【速レポ】モンパチフェス＜WWW!! 16＞、SPECIAL OTHERS「もう移住しちゃっていいですか？」

すっかり日が傾き、あたりはマジックアワーに包まれる。様々な輪郭がぼやけていく時間、1音1音が鮮やかできらびやかな1曲目「Good Luck」が始まった。

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夕日の優しい光とも相まって、穏やかな、そしてゆるやかな心地よさに、全身の力を思いっきり抜いてリラックスし身をゆだねたくなる。ステージの前でビール片手に体を音に任せて揺れたら、きっと最高の気分だろう。見渡してみると、みんな同じ考えのようで、目を閉じてじっと聴き入っていたり、思い思いに踊っていたり、はたまたシャボン玉を飛ばしてみたり。スタイルは違えど、どの顔もとにかく幸せそうだ。

ステージ前の様子を見に行って驚いたのが、親子連れが多かったことだ。モンパチフェスでこんな光景を目にするのはスペアザならではかもしれない。

アップテンポな曲調でライブが盛り上がる、ファンにも人気の「AIMS」、知床半島をめぐる壮大なMVも話題になった「I'LL BE BACK」と続き、気が付けばあたりは薄暗くなっていて、彼らの音楽がさらに深く沁みわたっていくような感覚におちいる。

3曲を終えたところで、MCタイムに入った。「我々の移住したい街ナンバーワンの沖縄ですよ」「もう移住しちゃっていいですか？いいよね？」と、宮原"TOYIN"良太（Dr）と芹澤"REMI"優真（Key）が掛け合う。よく目を凝らして見てみると、又吉"SEGUN"優也（Ba）が着ているTシャツは沖縄の地ビール「オリオンビール」のものだ。宮原が、こちらも沖縄出身芸人「いっこく堂」の物まねをした後、ラッスンゴレライをちゃんと覚えていなくて微妙に違う歌になってしまうという、なぜかフェスとは一切関係のない話にも及んだ。

満足そうに話を終えた宮原が、「スペアザが沖縄に来てあの男を呼ばないわけにはいかないでしょう」というと、芹沢が「ああ、あのマフィアのボスみたいな？」と笑う。「客席の皆さんおわかりですよね？」「では呼びましょう、せーの」と観客に振ると、「キヨサク—！」の声が響いた。

「せっかく最高の3曲だったのになんですか、あの台無しにするようなMCは」と、苦笑いしながら登場するキヨサク。だが本当は裏で笑っていたことを明かす。

話題は、初めてコラボした曲「空っぽ with キヨサク」へ移る。キヨサクは「せっかくいい曲作ったのになかなか演る機会がなくて残念。だから、沖縄で演れて本当にうれしい」と、曲への思いを素直に語った。

芹沢が「じゃあやりますか」と言うと、「最高のロケーションでやります」というキヨサクの言葉で最後の曲がスタート。さらに闇が深くなった空間に、切ない曲調と悲しげなキヨサクの歌声、照明の青が混ざり合う。観客は陶酔するように静かに体を揺らし、曲の世界へ入り込んでいる様子で、うっとりした表情を浮かべていた。

取材・文◎島袋寛之
撮影◎(c)WWW16 OFFICIAL



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