【インタビュー】サヴェージ・メサイア「夢が叶った思いだね」

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<ラウドパーク16>で初来日を実現させたロンドン出身のサヴェージ・メサイアにコンタクト、デイヴ・シルヴァー(Vo、G)に結成秘話から来日、次回のアルバムについてインタビューを試みた。

◆サヴェージ・メサイア画像

──初来日はいかがでしたか?

デイヴ・シルヴァー:夢が叶った思いだね。素晴らしいことだよ。ジューダス・プリーストやスコーピオンズといった俺のお気に入りのバンド達も日本と関係が強いからね、自分にとっては遠い世界のように感じていたから、実現できて本当に嬉しい。

──海外と日本のオーディエンスの違いは、感じましたか?

デイヴ・シルヴァー:ヨーロッパのオーディエンスと日本のオーディエンスのリアクションは凄く似てるよ。メタルコミュニュティーはそういう共通点があるんだと思う。違う点と言えば、言葉の壁があるから演奏だけで表現するというところかな。でも基本的にオーディエンスの反応は、同じ様に感じたよ。

──日本滞在中は日本を楽しみましたか?


デイヴ・シルヴァー:11時に渋谷に行ったんだけど、すごいたくさんの人達がスクランブル交差点を歩いているから驚いた。渋谷から歩いて10分くらいの神社に行って撮影をしたんだ。小さな神社だったけど静かで貴重な体験だったよ。

──行きたいとこはありますか?

デイヴ・シルヴァー:機会があれば、長崎、広島、大阪、神戸、日本の全ての場所に行って、歴史を学びたいな。

──京都もおすすめですよ。日本の古い歴史やお寺がたくさんあるので。

デイヴ・シルヴァー:それはいいね。渋谷はとてもモダンだけど、古い街や田舎にも興味があるから富士山もいいな。帰国する前に、どこか高いビルに登って富士山が見えればいいんだけど。


──サヴェージ・メサイアを初めて知るオーディエンスに、バンド紹介をしてもらえますか?

デイヴ・シルヴァー:2007年にロンドンで結成して最初にEPをリリースしたんだ。当初はDIYで全てやっていたよ。その後ジューダス・プリーストの『ペインキラー』やラウドネス、シン・リジィ、キング・ダイアモンド、アンビルなどをプロデュースしたクリス・タンガリーディスにコンタクトしたら気に入ってもらえて、レコード契約して1stアルバムをリリースした。それでオーヴァーキルと一緒に最初のツアーを経験した。後にそのレーベルと相性が合わなくなったから、Earache Recordsと契約して2枚アルバムをリリースし、規模の大きなツアーに出た。そこから年を重ねるごとにバンドが大きくなってきたんだ。今はプロデューサーのスコット・アトキンスと一緒に制作を行っているよ。

──メンバーチェンジも何度か行われていますよね。


デイヴ・シルヴァー:これは悲しい現実なんだけど、決してメンバーと喧嘩になったり問題が起きてメンバーチェンジした訳ではないんだ。例えば、安定した職につかなくちゃいけないとか、それぞれの家庭の事情や生活の問題がその理由だったんだ。特に若い頃は、ツアーで30日も外に出ていたら、家に帰って不協和音が起きたりしがちだ。今は、当時と違って環境が良いから問題ないけど。

──バンドが成功したことで、生活面は変わりましたか?

デイヴ・シルヴァー:この11月にスペインに家を購入するよ。ロンドンは天気が悪いから、あまり好きじゃないんだ。スペインは物価も安いしね。凄くハッピーさ。

──デイヴは、どんな音楽に影響を受けたんですか?

