【ライブレポート】Hi-STANDARD、17年ぶりショートツアー完遂「また俺たちと始めてくれるかな」

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Hi-STANDARDが東北+新潟を回るショートツアー<GOOD JOB! RYAN TOUR 2016>を12月3日からスタート。そのファイナル公演が8日、新潟LOTSにて行われた。

◆Hi-STANDARD 画像

2011年の再始動以降、<AIR JAM>を含むライブイベントへの出演はあったものの、彼らがツアーを行うのは1999年の<MAKING THE ROAD TOUR>以来、実に17年ぶりのこと。宮古、石巻、仙台、新潟と4ヵ所のみの短いツアーだが、バンドにとっては2011年3月の東日本大震災以降、今日まで支援してきた東北のライブハウスにハイスタとして訪れることができた、非常に意味のあるものだ。さらに、GOOD4NOTHINGやlocofrank、04 Limited Sazabysという、ハイスタに憧れてバンドを始めた世代と、ハイスタとして初めて対バンするという興味深いトピックも存在する。そんな貴重なステージをライブハウス規模で体験できるとあって、チケット先行受付の時点で申し込みが殺到した。



17年ぶりの新潟公演はツアーファイナルというだけでなく難波章浩(Vo&B)の地元でのライブ、さらにカバーシングル「Vingate & New, Gift Shits」のリリース翌日ということもあり、否が応でも盛り上がざるをえない状況。ギュウギュウに詰まったフロアには90年代からハイスタを追う、難波言うところの“オールド・キッズ”のみならず、活動休止以降、さらには10月のシングル「ANOTHER STARTING LINE」を機にバンドに興味を持った新たなキッズと幅広い年代で溢れかえった。

この日のオープニングを飾ったのは、Hi-STANDARDの大ファンであることを公言する04 Limited Sazabys。オープニングSEが会場に鳴り響くと同時に大歓声が沸き起こり、ステージに登場したGEN(Vo& B)は「この日を待ってたぞ、ハイスタ!」と絶叫。そのままメンバー4人はアグレッシヴなナンバーを次々繰り出して、パンクキッズたちをヒートアップさせた。またこの日は「やったら(ハイスタに)怒られるかな?と思ったけど、ハイスタに愛を込めてやります」と、「MY FIRST KISS」をカバー。ここではフォーリミのファンのみならず、古くからのハイスタファンも加わり、会場の一体感は早くもピークに達する。さらに曲後半ではステージに難波が登場。難波はコーラスに加わったりGENの肩に手を回したりなどし、このサプライズにフォーリミの4人は満面の笑顔で応えた。そしてMCではGENが「来るはずのないと思ってた日が、ついに、ついに、ついに来てしまいました! 以前からハイスタが好きって話はいくらでも尽きないので、今日は(その思いを)ステージで見せようと思います」と思い入れたっぷりに語ってから「Remember」を披露。その後もエモーショナルなプレイで観客を魅了し、トップバッターの役目を全うした。


若い世代の熱演に負けじと、続いてステージにはHi-STANDARDが登場。難波の「よっしゃ、今日は楽しく帰ってね!」を合図に、「TURNING BACK」からパワフルにライブをスタートさせた。フロアのオーディエンスは冒頭からクライマックスのような盛り上がりを見せ、頭上を無数ものクラウドサーファーが転がり続ける。さらに「DEAR MY FRIEND」など人気ナンバーのみならず、どの曲でも演奏に負けないくらいの大合唱が起こり、いかに観客がこの日を待ち焦がれていたかが存分に感じられた。

曲間では横山健(G&Vo)は「ハイスタが新潟に戻ってきたズラよ!」といつもどおりのマイペースぶりを見せつつも、演奏が始まるとこれでもかと鋭さの増したギタープレイでオーディエンスを圧倒させる。難波&恒岡章(Dr)によるリズム隊も1音1音がヘヴィながらも、同時に軽やかさも持ち合わせたアンサンブルで往年の名曲たちを“今のハイスタの音”で鳴らしていった。




今回のツアーが2011年以降のイベントライブと大きく異なるのは、やはり新曲が増えたこと。序盤で演奏された「TOUCH YOU」や「ANOTHER STARTING LINE」では90年代の楽曲同様に大合唱が沸き起こり、オーディエンスは新たなハイスタを歓迎する。特に、難波の「また俺たちと始めてくれるかな?」の呼びかけから始まった「ANOTHER STARTING LINE」は、早くも新たなアンセムと化していることも伺えた。同様に、発売直後の「YOU CAN'T HURRY LOVE」でも、メンバー言うところの「今期ワーストビデオ(笑)」の効果もあってか、フロアの熱狂ぶりは90年代の楽曲に負けないほど。そして、曲と曲の合間には懐かしの「PINK PANTHERのテーマ」などのインスト曲も飛び出し、17年ぶりのツアーではあるものの、実はこのツアーが『MAKING THE ROAD TOUR』から地続きであることを実感させられた。

