【インタビュー】PENICILLIN、結成25周年第1弾に「1度の人生、死にもの狂いで」

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■ギターでいろいろなアプローチをしています
■実験ができましたね。それがライヴに活きる──千聖

──ということはアトラクションでリアルに体験した恐怖も盛り込まれているんですね。

HAKUEI:この詞を見ると思い出します。

──“出口は何処なの!?”って歌っていますものね。

HAKUEI:現場で、ホントにどこなの?って(笑)。

千聖:出口わからなかったからね。

HAKUEI:見えた瞬間、すげえ嬉しかったもん(笑)。1時間以上汗だくになって。ずーっと怖いんですよ。

──普通、抜けるまでどれぐらいかかるものなんですか?

HAKUEI:40分ぐらい。僕ら1時間10分ぐらいかかったんです。

千聖:僕が先頭だったんですけど、出口に向かう扉だ!と思って引っぱったらフェイクの扉だったんですよ。それでもグイグイ引っぱっちゃって、「開かない、開かない!」って(笑)。

──もはやパニック状態ですね。

HAKUEI:そうそう。

▲千聖(G)

千聖:でも、人の心理をよく突いてるアトラクションだと思いました。

HAKUEI:ヤバいですよ。人間が作ったお化け屋敷だし、メイクした人間が襲ってくるのはわかってるんだから、“何がそんなに怖いの?”と思うじゃないですか。でも暗闇や狭さが恐怖心を煽るんですよね。

千聖:消毒の臭いだったりね。

HAKUEI:そう。赤ちゃんの泣き声が急に聞こえたり。

千聖:今回のミニアルバムの撮影で行ってまた思い出しちゃったんですよ。ジャケットに映っているロビーもかなりパンチがあるんですが、中に入るとハンパじゃないですからね。

──はは。そんなに怖かったのに2度も行くとは(笑)。MVの撮影中はどうだったんですか?

O-JIRO:またそれが嫌なんですよ。照明が落ちるので。

千聖:撮影場所辺りまでは明るくしてもらったんですが、撮影が始まったらそれ以外のところは真っ暗になるので、後ろからゾンビが現れたらビビりますね。

O-JIRO:HAKUEIさんのソロの撮影があるから見に行こうと思ったら始まっちゃって真っ暗になって、「ど、どこにいるんだよ!?」みたいな(笑)。

──ははは。あの恐怖、再びですね。

HAKUEI:ホントに迷路なんですよ。

O-JIRO:2階建ての病院ぐらいの広さがありますからね。

HAKUEI:撮影だってわかってても怖いもん。

千聖:また撮影始まったのが夜の22時とか23時だからね。

HAKUEI:命がけで撮影したのでぜひ見てほしいですね(笑)。

──身体を張ってできた曲でもあり?

HAKUEI:そうですそうです。命、削ってます。

O-JIRO:五感を開いて作りました(笑)。

HAKUEI:あのアトラクションを3人でクリアしなかったら「戦慄迷宮」の歌詞はできませんでした。ミュージックビデオにも血みどろの白衣を着たゾンビが出てくるし。

O-JIRO:彼らもいい動きしてるんですよ。

──しかし、そんな体験を映画やゲームの主題歌になりそうな曲に仕上げるのはさすがです。

O-JIRO:そこが唯一大人げあるところで後は大人げないです(笑)。

千聖:「Lunatic Love」はJIROさんが映像を見ながら作った曲ですけど「戦慄迷宮」も実際にアトラクションを体験して、TV番組で歌った経験を経て僕が作った曲なので、これも視覚からもインスパイアされたかもしれないですね。自分たちのようなハードな楽曲とホラーテイストは相性がいいと思うので。

▲ミニアルバム『Lunatic Lover』Type-B

──では、アルバムで各自、挑戦したことはありますか?

O-JIRO:自分は音の部分ですね。これまでCDはいかにデカい音で聴いてもらうかって考えて作っていたんですが、今回、PENICILLINはそういうことをしなかったんです。音って波形で表現するとギザギザしてるじゃないですか。グラフの出っ張っているところに合わせると他の音が小さくなるから、ギューッとつぶして平たい部分を多くしていたんですけど、ギザギザしている本当の強弱が聴こえたほうが今の僕たちらしいんじゃないかということで、圧縮する作業をほとんどしなかったんです。本当の生の音でダイナミックな感じを表現したくて、プロデューサーのShigeさんと一緒に作業していきましたね。

千聖:デコボコがなくなると物凄くキレイには聴こえるんだけど、その分、面白くなくなる面もあるんだよね。

O-JIRO:つぶすことによって一体感は出るんですよ。でも、そうしないでも一体感は出せたと思うので、そこは今までのCDとの大きな違いですね。音のひとつひとつが際立ってカッコいいんじゃないかと。そろそろ、そういう生音の迫力で勝負してもいいんじゃない?って。例えたらいっぱい着込んでカッコいいというより、Tシャツと短パンでもカッコいいみたいな。そのほうが自分たちの想いがより伝わるんじゃないかなって。だから「Stranger」のアルバムヴァージョンは今の音に寄せて作った感じですね。

──音のダイナミズムが楽しめる仕上がりですね。

O-JIRO:もうひとつ、ドラムに関しては、LEVINくん(La'cryma Christi)のスタジオ(lab.L)でレコーディングしています。ドラマーだけあってドラムに特化したスタジオだし、つきっきりで一緒にいてくれるので逆に緊張もしたけど、同じドラマーの意見を聞く機会は滅多にないので楽しかったですね。ドラム機材も豊富で、ケーブルやマイクもLEVINくんが凄くこだわってくれたんですよ。

千聖:僕も今回は、ギターでいろいろなアプローチをしています。前に比べてユニヴァイブとかテープエコーとかワウも3台くらい並べて聞き比べたりと、エフェクターをかなり使ってますね。

──「Lunatic Love」のギターソロからしてそうですものね。

千聖:そうですね。前はレコーディングでは装飾なしのストレートな音のほうがパンチがあると思っていたんですが、今回は自宅にあるものだけじゃなく、ライヴで使っていたエフェクターもスタジオで検証し直したんです。ライヴだと大音量で他の音もいっぺんに鳴るからわかりづらいというか判断しづらい感じになるんですけど、ワウひとつとっても「こっちのほうが音が太いんだな」とか、改めて発見したこともあって、遊び心でいろいろ試せたのが楽しかったですね。フィルターかけてみようかなとか、オクターバー入れてみようかとか、実験ができましたね。それがまたライヴに活きるだろうし。

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