【ライブレポート】FEST VAINQUEUR、6周年＜TOUR VI＞で「いつまでも、どこまでも」

FEST VAINQUEURが11月5日(土)、地元･大阪 味園ユニバースにて＜FEST VAINQUEUR 6th Anniversary TOUR「VI」＞のツアーファイナルを開催した。

◆FEST VAINQUEUR 画像

少し湿り気を帯びたような昭和の匂いに吸い込まれて階段を下りると、フロアの天井にはキラキラ輝く星屑のようなシャンデリアと、いくつもの惑星オブジェが浮かんでいた。ステージへ目を向ければ、その真ん中には長く伸びた花道が。ステージ前のフロアはスタンディングエリアだ。会場後方にはエンジ色のソファで囲まれたボックスシートが並び、ゆったりとライブが楽しめる作りになっている。普段のライブハウスとは異なる会場の雰囲気に、否応なく期待が高まる。


怪しげな照明が落ち、SEが鳴り始めるとライブがスタートした。音と光、ファンの手拍子と声援に煽られながら、KAZI、GAKU、HIRO、I'LLが花道を駆けてくる。自信と輝きに満ちた表情が頼もしい限り。ヴォーカルのHALが“ふぇすとばんくーる”と書かれた赤い提灯を手に持ち、360度会場を見回すように花道をくるくると回りながら、こう叫んだ。

「味園ユニバース！　TOUR FINAL「VI」!　盛大に周年をお祝いしようかー!!」──HAL

さあ、宴の始まりだ。オープニングナンバーは“FEST VAINQUEURと言えば”の代表曲「NANIWA SAMBA」から。「一番前で行くぞ！　グリコのポーズﾞ！」と曲中のポーズﾞもバッチリ決めた。さらには持参した「飴ちゃん」を花道で投げまくり、軽快なナンバー「ソレイユ」へ。

「6周年＜TOUR「VI」＞。味園ユニバース、ファイナル。初めての会場で戸惑うこともあるかもしれませんが、いつも通り全力で楽しんで行きましょう！」──HAL



そして会場の雰囲気は一転、「W～貴方を死ぬほど愛してる…貴方は死ぬほど愛せる？～」「ペルソナ傷女」「SCARLET」と激しくも危うげなFEST VAINQUEURのダークサイドを押し出した楽曲が続く。MCでHALは、先日の＜VISUAL JAPAN SUMMIT 2016＞でToshl(X JAPAN)のニコ生に出演した際、本名を解禁してしまった経緯を話してメンバー紹介へ。

「大阪でやりたいこと」を挙げたKAZIは“KAZIやねん！”“好きやねん！”のコール＆レスポンスで会場を盛り上げ、I'LLはファンの大歓声に乗せられて花道で華麗にギターを鳴らす。GAKUは自身のLINEスタンプ“顔でギターを弾く”を実演して爆笑を誘い、HIROはまず、「大阪府吹田市からやってまいりました、FEST VAINQUEUR　HIROでーす！」と元気に挨拶。本番直前のチューニングでベース弦が切れ、その張り替えで開演時間が押してしまったことを説明するも、動揺を隠しきれず、すでに花道から落ちて左スネを打ったことを告白した。



彼らならではの明るいMCに続いては6年を振り返り、産まれたもの／失ってしまったものを乗り越えて“希望”を託した楽曲「共鳴」、目に見えない宝物を唄った「GIFT」、歩んで来た道への感謝を込めて「THANKS」を感情たっぷりに歌い上げた。さらには、最近のワンマンでは見どころのひとつとなっている楽器隊のインストゥルメンタルが披露され、奏でられる音とリズムに体が巻き込まれていくような感触を覚えた。

最新シングル「ヒガンバナ～花魁道中～」では東京および名古屋公演に続き、ヒガンバナダンサーズが登場。激しい感情を表現したダンスが楽曲に彩りを添え、ヒラヒラ舞うファンの扇子と相まって和ロックの世界観が展開された。同シングル収録曲の「SUCCUBUS」ではオリエンタルな世界が深みと凄味を増してくようだ。

会場のボルテージが最高潮に向かうなか、「.Evil Disco～somnambulism～」が始まるとディスコさながらのダンスフロアに。かつて和田アキ子がこのステージで歌ったことがあるというエピソードを明かし、なぜか和田アキ子の楽曲「古い日記」でお馴染みのコール＆レスポンス“あの頃は”“はっ！”で盛り上がるなど熱狂が加速するばかり。「Butterfly」「合掌」と激しいナンバーを連発して、本編ラストは「現代的疑惑都市'DOUBT!'」の加熱するヘドバンまで一気に駆け抜けた。


アンコールは彼らのトークが冴え渡る“物販紹介コーナー”から。ステージと客席の距離をグッと縮めた後は、新曲「Happy Birthday To You」で6周年を盛大に祝い、なにわをレゲエのリズムに乗せた「NANIWAリスペクト ～Yah man！俺たちラガマフィン～」を続けて披露、大阪・アメリカ村三角公園で撮影されたミュージックビデオの風景が蘇る場面となった。

「5周年を経て、一歩先に進んだ「VI」。メンバー5人とそれを支えてくれるファンの人たちとの「VI」。そして、FEST VAINQUEURのメンバーは5人だけではなく、かつてメンバーだったTOMOが居たからこそ、今のFEST VAINQUEURがある「VI」」。＜TOUR「VI」＞というタイトルには、込められた3つの意味があった。楽しいことだけでなく、苦悩も抱えながら、今までたくさんの人々に支えられ乗り越えられた感謝。その気持ちをぎゅっと凝縮して、アンコールラストは5周年の節目に発表された「GLORIA ～栄光のキズナ～」を熱唱、「いつまでも夢を求めて、どこまでも走り続ける」と約束した。


Wアンコールの声に応え、もう一度ステージに引き戻されたメンバーが最後に熱唱したのは「NANIWA METAL SAMBA」だった。そして彼らだけの大きな足跡を残し、6周年公演は幕を閉じた。FEST VAINQUEURは2017年1月から2MAN TOUR＜東西V合戦＞を開催することをはじめ、春には全曲新曲の3rdフルアルバムをリリース、その後12箇所でのアルバムワンマンツアーで全国を廻り、そのファイナルとして6月30日、大阪・松下IMPホールで初ホールワンマンを開催する予定だ。

撮影◎イバテツヤ





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