【インタビュー】KAMIJO、美しい旋律は血の代わりとなる「ベートーベンからのメッセージ」

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シンフォニック・メタルやメロディック・スピード・メタルを追求するボーカリストでありながら、音楽プロデューサーであるKAMIJOと、2012年にメジャーデビューを果たした国内最大規模のゴスペル・マスコーラスグループBe Choirとのコラボレーションライヴ「もしクワ」を再度上演。昨年の12月13日、キネマ倶楽部で実現した前代未聞の異種格闘技的コラボレーション【MOSHIJO】が、今年も行われることに! 2016年12月11日に行われることとなった第2回目の演目は、KAMIJOのソロの核となった名盤『Symphony of The Vampire』を題材とした、前回の演目『Symphony of The Vampire』の続編として、さらに深くストーリーの中に踏込んでいくという。KAMIJOの1stフルアルバム『Heart』の世界を描くことになっていくという今回のステージについて、KAMIJOに話を訊いた。

◆Be Choir×KAMIJO~画像&映像~

■ここまで奇跡的な時間になるとは思っていなかったほどの大きな衝撃と刺激を受けた
■僕の音楽人生を大きく変えた一夜になったと言っても過言ではない


──2015年の12月13日に、キネマ倶楽部でBe Choirが企画する『もしクワ』の第3弾として開催されたのが、KAMIJOさんとBe Choirさんの出逢いだったわけですけど、そこから1年、第二弾が行われることになったということで。

kamijo:そうなんです。キネマ倶楽部の支配人を通しての出逢いでもあったわけですが、初めてBe Choirとご一緒させていただいたときは、【もしもBe ChoirがKAMIJOとコラボレーションしたら?】という、もともとの『もしクワ』の企画に参加させていただくという感覚だったと思うんです。

──『もしクワ』としてはKAMIJOさんとのコラボレーションが3回目でしたけど、第一弾は2014年の2月に、篠崎愛さんが所属していたアイドルグループAeLL.とのコラボレーションライヴ、第二弾は2015年の1月にD-51さんとコラボレーションライヴだったんですものね。

KAMIJO:そうなんです。2015年は初めましてなところもありながら、新たな扉を開けることにとても緊張もありまして、提示していただいたものに対してしっかりとお応えしていくというものでもありました。でも、実際にご一緒させていただいて、ここまで奇跡的な時間になるとは思っていなかったほどの大きな衝撃と刺激を受けたんです。僕の音楽人生を大きく変えた一夜になったと言っても過言ではありません。音楽としての可能性といいますか、それを新たに感じさせてもらった。僕は、2015年でちょうどキャリア20周年を迎えたのですが、20年経った今、こうして音楽の可能性を感じることが出来たことに、心から幸せを感じています。それは、間違いなくBe Choirさんのおかげでもあるので、本当に感謝しています。

──前回は『もしクワ』でしたけど、今回はKAMIJOさんが命名された『MOSHIJO』になっていたりもしますよね。

KAMIJO:そうなんですよ(笑)。そんなところまでグッと、より向き合って一緒に音楽が出来る場を与えてもらえたことに感謝しています。前回の公演で、自分の中で音楽に対する気持ちに革命が起こったので、それの続編として今回届けていけることにも、とてもワクワクしているんです。

──今も話の流れで少し出てましたけど、前回は、いままで歌われたことのないゴスペルを歌う、というところへのプレッシャーがとても大きいとおっしゃっていましたもんね。

KAMIJO:はい。とてつもないプレッシャーでしたからね。自分の曲は責任を持って、いつも通りのモチベーションでルイを歌おうと思って臨んだのですが、今回は、そことはまたベクトルが違うと言いますか。


──今回の『Symphony of The Vampire~Heart~ベートーベンからのメッセージ』は、前回の『Symphony of The Vampire』の続編という形なんですよね?

KAMIJO:はい。既に昨年の時点でですね、これは1年に一度という頻度でずっと続けていけるんじゃないか? という話になりまして。その時点で今回を視野に入れていました。『Symphony of The Vampire』というお話は、とても解りやすいストーリー楽曲なんですけど、それの続編となる『Heart』に主軸を置いて再構築していこうと、別視点から物語をさらに深く切り崩していただいているんです。

──キネマ倶楽部の支配人が、KAMIJOさんの原作を、別視点から噛み砕き、ストーリーを台本化してくださってるイメージですよね。全曲に対するレビューといいますか、解説をいただいたのですが、素晴しい解釈だなと思いました。

KAMIJO:そうなんですよね。僕以上に深く噛み砕いていただいていて。僕自身もとても刺激を受けているんです。改めて『Heart』という作品を作り上げていってる感覚といいますか。そういったやりとりに、今、とてもワクワクしています。

──前回オープニングで持ってこられていた楽曲「Rose Croix」とかは、アルバム『Heart』の中に収録されていますよね。アルバム『Heart』は、前回の公演以前に存在してたんですもんね。

KAMIJO:はい。存在していました。

──新たなる物語を構築されていく流れの中で、どのようにストーリーを繋げていかれたんですか?

KAMIJO:僕の方で原作として作った物語から、Be Choirさんと『MOSHIJO』チームの方々で、いい意味でいろいろと肉付けをしていただいている形ですね。僕のファンの方々も、歌詞だけでは解らないストーリーや、僕の中に最初はなかった物語が、僕の描いた主軸に加わることで、これまでになかったアナザーストーリーを楽しんでいただけるんじゃないかなと思っているんです。

──まさに。アナザーストーリーですよね。KAMIJOさんがアルバム『Heart』を発表されたのが2014年のことですもんね。その頃には、こんなアナザーストーリーが生み出されて、こんな展開になるとは思ってもなかったんじゃないですか?

KAMIJO:思ってなかったですね。まだ、Be Choirさんと出逢っていなかったですからね。1曲1曲、細部に至るまでお話を噛み砕いて肉付けしていただいているのを拝見すると、本当に僕の作品を愛してくださっているんだなっていうのがひしひしと伝わってきます。自分の作品が生み出されていくことで、ファンの方々の人生を僕の楽曲で支配するといいますか、そこまでは視野に入れて楽曲作りをしていたんです。それだけ責任を持った歌を歌っていかなければいけないと思っていたといいますか。でも、これからは、またこの『MOSHIJO』を通して僕の楽曲がより深く、より広く、多くの方たちに広がって行くので、そこも楽しみになりました。

──まさに、冒頭で話されていたとおり、革命ですね。

KAMIJO:はい。本当にそうなんです。僕の中で革命が起きたんです。

──『MOSHIJO』の実現で、さらなる可能性を感じました。歌だけではなく、楽曲だけではなく、ミュージカルや舞台として観たいなって。

KAMIJO:うん。それこそが、まさに【可能性】というものだと思うんですよね。普段生活している中で、“もしも”と思うことは、すべて可能性に繋がってくるんだと思うんです。まさに、この『もしクワ』というイベントライヴは、そのタイトルどおり、すべてがこれからの可能性を現していましたね。

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