【インタビュー】TAKURO、ギタリスト人生を支える“愛機”ヴィンテージ・ギターの世界

■“これが俺のシグネイチャー・トーンだ”って思った瞬間

──サウンドにも満足ですね？

TAKURO：ギタリストの最終的な目標が自分のトーンを持つことだとしたら、グランマ（1955年製）で「函館日和」を弾いた時は、“これが俺のシグネイチャー・トーンだ”って思った瞬間が多々ありましたね。

──1957年製のゴールドトップはどんなサウンドですか？

TAKURO：1957年はマルチプレーヤーですね。ピックアップを換えてちょっと絞ったら甘いコクのある音も出る。打席に立てばほんとにいいヒットを打つよっていう感じ。1959年製に関しては、ギブソンのゴールデン・エラ（黄金時代）のど真ん中ってことで、ビグスビー付きの1959年も神がかっていて、1弦から6弦まで素晴らしい。すごくいいので絶対GLAYを裏切らないし、自分の人生を確かなものに一歩一歩歩いていくんだっていう風に思わせるサウンド。1959年を持ってレコーディングに挑むと、いろいろなマジックがありますよ。音が濁っててもそれさえOKになりそうなね。今回のアルバムは紛うことなくギター・アルバムだし、そういう意味ではレスポール・アルバムで、自分の生き方を決定づけてくれたサウンドですね。

──ギター達とは、いい出会いをしているんですね。

TAKURO：ほんと。「欲しい」って言っても出会えるものでもないので、“自分の生きてきた道は間違っていないよ”って言われたような嬉しさがありましたね。ほんとだったら売らないであろうギターを俺に託してくれる人もいたし、活動を通して俺に応えられるのであれば、応えられる男でありたいし、次に伝えるという意味でも頼れる人でありたいなと、改めて覚悟した感じですね。

──で、実際ステージでヴィンテージ・ギターを愛用している。ヴィンテージ・ギターを平気な顔でステージで弾いている事実を、ファンの人達は知っているんですか？

TAKURO：今までコンプレックスがあってギター専門誌の取材も受けてこなかったし、自分の機材も積極的にアピールもしてこなかったので、あまり知らないかもしれない。

──覚悟と責任を背負って、ギタリストとしての生き様を音に出している姿はみんなに知ってほしいです。

TAKURO：まあ、テックさんは嫌がりますけれども。

──でしょうね、何かあっても責任取れないし（笑）。ソロライブはどんなものになりそうですか？

TAKURO：自分のその日の感情みたいなものをギターで表せる…そんなギタリストになりたいっていう目標があるだけに、テーマはあるけれど、合間は結構自由にやろうかな、と。後奏が8小節になろうが48小節になろうが、これだ！って思う感触を掴めるまで、アドリブ／インプロ（ビゼーション）の応酬でいいんじゃないのかって思うんですね。だけど、もし松本さんが観に来るときは、CD通りにやります。

──あはは（笑）。

TAKURO：行った土地土地、そこで見たもの・食べたもの・感じたもの・会った人たちからインスピレーションをもらって、その日のステージにいろいろ採り入れたいです。自分のその時々の感情をきっちりと音に乗せられるように、そういったギタリストになりたいので、それへの第一歩みたいなものですよ。

──本当の意味での“ライブ”ですね。

TAKURO：そうですね。だから決まり事のないものです。

──まさに、音楽の醍醐味のひとつです。

TAKURO：GLAYファンも来てくれるだろうから「そういう世界もあるよ」っていうのを、きっちりと教えていこうかなあと。3分何秒では終わらないよ、と（笑）。

──楽しみですね。貴重なお話をありがとうございました。

TAKURO：とんでもない。ありがとうございました。楽しかったです。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也

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