【ライブレポート】OLDCODEX「テメーらのいちばん大切なヤツのことを思い浮かべろ!」

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シングルコレクション『Fixed Engine』を引っ提げたOLDCODEX最大規模の全国ツアー<OLDCODEX Tour 2016-2017 “FIXED ENGINE”>が9月24、25日のZepp DiverCityを皮切りにスタートした。今回は25日の公演の模様をお届けしよう。

◆OLDCODEX ライブ画像(※9月24日公演分)

タイトルとシンクロするエンジンをモチーフにした巨大なステージセットに関しては、ファンが終演後に撮影した写真がアップされているので目にしている人も多いと思うが、過去のセットを上回るインパクトである。プロジェクションマッピングなど演出の技術がどんどん進化する昨今ではあるが、OLDCODEXの想いや夢、PainterであるYORKE.のセンスがぎっしり詰まった人力の極みとも言えるセットは1度見たら、記憶に深く刻みこまれるものだ。

『Fixed Engine』がオリコンウィークリーチャートの3位を記録し、その存在と音楽が多くの人たちに浸透している中、開催されたツアーの2日目。演出やセットリストを順を追って詳しく記すのは控えるが、今回のライヴを端的に言うと驚きと興奮の連続で時間がすごいスピードで過ぎ去っていく。


シングルコレクションに収録されている過去の楽曲は2016年ヴァージョンとしてチューンナップされ、前半からTa_2、YORKE.以外のサポートメンバーも今まで以上にぐいぐい前に出てきて煽り、ひとかたまりになったヘヴィな演奏とパフォーマンスが展開されていく。センターを張るTa_2のヴォーカルはより攻撃力を増し、存在自体がタフになっているし、歌ってパフォーマンスしながら上手、下手のキャンバスに色を重ねていくYORKE.が描き出す絵にも“ここまでやるのか”と思わせられる粋な計らいがたくさん隠されている。OLDCODEXのステージは視覚と聴覚を総動員しても間に合わないぐらいに発想力豊かで刺激的だった。

「今日は東京DAY2だ! オマエら、今日はためこんだものを発散しに来たんだろ!? 日頃の鬱憤、全部、こっちにぶつけてこい! ここはライブハウス。オマエらの最高の遊び場だろ?」──Ta_2

Ta_2の熱い煽りに場内が揺れるぐらいの歓声が響きわたり、またたく間にZepp DiverCityは灼熱の空間と化した。ギッシリ超満員のフロアーから突き上げられる拳の数々、気合いの入った声がOLDCODEXをますます加速させていった。

とは言え、激情を叩きつけるだけが彼らのライヴではない。見果てぬ地にいざなってくれるような切ないミドルチューン「Lantana」ではデカいグルーヴでスケールアップした風景を描き出す歌と演奏が届けられ、魔法使いのような衣装を身にまとったYORKE.がステージの床にペンキを落としていく「Milestone」では想像を超える光景が目の前で繰り広げられていく。ヴォーカリストとペインターという異色の組み合わせだからこそ、広がっていく可能性。OLDCODEXのフォーマットが限りなく自由であることを改めて見せつけられる思いのするステージでもあった。

「このセット、スゴいでしょう! ガッツリYORKE.に頑張ってもらいました」とTa_2が得意気に話し、メンバー紹介ではそれぞれの豪快(?)なエピソードが明かされた。この日、特にオーディエンスを仰天させたのは前日(つまりツアー初日)の夜に料理をしていたら、親指の皮を一緒にスライスしてしまったというRyoの近況だ。包帯を巻いたRyoをTa_2は「スライサーくん」と呼び、「YORKE.が肋骨やって俺が肘やって今度はRyoかよ!? 次は真司だな」と笑い飛ばし、怪我をする直前までRyoとLINEをしていたというYORKE.は「俺、『カタルリズム』の歌詞を思い出しちゃった。1秒前には戻れねーんだな(“とりあえず1秒先の未来へ”という一節がある)って」と場内を沸かせた。



そして、つねにみんなの度肝を抜くようなことを考えてくれているスタッフやレーベルの人たちに感謝の言葉を述べたTa_2はOLDCODEXのヒストリーを振り返った上で変わらない想いを伝えた。

「みんなの日常にもすげえ大変なことだったり、いろんなことが舞い込んできてると思う。その中で立ち上がるのが難しいな、前に進むのが辛いなって思うかもしれない。だったら、いつでもここだったり、自分が持っているプレーヤーで俺たちの音楽を聴けばいい。俺たちはいつでもオマエたちの背中を押してやるからな。それまで俺、声が枯れ続けても声がなくなってもずっと歌っててやるし、ずっとここに立ってるし、YORKE.もオマエらに「また会えたらいい」ってずっと言えるように。「またすげえことやってるな」ってそんなアイディアが枯れないようにずっとここに立ち続けたいと思います。思いきり騒いでくれ!」

この熱量こそがOLDCODEXのエンジンをパワーアップさせ、燃焼させ続けているのである。

後半では音源に先がけ、『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』のために書きおろされた新曲「The Experience」も披露され、Ta_2は「クソ楽しい!」と笑顔。

