DEZERTが2017年1月29日、新木場スタジオコーストにて主催イベント<DEZERT PRESENTS 【This Is The "FACT"】>を開催する。DEZERT、A9、アルルカン、LM.C、MUCC、NOCTURNAL BLOODLUSTといった全6組は、武道館を経た先輩バンド3組と、武道館を目指す同年代バンド3組という位置づけも含んでいるが、個性的で刺激的という意味では、これほど開催当日の様相が想像つき難いイベントもそうはない。

◆千秋 [DEZERT] × 逹瑯 [MUCC] 画像

BARKSは主催となるDEZERTの千秋をホスト役に、MUCCの逹瑯との対談を実施した。<D’ER≠gari 2016 feat. DEZERT>座談会で千秋が明かしていたように、過去に対談経験があるほか、イベントライブで共演したこともある両者のトークセッションは、波乱の予兆も。しかし、2人の話はヴォーカリストとして、フロントマンとして、その葛藤や意識の変化が赤裸々に語られる深みへ。ある意味では波乱以上の濃度の高さと密度の濃さをまといながら、最終的には恋の話まで飛び出したレアトーク満載の対談をお届けしたい。

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■コンセプトは“ここ以外ヴィジュアル系じゃない”
■でも、どうでもよくなりました──千秋

──今回は2017年1月29日に行なわれるDEZERT主催イベント<This Is The “FACT”>に向けての対談となります。

逹瑯:じゃあ今日は、ホストの千秋に全部任せます。僕、ゲストですから。

──おふたりは以前にも対談していますね。

千秋:去年ですね。そのときはイベント<COMMUNE>の前でした。

──では、ふたりでこうしてガッツリと話をするのは久々ですか。

逹瑯:ふたりでっていうのはないよね。

千秋:なかなか機会はないですよ。

逹瑯:そういうことで言えば、誰かとふたりでガッツリ話すっていうのは、そうないよね。たとえば、俺が一緒に曲作りをしているやつとはふたりでいる時間が長いから、結構話したりはしますけど。それ以外はないかな。

▲千秋 [DEZERT]

──お互いのことだったり近況を話すことはあまりないんですね。

千秋:ヴォーカル同士って、微妙なんですよね。

逹瑯:何が?

千秋:僕は、仲のいいバンドもいますけど、それでも音楽のことくらいしか話さないんです。自分の持ってないものを絶対持っているじゃないですか、相手は。例えば、背が大きいとかも、それだけで俺からしたらいいなと思うところのひとつだし。鼻が高いとか目が大きいとかも、歌がうまいもそうだし。ムカつくんですよね、やっぱり。

逹瑯:俺、仲のいいヴォーカルはいっぱいいるよ(笑)。

千秋:ぶっちゃけ、全然どうでもいいヴォーカルだったら話せます。そういう機会がないからわからないですけど、逆に自分のことや悩みも全部話せると思うんです。でも今回のイベントに出てくれるような、例えばアルルカンとか、ノクブラ(NOCTURNAL BLOODLUST)とかは……なんかこう、そういうことは話せないんです。

逹瑯:自分の弱いところを見せるのが怖いとか、負けた気になるの?

千秋:どうなんですかね。普段は、あまり話しかけられないのもあるんですよね、ヴォーカリストに。曲作りをしてるバンドのコンポーザーと話すことはあるんですけど。ヴォーカルというよりも、パフォーマーみたいな感じに見えているんですかね? 悲しいけど。

逹瑯:これは売れてる先輩ミュージシャンに限らずだけど、どんなジャンルの人でも自分でいろいろ考えてやって成功している人は、話してみると人間がめっちゃ面白い人が多いけどね。

千秋:きっと、そこまで成功している人たちとか売れている人たちは、僕らに興味がないと思うんです。

逹瑯:そんなことないよ。そういう人たちほど、若いバンドとか文化に興味を持ってるし。そこを置いてけぼりにしたら、自分たちがどんどん淘汰されていくだけだから、むしろうちらよりもアンテナを張ってると思うんだよね。で、実際面白い人が多い。

千秋:なるほど。でも、機会がないんですよね、プライベートは特に。たとえば、このイベント<This Is The “FACT”>に出る僕ら、アルルカン、ノクブラって、言い方は違うかもしれないけど、プロじゃないと思うんですよ。音楽一本でメシが食えているかといったら、そうではない。そういう3バンドとMUCC、LM.C、A9というプロというか、武道館を乗り越えている3バンドと武道館を目指している3バンドのイベントでもあって。今、それぞれのバンドのヴォーカリストと対談企画をしているんですけど、話の内容は、音楽の話っていうよりも“音楽を続けるためにどうするか”っていう話しかないかもしれないですね(笑)。

──今回は、イベントを主催するにあたって出演バンドとこうして対談企画を行なっていますが。普段は千秋さん自身、あまりインタビューをしていなかったり、こうして話をする機会は少ないですよね。今回は主催ということで、ホストとして積極的に、対談という形でイベントをアピールしていこうと思ったんですか?

千秋:この対談企画はある意味プロモーションの一環ではあるんですけど、このイベント、絶対面白いんです。今までDEZERTというバンドは、ワンマンツアーでも“来て来て”っていうプロモーションをした記憶がないんです。でも今回のイベントは、オファーして出演を断られたバンドがひとつもない。構想どおりのイベントになったことで、ちょっとビビったんですよね。なかなかこういうことって、うまくいかないと思うんです。ツアーでも、このハコでやりたかったのにできなかったとか、土日が押さえられなかったとかいろいろあるなかで、1月の土日で新木場スタジオコーストで、この6バンドでやりたいとスタッフと話して。全部OKもらえたとき、もうこれは絶対いいイベントじゃんと。だからみんなに来てもらおうって。対談企画で来てくれるのかわからないですけど、初めて僕の心意気を示そうという感じで。全然、ワンマンのライブよりも来てほしいくらいのテンションなんです(笑)。

──そうだったんですね。

千秋:今までは、わかってくれないなら来なくてもいいっていうスタンスだったんですけど。今年、しばらくライブをしない時期があって。それで変わったこともあるんですよね。絶対いいんだから来てもらったほうがよくない?っていう。

──もともとイベントを企画した時点で、どういうものにしようかっていうプランはあったんですか?

千秋:あったんです。タイトルも、本来は英語のタイトルをつけるのは好きじゃないけど、シンプルでカッコ良さげな感じでつけて。コンセプトとしては、“This Is The FACT=ここ以外ヴィジュアル系じゃない”っていうものだったんです。実はこの対談でも、そこを突っ込む予定だったんですよ……でも、どうでもよくなりました。

──せっかくなんだから、そこは突っ込んでいきましょうよ。

千秋:いや、そのコンセプト自体がどうでもよくなったんですよ。

──会場も決まって、理想通りのバンドが揃った時点で、もうライブは最高なんだからっていうその高揚感で、もうコンセプトのことはいいかなと?

千秋:高揚感というか、あ、マジかっていう感じです。

逹瑯:LM.CもA9もいるもんね。その対談も面白そうだな。

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