

マイケル:そういうものから歌詞も生まれるし曲も生まれる。基本的には「人間」を扱っているからだよ。

──アルバムリリースの間隔が4年に1枚ほどになっていますが、ソロ活動などが理由でしょうか?


マイケル:ソロ活動よりもコンスタントにツアーをしているからだね。ツアーの最中には制作活動がじっくり落ち着いてできないしね。

ラッセル:アルバムを出すのならきちんと曲作りをして、自分たちも満足できるものにしたい。そうするとそれくらいの時間がかかってしまうんだ。

──マイケルは、ジョー・サトリアーニが主催しているG3にはご興味ありますか?

マイケル:もちろんだよ。僕に声がかかった事はないけど(笑)、彼らが興味を持ってくれるなら!

──もうひとりは誰とプレイしたいですか?

マイケル:山ほどいるけど、例えば今日も出演していたウリ・ロート。あとはイングヴェイとか、子供の頃から聴いて育ったギタリストとやりたいね。でも、あまりにも多くて一人には絞れない。

──日本のファンへメッセージを。

マイケル:こんなに遅くなってごめん。

ラッセル:今回ショウをやってみて、本当に観客のみんなが熱心に観てくれた。自分の心に残るショウになったよ。まわりにも色々なバンドが出演したエネルギーが残っていて、素晴らしいリアクションと忘れがたいショウになった。みんながリスペクトしてくれている気持ちもとても伝わったよ。

マイケル、ラッセル:本当にありがとう!

<SYMPHONY X 2016.10.9 LOUD PARK 2016 @さいたまスーパーアリーナ>

1.Nevermore
2.Underworld
3.Run With the Devil
4.Without You
5.Set the World on Fire
6.Serpent's Kiss
7.Out of the Ashes
8.Of Sins and Shadows
9.Sea of Lies

取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Masayuki Noda
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