【インタビュー】正統派メロディック・パワー・メタル、シアクラシーここにあり

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アメリカ、ジョージア出身のメロディック・パワー・メタル・バンド、シアクラシーが5年振りとなる4thアルバム『ゴースト・シップ』をリリースする。キャッチーで鼓舞するメロディをそのままにさらにパワフルになった10曲を携え、シーンへと挑む注目のアルバムだ。

◆シアクラシー画像

シアクラシーは、2002年にマット・スミスのソロ・プロジェクトとして発足したバンドで、2003年にセルフ・タイトルのアルバムでデビューを果たした。2008年に発表された2nd『Mirror Of Souls』での高評価と共に一気にシーンで注目を浴び、ソナタ・アークティカやブラインド・ガーディアンのオープニングを務めた後、2009年の秋にはヨーロッパをヘッドライナーとして回ることとなった。

2011年にリリースした3作目『As The World Bleeds』は、ビルボード・ヒートシーカー・チャートで初登場40位へくい込み、再びヨーロッパ・ツアーへと出向き、アメリカでもツアーを開催、2013年にはデビュー作を一部リレコーディング/リミックスを施し、再リリースをも行っている。

そして、2015年からニュー・アルバムの制作に着手し、完成したのが5年振りのアルバムとなる『Ghost Ship』だ。ミッドテンポのシンガロング・アンセム「Ghost Ship」、強烈なスラッシーなリズムを聴かせる「The Wonder Of It All」、メロディックでフックあるエモーショナルなバラード「Around The World And Back」、エピックでプログレッシヴな「Easter」と、欧風正統派メロディック・パワー・サウンドにキャッチーなメロディを乗せ、ドラマティックな彩りが秀逸だ。メロスピ系の疾走チューンや、ミドル・チューン、テクニカル・パワー系のセンスとテクニックも高水準で、ヴォーカリスト、マット・スミスの歌唱力も冴える。

「ロードで出会った多くの人たちからいろいろな影響を受け、感激したことがずっと心の中に残っていた。そのインパイアがアルバムを制作するときにオレを奮い立たせてくれたし、それらのストーリーが新作に投影されているよ」──マット・スミス(Vo)




──通算4作目のアルバムが完成しました。今のお気持ちは?

マット・スミス:ありがとう。今回は完成までにかなり時間を要したけど、今はアルバムを聴いたみんなが気に入ってくれるかどうかを気にしているところ(笑)。その感想を聞く準備はできているけどね。

──アルバムの制作過程はいかがでしたか?納得のいく仕上がりになりましたか?

マット・スミス:もちろんだよ。アルバムが完成して後で聴き直すと「あー、あそこは変えればよかった」とか「もっと上手くできたのに」とか思うことが多々あるけど、今のところそれが全くないんだ。作業中は「これ以上良くすることはできない」というところまで根詰めて仕事をしたからね。同時にそのサウンドをとても気に入っていた。セッションは順調だった。でも締切りが迫っていたときは少しストレスを感じたよ。最後はまさに不眠不休状態だからね(笑)。今回は自分のスタジオではなく農場の家屋でレコーディングを行ったんだけど、ドラムのサウンドが最高なんだ。

──今回のセールス・ポイントがどういう点になりますか?


マット・スミス:過去3作を気に入ってくれた人は必ずこの『Ghost Ship』も好きになってくれるはず。出し切れる力を100%込めた作品だからね。まさに血と汗と涙の結晶だよ。作品を誇りに思えるまではリリースしないと心に誓っているんだけれど、このアルバムに収録された10曲はまさにそんな楽曲になった。オレにとってはいくつかのメタルのアルバムよりも楽しく聴くことのできるアルバムに仕上がっているし、アルバムの尺もパーフェクト。短くもなく長すぎることもないベストな長さだと思う。これまでに何度も何度も聴いてきたアルバムだけど、今でも聴くのが本当に楽しい作品になっているんだ。特に「Easter」はエピックと呼ぶに相応しい仕上がりになったな。

──シアクラシーはどのようなバンドとして結成したのですか?

