【音踊人36】越えてきた日々の軌跡。chocol8 syndrome バースデーワンマンライブ(坂井彩花)

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10月8日(土)渋谷TAKEOFF7にて、chocol8 syndrome(通称、ちょこはち)のバースデーワンマンイベント<ちょこはちバースデーワンマンライブ!>が開催された。チケットは昨年のワンマンに続きソールドアウトを記録し、会場は後ろまで埋め尽くされた。


多くの人が押し寄せ、5分押しのスタートとなった。徐々に小さくなるSEと相反するように歓声が大きくなる。スクリーンに映し出されたカウントが0を刻むと、メンバーがステージに現れた。誰に強いられたわけでもなく沸いたクラップは、これから始まるショータイムへの期待の表れそのものだろう。


「1曲目から、声出して行きましょう!この日を待ち望んでました!」しゃおん(Vo.)の掛け声により始まったのは「Navigator」。1曲目とは思えない全力のパフォーマンスに、一斉に笑顔の花が咲いた。しゃおんの煽りに呼応するように、会場にはちょこはちのフラッグがなびく。ベースのソロにより導かれたのは「ガラスのビート」。その名の通りビートが効いた曲で、ベースとバスドラムの低音が腹の底に響いていく。和ロックなフレーズが生きる「閃光ON AIR」では、しゃおんが吐息たっぷり妖艶に歌い上げる。和旋律を基調としたyo-suke(Gt.)のソロも色っぽく響いた。休む間もなく「つらまろのきわみ」へと曲は引き継がれる。ハイテンションかつハイテンポな曲に、会場はお祭り騒ぎ。「つらまろのきわみ!」とコール&レスポンスを重ねるごとに、会場の熱も上がっていく。しゃおんの「ワンマンライブをぐだぐだで終わりたくない!」というシャウトも最高にクールだ。前半のラストを飾ったのは「エウロパ」である。新しく発売されたタオルのデザインの題材にもなった曲で、空気感は名作『銀河鉄道の夜』さながら。「友達じゃなくても、近くにいなくても力になることはできる」という、しゃおんの思いが込められた歌詞は涙を誘うほど切ない。さっきまでにこやかにステージを眺めていた観客の瞳も潤み、いくつもの星が輝いた。穏やかで優しい空気を残し、メンバーはステージから去った。


続いて始まったのは、特別ゲストが登場するスペシャルステージである。最初に現れたのは、奏(Dr.)扮する奏村隆一だ。披露したのはLUNA SEAのカバーで「ROSIER」。スティックをマイクに持ち替えて、その豊かなバスを響かせた。それに続いたSON48はAKB48のカバーだ。ダンサーのはるなちゃんを迎え、「大声ダイヤモンド」をパフォーマンス。2番のBメロでは、ケンコモブチ(Key.)が500mlのサイダーを一気飲みして根性を魅せる。しゃおん&ケンは、まだ名もない新曲を披露。「嫌いな人を嫌いと思わず、自分の道を歩いていこう」という思いの込められた詩は、しゃおんの優しさがギュッと詰まっていた。

曲が終わるとメンバーが続々とステージに登場。予定と違う進行に戸惑うしゃおんをよそに、他のメンバーはたくらみ顔である。サプライズタイムに突入しバンドの音がなると、彼女の憧れの人である赤飯が登場した。目の前で「見習いハーデス」を歌う赤飯の姿に、ただただ慌てふためくしゃおん。ケンの弟が登場すると思っていた彼女にとっては、嬉しすぎる大誤算だ。「えー、そういうことってある?」と、嬉しさと困惑を同時に顔に浮かべていた。赤飯の誘導により始まったのは「plot」。「いくつもの線が重なって 点になる“今”」という歌詞は、別々の道を歩んできたがステージ上で今を作る二人にぴったりだ。赤飯は「最後まで盛り上がっていこうぜ!約束だぜ!」と言葉を残し、ステージを後にした。

スペシャルステージのラストを飾ったのは「choco18 syndrome」だ。ベースを現メンバーのクロちゃん(Ba.)から旧メンバーのしまちゃん(Ba.)にチェンジした編成で、歴の長いファンからは歓声があがり泣き出す者まで現れた。ポップで楽しい「ハナビラ」とベースのスラップが映える「ADULTY 少年少女」を演奏。1年ぶりのステージに、しまちゃんは満足そうな笑みを浮かべていた。



後半戦を封切ったのは、キメが多くパンクサウンドの「エンドレスジェットコースター」だ。yo-sukeはギターをゼマティスに持ち替え、その刺激的な音色を響かせる。ピアノの旋律が引き立つイントロで導かれたのは、新曲である「Why don’t you?」。ジャジーなサウンドに、新たなちょこはちの魅力を感じた。ピアノ伴奏としゃおんの歌で始まったのは、しっとりした曲調の「手と手」だ。まっすぐ一点を見つめて歌う彼女は、多くのことを越えてきたこの1年を振り返っているようだった。「音楽をして生きていく、ちょこはちを続けていく。」という大きな決意を小さなその体に背負いこんで越えてきた日々があったのだろう。「越えて 越えて 越えてきたの」という単調な歌詞にも関わらず、とても力強く響いた。ラストソングとなったのは「ストロボ」。渾身のパフォーマンスに、後ろまで手が上がり笑顔で溢れていた。会場全体での大合唱で幕を下ろしたのだ。

全曲目が終了した後も歓声は鳴りやまず、アンコールとなった。披露されたのはディスコ調なキラーチューンである「レーザー」。ちょこはちらしい、ポップで楽しい雰囲気でアニバーサリーを締めくくった。


12月の新E.P.発売、12月26日(月)のファン感謝祭ライブとこれからの活動も目白押しのchocol8 syndrome。MCでリーダーの奏は「頑張れば、もっともっと大きいことをやっていける。」と語っていた。もっともっと大きくなるために、人生をかけて躍進する彼等から今後も目が離せない。

10月8日(土)渋谷TAKEOFF7
<ちょこはちバースデーワンマンライブ!>セットリスト

1.Navigator
2.ガラスのビート
3.閃光ON AIR
4.つらまろのきわみ
5.エウロパ
6.ROSIER (cover from LUNA SEA)
7.大声ダイヤモンド(cover from AKB48)
8.新曲
Sp.見習いハーデス(cover from 赤飯)
Sp.plot(cover from 赤飯)
9.ハナビラ
10.ADURTY 少年少女
11.エンドレスジェットコースター
12.Why Don’t you?
13.手と手
14.ストロボ
Un.レーザー


新E.P.『エウロパe.p.』

2016年12月7日リリース
価格: 1,000円(税別)

<エウロパリリースパーティー>

11月4日 宇都宮HEAVEN’S ROCK
11月10日 千葉LOOK
11月17日 仙台MACANA
11月18日 熊谷HEAVEN’S ROCK
11月30日 渋谷THUTAYA O-crest
12月20日 大阪clapper
12月21日 栄MUJICA

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