【速レポ】モンパチフェス<WWW!! 16>、BRAHMAN「(世界を)誰が変えるんだよ。」

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「今日もBRAHMANは、一切力をゆるめることはなかった」── これは、ライブを観た者みんなに共通する感想じゃないだろうか。そう思わざるを得ない程に鬼気迫るステージだった。

◆BRAHMAN画像

機材チェックに少し時間がかかり、それが逆に客席の期待感を上げたかのようだった。SEが流れ始めると、多くのファンが頭の上で両手を合わせるいつものポーズで出迎えた。

中川敬と山口洋の共作で、BRAHMANも好んでライブでカバーしており、TOSHI-LOWにとって大切な曲ともなった「満月の夕」で静かな幕開け。スローテンポでありながら激しい感情があふれるような曲に、客席もゆっくりと静かに左右に揺れた。語り掛けるような、だが叩きつけるようなTOSHI-LOWのボーカルが、少し冷えた夜の空気を震わせる。



「晴れてよかった。お月様とジェット機の下で、BRAHMAN始めます」とのシャウトと同時に、オープニングとは打って変わって攻撃的なサウンドを客席に突き刺す。「賽の河原」「SEE OFF」「DEEP」「BEYOND THE MOUNTAIN」と、途切れなくヒットメドレーさながら続くハイテンションな曲の連続に、当然のようにモッシュが始まる。観客のボルテージは最高潮に達し、スタンディングゾーンは押し寄せる人波で埋まっていた。





TOSHI-LOWやメンバーの激しいアクションに負けじと、客席もますますヒートアップ。「其限」ではメロウでありながら強烈な音の塊を次々と繰り出し、会場の熱が高まるのが肌で分かった。

「ANSWER FOR・・・」のサビを歌っている途中だった。TOSHI-LOWの魂の叫びがこだまし、ついに客席へダイブ! もみくちゃにされながらも客に抱え上げられた彼は、「反戦」と大きく書かれたTシャツを強調するように拡げて、自身のメッセージをアピールして見せた。すぐ近くで体をかすめるようにモッシュが巻き起こる中、そのまま「警醒」を歌い続ける。いや、もはや叫び続けているという表現の方が近かった。




息切れしたまま、「2年ぶりのwww。空港近くでアクセスが良くていいんだけど、でも近すぎね?」と会場の笑いを誘い、「俺みたいにMCするやつは飛行機が通ると途切れちゃってさ」と、次の話へと続けた。

「(前回から)2年経って、いろいろ変わったよね」と前置きしたTOSHI-LOWは、現在の日本や世界を取り巻く状況に、疑問や悲しみ、怒りを率直に吐き出し続けた。そして、最近沖縄で起きた「事件」に触れ、「俺が島んちゅ(沖縄の人)と思っていた人たちが、土人と呼ばれたりして」と語気を強めた。

「あいつに変えることはできない。やせっぽちのあいつにはそんなことができるわけねえんだよ。今回のwwwも、やせっぽちの何作? 田吾作だっけ?(笑)、あいつにはこんなことできない」と、痩せていたころのキヨサクを何度もからかい、あおるTOSHI-LOW。だがその裏には、今のキヨサクへの強い敬意が感じられた。

「ベトナム戦争ではバリー・マクガイア。チェルノブイリの時には清志郎とかさ。必要な時に時代の叫びとして歌われた歌がある。だから俺は、そんな歌を2016年の“今”歌う必要があると思うから歌う」と嘆くように、しかし力強く前を見据え、「明日なき世界」を歌い始めた。曲の序盤、TOSHI-LOWのあおりに導かれた、「やせっぽっちじゃない」キヨサクがステージに登場。TOSHI-LOWもステージに戻り、二人は力の限り声を振り絞った。曲中では「オスプレイ」や「基地」など、今の沖縄が抱える問題をストレートに表す言葉に言い換えて、「今必要な」明日なき世界を作り上げていくTOSHI-LOWとキヨサク。沖縄の言葉で「嘘」という意味を持つ「ゆくし」という単語が、キヨサクの口から何度も飛び出した。




ステージ上にはうじきつよしも登場、TOSHI-LOWに促され、シャウトした。筆者からは見えなかったのだが、ステージ脇にいた難波章浩、Kj、佐野元春にもマイクを向けていたそうだ。

「明日なき世界」を歌い終えたTOSHI-LOWは、問いかけ始めた。「(世界を)誰が変えるんだよ。俺でもいい、キヨサクでもいい、うじきつよしでも、なんちゃん(難波章浩)か、Kjか。誰でもいいんだ、誰かがやらなくちゃ。手を挙げてくれ、そのあんたがやるんだ」と、私たちすべてに突きつけるかのように痛烈に問いかけた。

語り終わると同時に「鼎の問」が始まり、この曲で「いつも通り」圧巻のステージは終了。だが会場の熱気は収まらないままだった。

「月が沈むまで遊びましょう」、そう最後に残したTOSHI-LOWは、その言葉通り、直後にBeach STAGEに乱入していたそうだ。

取材・文◎島袋寛之
撮影◎(c)WWW16 OFFICIAL

※初出時に、レポート記事内にて実際の事象とは異なる記載がありました。関係者および読者の方々にご迷惑をおかけいたしました。お詫びして訂正いたします。

【BRAHMAN@ハブSTAGE セットリスト】

1. 満月の夕
2. 賽の河原
3. SEE OFF
4. DEEP
5. BEYOND THE MOUNTAIN
6. 其限
7. ANSWER FOR・・・
8. 警醒
9. 明日なき世界 w/ キヨサク
10. 鼎の問


■<MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!16>

11月5日(土) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
11月6日(日) 沖縄県 豊見城市 豊崎 美らSUNビーチ 特設会場
開場 11:00 / 開演 13:00 / 終演21:30(予定)
▼チケット
全自由 各1日券 7,800円(税込) / 2日通し券 15,000円(税込)
6歳以上有料。チケットをお持ちの保護者1名様につき、未就学のお子様1名まで入場無料
▼11/5(土)出演者
MONGOL800 / うないぐみ / 氣志團 / 佐野元春&THE COYOTE BAND / サンボマスター / スチャダラパー / SPECIAL OTHERS / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / 夏木マリ / BRAHMAN / 紫 / 奢る舞けん茜 / Churashima Navigator / DOZAN11 / DOBERMAN / NAMBA69 / MIGHTY CROWN / Monster Rion / U-DOU&PLATY / ヨースケ@HOME wit ウクレレジプシー / Buheeen(OA)
▼11/6(日)出演者
MONGOL800 / オルケスタ・デ・ラ・ルス Guestアルベルト城間(ディアマンテス)、宮沢和史 / THE King ALL STARS / SiM / チャットモンチー / Dragon Ash / ねごと / 真心ブラザーズ / RIZE / RIP SLYME / レキシ / WANIMA / 赤土 / 浅草ジンタ / サイプレス上野とロベルト吉野 / Sweet Hollywaiians / Tomoyuki Tanaka (FPM) / トレモノ / PORTRIVERS / 山嵐 / RYUKYUDISKO / Civilian Skunk(OA)

◆モンパチフェス BARKS特設サイト
◆MONGOL800 オフィシャルサイト
◆MONGOL800『Pretty good!!』特設サイト
◆MONGOL800 ga FESTIVAL What a Wonderful World!!16
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