マット・スミス:最初は自身のソロ・プロジェクトだったんだ。というのも一緒にプレイしたいと思うミュージシャンを知らなかったから。子供の頃から曲を多く書いてきたし、いいと思う曲をデモとして録音してきたから、マテリアルに困ることはなかった。そんな中、アメリカのMetalages Recordsが興味を示してくれてリリースが実現した。それがデビュー・アルバムなんだ。それからドラムのショーン・ベンソンとギターのジョナサン・ハインズが加わることになり、バンドへ発展した。そして2ndとなる『Mirror Of Souls』をリリースしたんだけど、その後ジャレッド・オールドマンとヴァル・アレン・ウッドがバンドへ加入し、5人組のバンドとなった。オレたちはヨーロッパを中心にツアーを行い、2011年には『As The World Bleeds』を発売することができた。そして今回のニュー・アルバムが完成して、まさに発売目前という状況なんだ。

──シアクラシーという名前の由来は?

マット・スミス:クリスチャン・バンドなんだ。Theocracy / 神権政治とは、神が直接的な統治者である政府という意味で、「Theocracy」という曲を書いた。それは1stアルバムに収録されているよ。それがバンドの名前になったんだ。俺は南部のゴスペルを聴きながら育ったんだ。そして教会で歌うようになった。そのお陰でハーモニーを聞き分けることのできる耳になった。それからメタルに目覚め、そのパワーと力強さが好きになった。そしてクイーンズライクと出会って衝撃を受けたんだ。彼らが見せる複雑な展開と知性ある楽曲には影響されたなぁ。まさにオレを新しい世界へと導いてくれたバンドだと思う。それからはメタリカやメガデスのスラッシュ系やドリーム・シアターやフェイツ・ウォーニングのプログレ・メタル系が好きになった。ヨーロッパのメロディック・パワー・メタル系であるソナタ・アークティカやエドガイ、ナイトウィッシュも好きだったよ。壮大なコーラスやメロディがいいよね。これらの影響がシアクラシーへと反映されている。アルバムの中にも如実に表れているよ。

──アーティスト写真にドラムのショーン・ベンソンの姿がないのは…

マット・スミス:彼は他のことで忙しくなり、これ以上シアクラシーのメンバーとしてコミットすることができなくなったんだ。でもこのアルバムで彼は素晴しいドラム・プレイをしてくれたよ。セッション・ミュージシャンとしてね(笑)。

──これからの予定は?


マット・スミス:今は「Ghost Ship」のビデオを制作している真っ最中。それが終了したらヨーロッパ・ツアーへ向かう予定になっている。12月にはアトランタでアルバム・リリース記念ショーを行い、来年はアメリカをまわるんだ。

──日本にもぜひ来てくださいね。

マット・スミス:日本の親愛なる友人たちへ。今回は『Ghost Ship』のためにこのインタビューを読んでくれてありがとう!オレたちは日本を訪れることが夢なんだ。素晴しい場所、素晴しいファンが多くいる国だと聞いているよ。みんなと会えることを楽しみにしているから、その時までアルバムを聴いて待っていて欲しい!Thank you for your support!


シアクラシー『ゴースト・シップ』

2016年11月09日発売
BKMY-1036 2,222円(税抜価格) + 税  
※日本仕様盤(帯、プロフィール、インタビュー付)
1. Paper Tiger
2. Ghost Ship
3. The Wonder Of It All
4. Wishing Well
5. Around The World And Back
6. Stir The Embers
7. A Call To Arms
8. Currency In A Bankrupt World
9. Castaway
10. Easter

Produced, Engineered and Mixed by Matt Smith

Line-up
・Matt Smith (vo)
・Val Allen Wood (g)
・Jonathan Hinds (g)
・Jared Oldham (b)
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