セットリストは初期の「SUNNY DAY」から最新カバーシングルの「YOU CAN'T HURRY LOVE」まで、ハイスタのキャリアを総括しつつも“2016年のハイスタ”をしっかりアピールするもの。中には約20年ぶりに演奏されるレア曲「IN THE BRIGHTLY MOONLIGHT」も飛び出し、幅広い年代のファンを喜ばせた。またMCでは例によって下ネタが飛び出したり、難波と横山が恒岡を弄ったりと、自身のツアーらしいリラックスモード。そんな中でも難波は「今回のツアーは俺たちが活動休止してから結成された若いバンドと対バンしたりと、初めて尽くし」と、感慨深げに語った。


そして、この日二度目の登場となる「MY FIRST KISS」では、難波の呼びかけに応えフォーリミの面々がステージに登場。一緒にコーラスを担当したかと思うと、そのまま客席に勢いよくダイブして夢の共演の喜びを体現した。

ライブ後半では「MAXIMUM OVERDRIVE」や「STAY GOLD」などといった代表曲も立て続けにプレイ。冒頭のギターリフで次の曲が何かかわるたびに、フロアからは喜びの大歓声が上がり、盛り上がりぶりが更新されていく。終盤間際には難波が「俺たちのツアーはまだまだ続くと思うから、また会いに来てくれるかな?」と観客に語りかける場面も。横山も「またやろうな!」と笑顔で話し、そのまま「STARRY NIGHT」をはじめ怒涛の名曲連発でライブ本編を終えた。


アンコールでは難波が数年前、新潟でNAMBA69とKEN BANDで対バンした際、この曲を一緒にプレイしたことに触れ、「12月だし、ちょっと早いけど」(難波)、「今日はジョン・レノンの命日だから」(横山)と、カバーシングル「Vintage & New, Gift Shits」にも収録された「HAPPY XMAS (WAR IS OVER)」を披露。中盤からはフォーリミの面々もコーラスに加わり、会場はひと足早いクリスマスモードに包まれた。さらにダブルアンコールでは横山がボーカルを務める「THE SOUND OF SECRET MINDS」も飛び出し、最後はフロアに巨大なモッシュサークルが出来上がるほどの盛り上がりの「MOSH UNDER THE RAINBOW」でピースフルな空間を作り上げ、90分強で全24曲(曲間に演奏されたインスト曲などを含めると全27曲!)披露という17年ぶりのツアーを大成功のうちに終了。難波は最後に「今活動できているのは、みんなのおかげ。また遊ぼうぜ!」と笑顔で叫び、ステージを後にした。もちろん、フロアのオーディエンスも汗だくながらも、満足しきった最高の笑顔を見せ、ステージに向けて盛大な拍手を送った。

再始動後のライブは何度も観ているものの、今回のツアーで改めて感じたのは、Hi-STANDARDというバンドが現在も(当たり前の話だが)バリバリの現役で、なおかつ“今が最高の状態”だということ。90年代に何度も最高の瞬間を味わってきた筆者だが、正直この日のライブはあの当時以上、誤解を恐れずに言うならば、本当に過去最高のライブだったと確信している。そんな状態のハイスタが、12月23日に<AIR JAM 2016>で福岡の地に降り立つ。ドームという大舞台で、今の彼らがどんなステージを繰り広げるのか、そして2枚のシングルとショートツアー、<AIR JAM 2016>を経て、2017年はどんな活動を見せてくれるのか、早くも楽しみでならない。

取材・文◎西廣智一


■カバーシングル「Vintage & New, Gift Shits」

2016年12月7日発売
PZCA-80 ¥1,200(税抜)
01.I Get Around
02.You Can't Hurry Love
03.Money Changes Everything
04.Happy Xmas (War Is Over)
※TRACK 3,4 は過去発売した7inch Vinyl Recordの再録、CD化。


■シングル「ANOTHER STARTING LINE」

2016年10月5日発売
PZCA-79 ¥1,200(税抜)
01.TOUCH YOU
02.ANOTHER STARTING LINE
03.NOTHING TO LOSE
04.RAIN FOREVER

■<AIR JAM 2016>

2016年12月23日(金・祝) 福岡 ヤフオク!ドーム
リストバンド交換8:00 開場10:00 開演12:00 *21:05 終演予定

▼スペースシャワーTV『AIR JAM 2016』
初回放送:2017年2月25日(土)21:00~23:00 (リピート放送3月予定)
▼スペースシャワーTV『AIR JAM 2016 DOCUMENTARY SPECIAL』
初回放送:2017年3月予定
▼スペースシャワーTV『Hi-STANDARD「GOOD JOB! RYAN TOUR 2016」LIVE & ドキュメンタリー』
初回放送:2017年1月29日(日)22:00~22:30 (リピート放送2月予定)
▼BSスカパー!(BS241/Ch.585)『AIR JAM 2011 SPECIAL』
放送日時:2017年1月04日(水)19:00~22:00 他
▼BSスカパー!(BS241/Ch.585)『AIR JAM 2012 LIVE SPECIAL day1/day2』
放送日時:2017年2月放送予定 (※後日BSスカパー!公式ホームページ内で発表)

◆Hi-STANDARD リリース特設サイト
◆Hi-STANDARD オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルYouTubeチャンネル
◆<AIR JAM 2016> オフィシャルサイト
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