インタビューでTa_2はツアーについて「過去を懐かしむツアーではなく、前に進むための一歩を踏み出すツアーにしようと思っている」と予告し、YORKE.は「最初からエンジン全開で飛ばしていけるといい」と言っていたが、まさにその言葉通り。ステージから見た2階席は湯気でくもって見えないほどだったらしいが、コール&レスポンス、シンガロングで盛り上がりまくるオーディエンスもOLDCODEXのエナジーに勝るとも劣らない熱を放っていた。

OCDコールが鳴りやまないアンコールではTa_2とYORKE.の2MCで攻めるナンバーに大合唱。曲が終わっても彼らを求める声は大きくなるばかりで、メンバーと協議の結果、「テメーらのいちばん大切なヤツのことを思い浮かべろ!」と予定になかった曲が届けられた。

ドラマティックなエンディングも含めて、ツアー冒頭からものすごいライヴを見せてくれたOLDCODEX。いったいファイナルの日本武道館はどうなってしまうのか。想像するだけでワクワクする。

取材・文◎山本弘子
(※写真は9月24日公演のものです)



■YORKE.アートワーク展示イベント(アニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』「SPECIAL TIP-OFF ACT w/ OLDCODEX」)

アニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』の新作映像『SPECIAL TIP-OFF ACT w/ OLDCODEX』のためにOLDCODEXのペインターであるYORKE.が描きおろしたアートワークを展示します。
さらにこのアートワークを使用した限定デザインのNEW ERARスペシャルコラボキャップ(非売品)を特別展示します。
■会期:2016年11月1日(火)~8日(火)
■会場:西武池袋本店 別館2階=西武ギャラリー
■開場時間:午前10時~午後9時
※入場は閉場時間の30分前まで
※11月3日(木・祝)、6日(日)は、午後8時にて閉場いたします。
※最終日11月8日(火)は、当会場のみ午後6時にて閉場いたします。

■入場料:
●前売券/500円、グッズ付き前売券/1,500円
※前売券は、ローソンチケット、セブンチケットにて10月31日(月)午後11時59分まで販売。
※前売券は日付指定となっており、各日販売枚数に上限がございます。

●当日券/500円
※前売券の販売が予定数に達した場合は、当日券の販売は行いませんので、あらかじめご了承ください。
※障がい者手帳各種ご提示で、ご本人さまとご同伴1名さままで無料でご入場いただけます。

ライブ・ツアー情報

<OLDCODEX Tour 2016-2017 “FIXED ENGINE”>
Zepp DiverCity を皮切りに、全国・アジアを巡る OLDCODEX 史上最大規模のツアー、ファイナルは日本武道館公演!

9月24日(土)東京・Zepp DiverCity
9月25日(日)東京・Zepp DiverCity
10月1日(土)宮城・SENDAI PIT
10月2日(日)宮城・SENDAI PIT
10月9日(日)広島・JMS アステールプラザ 大ホール
10月10日(月)山口・山口市民会館 大ホール
10月15日(土)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール<延期発表済>
10月29日(土)石川・本多の森ホール
10月30日(日)新潟・新潟県民会館
11月6日(日)北海道・Zepp Sapporo
11月11日(金)愛知・Zepp Nagoya
11月12日(土)愛知・Zepp Nagoya
11月18日(金)大阪・なんば Hatch
11月19日(土)愛媛・松山市総合コミュニティセンター
11月22日(火)兵庫・神戸国際会館こくさいホール
1月14日(土)東京・日本武道館
1月15日(日)東京・日本武道館

Fes出演
●KNOT FEST JAPAN2016
11月5日(土)OPEN10:00 / START12:00 会場:幕張メッセ国際展示場 9~11 ホール

リリース情報

New Single「Scribble, and Beyond」
2016年11月30日発売
初回限定盤 (CD+DVD)
品番:LACM-34538 価格:1,800+税
◆表題曲のアニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』主題歌「Scribble, and Beyond」、アニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』SPECIAL TIP-OFF ACT テーマ曲「The Experience」、
他1 曲を含む全3 曲収録。
◆「Scribble, and Beyond」のMusic Video とMaking を収録したDVD を同梱。◆YORKE.制作アートワークジャケット

通常盤(CD Only)
品番:LACM-14538 価格:1,300+税
◆表題曲のアニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』主題歌「Scribble, and Beyond」、アニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』SPECIAL TIP-OFF ACT テーマ曲「The Experience」、
他1 曲を含む全3 曲収録。◆YORKE.制作アートワークジャケット
アニメ盤(CD Only)
品番:LACM-14539 価格:¥1,200+税
◆表題曲のアニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』主題歌「Scribble, and Beyond」、
アニメ『黒子のバスケ ウインターカップ総集編』SPECIAL TIP-OFF ACT テーマ曲「The Experience」、
全2曲収録。◆描き下ろしアニメイラストジャケット

◆OLDCODEX オフィシャルサイト
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