【インタビュー】中村雅俊「折り返し地点はとっくに過ぎたかなと。だから、先を目指すのではなく、今日をどう生きるか」

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■ 「恋人も濡れる街角」だけは、桑田くんの仮歌で覚えたから桑田くんの歌い方になっちゃって

── デビュー前、大学時代にたくさん作っていたというオリジナル曲は、フォークソングですか。

中村:それは完璧にフォークでしたね。拓郎さんの歌が好きなわりには、拓郎さんっぽくない曲ばかり作っていました。いわゆる循環コードの、シンプルなフォークですね。

── デビュー当初は小椋佳さんや吉田拓郎さんの曲が多くて、80年代には桑田佳祐さんをはじめ、錚々たるシンガーソングライターたちから楽曲提供を受けるわけですが。

中村:桑田くんが「恋人も濡れる街角」を作ってくれた時は、すごくいろいろやってくれたんですよ。2曲作ってくれて、もう1曲「ナカムラ・エレキ音頭」というのがあって、当時サザンと同じアミューズにジューシィ・フルーツというバンドがいて、彼らが「ナカムラ・エレキ音頭」の掛け声とか太鼓とかをやってくれた。なおかつ「恋人も濡れる街角」に関しては、仮歌を桑田くんが歌ってくれたんですよ。言い訳させてもらうと、桑田くんの歌で覚えたから、あの歌だけは桑田くんの歌い方になっちゃって。

── なりますよね(笑)。あれだけ個性のある歌い方だと。でもやっぱり雅俊さんの歌にしか聴こえないですけど。

中村:いやいや。本当にありがたいことですね。実は、いろんなアーティストが書いてくれてるんですよ。小田和正さん、ASKA、米米CLUBとか、みんな「ヒット曲にしますから」って言ってくれて、気持ちよく書いてくれたのがすごくうれしかったですね。そういえばスターダスト☆レビューの(根本)要くんに作ってもらった時(1993年「ほんとうに愛ができること」)は、キーが高くて、「どうだ!」みたいなデモテープが来て、これはさすがに出ないと思いました(笑)。たぶん彼が歌った時に最大限の魅力が出るのがそのキーで、下げて歌うとニュアンスが伝わらないと思ったんだろうね。

── いろんな方がいますね(笑)。

中村:小椋佳さんなんかは、ギター1本ですね。ユーミンに2曲作ってもらった時も、ピアノと歌だけだった。尾崎亜美ちゃんは、完璧なアレンジのデモテープでした。振り返ると、本当にいろんな人とやってますね。

── 最後に、これからのことについて、聞かせてください。たとえばかつてのビートルズのように、今もあこがれているとか、追いかけている人はいますか。

中村:ああ、いや、そう言われると、今はまったくそういう気持ちじゃないですね。自分のペースでという感じです。若い時に持っていたような、あこがれみたいなものはなくなりました。「あこがれ」って「夢」と同じようなもので、夢に似たようなものはもう持たなくなっちゃいましたね。

── それは、理想の人生を歩んでるからじゃないですか。

中村:どうだろうね。ふと振り返ると、マラソンじゃないけど、折り返し地点はずいぶん前にとっくに過ぎたかなという感じはあるんですよ。わりと、意識しないで生きてる感じが強いですね。逆の言い方をすると、先を目指してじゃなくて、今日をどう生きるか。寝る前に、今日はいい1日だったかを確かめるみたいな、そういう感じのほうが生き方としては楽だなと今は思うんです。この1日を精いっぱい生きるという、知らず知らずのうちにそういうふうになってるなと思います。まあでもそれが年齢にあった生き方だと思うんで、ダメだと思うこともないんだけど。逆に楽しいなと思えることが増えましたね。

── 素晴らしいです。

中村:若い時はね、勢いだけで、ただ「行くぞー!」みたいな感じだったけど、かみしめるというか、そういうことは増えたよね。心の底から「この時間が楽しいな」と思えたり、今やってることはいいなと思えたり。

── 「風と行く」というのは、そういう心境とも重なっているのかなって、今思いました。

中村:ああ、たぶんそういうことですよね。詞の内容も、そうですもんね。2コーラス目の“若いと言われ 弾かれた時”とか、“剝き出しの夢を信じられたか”とかね。そういう時代もあったけど、今はじっくりと自然の中にたたずんで、風の音を聴いたり、景色を見たり、心の底から「ああ、美しい景色だな」と思うのは、年とってからだからね。夕日を見ただけで感動するとか、俺もよくやってるし(笑)。