デイヴ・シルヴァー:ジューダス・プリースト、メタリカ、アイアン・メイデン、最近はデフ・レパードが好きだよ。

──若いのに、重鎮バンドばかりですね。

デイヴ・シルヴァー:生まれる時代を間違ったかな(笑)。僕はその時代の音楽が好きなんだよ。父がそういう音楽を普段から聴いてたから、子供の頃からジューダス・プリーストやブラック・サバスが家で流れていたんだ。

──あなたはサバスやジューダスを輩出したバーミンガムの出身ですよね。


デイヴ・シルヴァー:正直バーミンガムで育ったから影響を受けたということはないな。バーミンガムは産業地区だから、ロサンゼルスのようなロックのイメージを持つグラマーな感じではないんだよ。ブラック・サバスのファンが音楽のイメージを持ってそこに行くと、イメージと違う町だから凄くガッカリすると思う(笑)。ロンドンの方が楽しいよ。バーミンガムは昔工場が沢山あって栄えた街なんだけど、今ではUK経済の7割はサービス業だから、工場やビルディングは閉鎖されたまま残っている状況で寂しいね。当時は自動車関連の工場も沢山あったんだけど…。

──サヴェージ・メサイアというバンド名は、アーチ・エネミー4th『ウェイジズ・オブ・シン』5曲目「サヴェイジ・メサイア」が元ですか?

デイヴ・シルヴァー:アーチ・エネミーは大好きなバンドのひとつで、ギターのマイケル・アモットから影響を受けたよ。でも実は、このバンド名を決めた時は、このアルバムを知らなかったんだ。TVを観ていたら『サヴェージ・メサイア』という映画が始まってね、ただその名前がカッコいいなって思ってつけたんだよ。でも、アーチ・エネミーの楽曲名が元ネタと思ってても、僕は構わないよ(笑)

──サヴェージ・メサイアの新作の予定はどうなっていますか?

デイヴ・シルヴァー:ここ3ヶ月、ちょうどスタジオでアルバムを制作しているんだ。残りは僕の歌を録るだけ。10曲入りのアルバムで過去のアルバムからカッコいいと思う要素をピックアップしたようなアルバムだよ。ハードだけどメロディアスなコーラスが多いけど、リフは結構ヘビー。メガデスの『ラスト・イン・ピース』とデフ・レパード『パイロマニア』の間…ってイメージできるかな(笑)。でもサウンドはモダンだよ。この作品もスコット・アトキンスがプロデュースして、マスタリングはメタリカなどを手がけているエンジニアのテッド・ジェンセンだ。

──テッド・ジェンセンとは、どうやって知りあったんですか?


デイヴ・シルヴァー:自分からメールして、やってくれるか?って聞いたのさ。お互い条件が合ったからやってもらうことになった。

──完成が楽しみですね。

デイヴ・シルヴァー:楽曲は10曲、全部俺の作曲だけど、テスラのブライアン・ウィートがコ・ライターとして2曲参加してくれているんだ。ブライアンは凄く謙虚な人で、過去にも作曲の仕方とかエクゼグティブ・プロデューサーの様な存在でお世話になった。「自分が夢をしっかり持っていれば、それは叶う」というインスピレーションを与えてくれたのもブライアンなんだ。

──もう完成間近ですか?

デイヴ・シルヴァー:ツアーが合間に入っていたりしたから、楽曲を書き始めてから現在まで約1年ぐらいかかったね。何度もスタジオで作り直す作業もあった。リフからできたり、メロディーやコーラス部分が先に生まれたり、楽曲によって制作過程は様々だけど、フィーリングを大切にして何よりも自分たちが演奏していて楽しいことを優先させたんだ。ニューアルバムのリリースは、来年の2~3月頃になると思うよ。


取材:Sayaka Shiomi
写真:K.Sato
神社写真:Yoshika Horita
ライブ写真:Masayuki Noda

<サヴェージ・メサイア来日公演@ラウドパーク16>

1.INTRO TAPE
2.CROSS OF BABYLON
3.HELLBLAZER
4.THE FATEFUL DARK
5.NEW SONG
6.SCAVENGERS OF MERCY
7.MINORITY OF ONE

◆サヴェージ・メサイア・オフィシャルサイト
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