【総括レポ】<VISUAL JAPAN SUMMIT>、あの狂乱3DAYSの回想録「もう無敵である」

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2日目の15日、会場の空気を一気に変えたのは、やはりhide with Spread Beaver。スクリーンに楽屋が映ったと思えば、ピンク色のヘアーをしたhideを先頭に、ステージへの廊下に向かうメンバー。その顔ぶれはあの7人、8年ぶりに戻ってきた。ハイハットを合図に、スクリーンの中にhide、ステージにSpread Beaverが登場。完全に映像とシンクロしながら「ROCKET DIVE」へ突入。あの時から時間は止まったままの永遠のロックヒーローが、今、爆音をかき鳴らしながら熱狂させていく。時間も次元も飛び越えて、そこにいるようなhide。「幕張のお客さん、どうだい。明日はね、やってないよ。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆ならなんとやら。やっちゃってくださいな。趣味の悪い髪の色に免じて、やっちゃってくださいな」と煽り、さらに爆裂モードで熱狂するファンとメンバー。




ライヴ中盤のことだった、YOSHIKIが姿を見せ、そのままクリスタル・ピアノに向かった。弾くのは「GOOD BYE」。歌うのはもちろんhide。実現しそうでしていなかったことが、今、現実になっていく。スクリーンにはhideのオンステージ、オフステージ、決め写真も次々に映る。それらの映像と、目の前で起こっている奇跡がシンクロして、感動と嬉しさの涙が勝手に流れるばかりだ。スクリーンの中のバスローブ姿のYOSHIKIにhideが抱きつくというエンディングに、涙は尽きない。

ファンのみんな、hideの両親と弟、Spread Beaverのメンバーに感謝するYOSHIKI。「じゃあ、もう1曲いってみようか? 気合い入ってるか!」と威勢のいい声を張り上げた。ピアノで弾くのは「ピンクスパイダー」のフレーズ。そこからバンドモードへと展開し、YOSHIKIが手にしたのはhideのイエローハートだ。Spread Beaverのメンバーと絡みながら、歌詞を口ずさみ、イエローハートを鳴らす。このhide with YOSHIKI with Spread Beaverに、ファンも超笑顔。すごい一体感も生まれていった。




そして次はライヴ後半のこと。「スペシャルなゲストを呼んでます。誰だと思う? “アルマーニ…、それってうめえんか!”」とベースのCHIROLYNの言葉で、PATAが登場した。その紹介がニクい。今でも思い出す、20数年前の六本木。Xの取材後にHIDEとPATAとみんなで飲んで、一軒目を後にしたのは深夜12時過ぎ。次の店へ向かって歩いてたとき、PATAがアルマーニのジーンズを履いていたことに、みんな、気づいた。HIDEも「へぇ〜、アルマーニ。PATA、おしゃれ」なんて言ってたら、PATAは「アルマーニ? それってうめえんか?」と一言。完全に酒の名前だと思っているPATAであった。それ以来、笑い話としてネタにされることもしょっちゅう。当時、2人がよく通ってた阿佐ヶ谷のオバちゃんの店(飲み屋)でも、アルマーニください、とオバちゃんやPATAを笑わせるHIDEだった。

PATAも加わってSpread Beaverのメンツが勢揃い。「天にいる人はもっと幸せな気持ちになってると思うんですよ、ホントに。hide、準備はいいかい」とI.N.A.の問いかけに、hideは「どうもありがとう。じゃあ、最後の曲です」と答え、ポップな「TELL ME」へ。PATAがスクリーンのhideや目の前のファンを見て、メチャクチャいい笑顔。最後は、花道から照明が輝くステージに走り、ライトのまぶしさで姿を消していくhideだった。ちなみにステージに姿を見せなかったが、このステージでマニピュレーターを担当していたのは匠。DIR EN GREYの京のもうひとつのバンド、sukekiyoのメンバーであり、生粋のXマニアでもある。


サプライズの連続だったこの日、さらに驚くことが実現。そう、HYDE×YOSHIKIのユニットである。白のYOSHIKI、黒のHYDEという対照的な衣装に身を包んだ2人がステージに登場すると、割れんばかりの歓声が巻き起こった。YOSHIKIが88鍵を思いっきり使ったダイナミックなメロディを奏で、その指先を見ながらHYDEが歌い始める。L'Arc〜en〜Cielの曲がこの場で披露されていくことに、ファンは驚き、また陶酔。HYDEがコンダクターのように腕を動かすと、客席からコーラスの歌声が響き渡った。

「L'Arc〜en〜CielとX JAPAN、一緒にいるとおもしろい」とYOSHIKI。HYDEも「よく考えると、YOSHIKIさんとステージに立つって、どういうことって(笑)!?」。またYOSHIKIが「来てくれて、本当に感謝しています。これからもL'Arc〜en〜Ciel、よろしくお願いします」と言えば、「X JAPANをよろしくお願いします」とHYDE。

次なる曲はX JAPANのナンバー。HYDEの繊細で、しかしエモーショナルな歌は、曲に新たな魅力を加えていく。客席から自然に起こる拍手。それに包まれながら二人は満足そうにハグを交わした。「みんな、どうもありがとう。HYDEはVAMPSもね、よろしくお願いします」とYOSHIKIが言うと、HYDEは“Xサイン”を手で作る。「L'Arc〜en〜Cielってサインないの?」と聞かれると、HYDEは右手で“L”を作りながら「多分、こんな感じです(笑)」と。2人ならんで“L”を作って、奇跡のユニットのステージは終了。クロージングSEはL'Arc〜en〜Cielのライヴでよく流れるエンヤのナンバーだった。



さらにこの日はミラクル続き。それはGLAYのステージだった。TERUが「僕らデビューしたとき、この形プラス、キーボードだった。そう、お呼びしましょう、DIEちゃん!」との言葉で、Spread BeaverのDIEが呼び込まれた。このラインナップでのライヴが実現するのは、実に18年ぶり。「生きてて良かったー!」と素直な気持ちを口にするDIE。またTERUは、hideと音楽について深く語り合ったときのことを振り返る。hide with Spread Beaverの「HURRY GO ROUND」は、GLAYの曲みたいなナンバーを作りたくて形にした、と話してくれたこともあったという。「俺達はこんなに成長したんだよってのをhideさんに届けたいと思います」と、そのナンバー「HOWEVER」へと続いた。今度は「泣きそうー!」とDIE。



本来は次の「生きてく強さ」でDIEはステージを降りる予定だったようだ。ところがTERUも18年ぶりのことにテンションが高まりまくって、ファンを煽り続ける。で、唐突に「あっ…、DIEちゃんありがとう」と照れながら言う。完全にタイミングを忘れてたようだ。客席からも笑いが。そこで「いや、DIEちゃんもイケるんじゃないか」と誘うが、次の曲が分らないDIEは複雑な笑顔。「曲は「彼女の“Modern…”」なんだけど…」と、TERUはマイクを通したまま曲名を明かしてしまう。メンバー全員、失笑してしまうが、もう、TERUは無敵です。「イケるか! DIEちゃんもイケるのか!」と大将譲りの煽りを食らわせる。大胆かつ解放的なライヴパフォームに、GLAYファン以外も巻き込みながらの大盛り上がり。

神出鬼没な飛び入りセッションなども、過去の<エクスタシー・サミット>のもうひとつの見どころだった。1日目では何か大事なこと忘れてないか?と思ったのもそこ。それが2日目では起こりまくって、<エクスタシー・サミット>の雰囲気もプンプンに漂う。それは3日目でも続くことになった。

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