── 年イチぐらいでいいので、新曲が聴きたいです。これからも。

中村:そうですよね。ぜひまたやりますんで、その時はよろしくお願いします。ツアーもぜひ観てくださいね。

  ◆  ◆  ◆

取材・文=宮本英夫


シングル「ならば風と行け」

2016年9月14日(水)発売
■初回盤(CD+DVD)
COZA-1232/3 ¥2,160(税込)
■通常盤(CD)
COCA-17208 ¥1,080(税込)

【収録曲】
M1.ならば風と行け ※東建コーポレーション イメージソング
作詞:松井 五郎 作曲:都志見 隆 編曲:大森 俊之
M2.夜空に
作詞:売野 雅勇 作曲:鈴木 キサブロー 編曲:大森 俊之
M3.ならば風と行け (カラオケ〜)
M4.夜空に (カラオケ)

※DVD付仕様盤には2015年10月12日(月・祝)、神奈川県民ホールで行われた中村雅俊コンサートツアー 「COLOR OF HEART」より最新のLIVE映像を収録。
収録曲:「君がいてくれたから」、「雨のハイウェイ」、「100年の勇気」、「心の色」、「ふれあい」 「恋人も濡れる街角」、「はじめての空」全7曲収録。

中村雅俊コンサートツアー2016「L-O-V-E」

2016/10/01(土) かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(東京都)
開演16:00
【問合せ】かつしかシンフォニーヒルズ 03-5670-2233

2016/10/02(日) 三島市民文化会館 大ホール(静岡県)※
開演17:00
【問合せ】三島市民文化会館 055-976-4455

2016/10/10(月) 笠懸野文化ホール・パル(群馬県)※
開演16:00
【問合せ】桐生音協 0277-53-3133

2016/10/15(土) 那須野が原ハーモニーホール 大ホール(栃木県)※
開演16:00
【問合せ】桐生音協 0277-53-3133

2016/10/16(日) 熊谷文化創造館 さくらめいと(埼玉県)
開演16:30
【問合せ】さくらめいとチケットセンター 048-532-9090

2016/10/22(土) 福山市神辺文化会館 大ホール(広島県)※
開演18:30
【問合せ】福山市神辺文化会館 084-963-7300

2016/10/23(日) 三豊市文化会館 マリンウェーブ(香川県)※
開演15:30
【問合せ】三豊市文化会館マリンウェーブ 0875-56-5111

2016/10/30(日) 愛知県芸術劇場 大ホール(愛知)
開演16:00
【問合せ】サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

2016/11/03(木・祝)岸和田市立浪切ホール 大ホール(大阪)※
開演16:00
【問い合せ】岸和田市立浪切ホールチケットセンター 072-439-4915

2016/11/05(土) 日立市民会館(茨城県)※
開演16:00
【問合せ】桐生音協 0277-53-3133

2016/11/12(土)タウンホールとみか 大ホール(岐阜)※
開演19:00
【問い合せ】タウンホールとみか:0574-54-2112

2016/11/13(日)福崎町エルデホール メインホール(兵庫)※
開演18:00
【問い合わせ】福崎町エルデホール:0790-23-1655

2016/11/20(日) 津幡町文化会館 シグナス(石川県)※
開演17:00
【問合せ】津幡町文化会館 シグナス 076-288-8526

2016/11/25(金) なかまハーモニーホール 大ホール(福岡県)※
開演18:30
【問合せ】なかまハーモニーホール 093-245-8000

2016/11/26(土)菊池市文化会館(熊本県)※
開演16:00
【問い合わせ】菊池市文化会館 0968-24-1101

2016/11/27(日)新富町文化会館 大ホール(宮崎)※
開演18:30
【問い合わせ】新富町文化会館:0983-33-6205

2016/11/30(水) 庄内町文化創造館 響ホール(山形県)※
開演18:30
【問合せ】庄内町文化創造館 響ホール 0234-45-1433

2016/12/03(土) 中野サンプラザホール(東京都)
開演17:00
【問合せ】キョードー東京 0570-550-799

2016/12/11(日) 新大阪メルパルクホール(大阪府)
開演17:00
【問合せ】サウンドクリエーター 06-6357-4400

2016/12/24(土) ハートピア春江(福井県)※
開演19:00
【問合せ】ハートピア春江 0776-51-8800

※の会場は“中村雅俊コンサートツアー2016「L-O-V-E」 Acoustic Unit”となりアコースティック編成です。

◆中村雅俊 オフィシャルサイト
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