2016年はインディーズヴィジュアル系シーンでも多くのバンドが生まれ、新しい音楽が奏でられた一年だった。しかしその一方、多くのバンドが解散、活動休止という選択を迫られた年でもあった。しかし2017年のこのシーンには、新たな風が吹く。

◆2017年期待の若手バンド 画像・ミュージックビデオ

昨今インディーズヴィジュアル系シーンでは、多少無理をしてでもキャパを上げた大きな会場でのワンマンライブを打つという一種の流行があったと思う。もちろん今の実力を越えた挑戦をしていくことはバンドにとってとても大事なことであるし、大きな会場でのライブはバンドに経験をつけるためにも重要な意味をもたらす。しかしながらそのプレッシャーや現実との差に苦しみ現状と理想の差に悩むバンドも多くいた。

筆者は<千歌繚乱>という、若手インディーズバンドを応援するためのイベントを主催する傍ら、2016年に40バンド以上を直接取材してきた。(取材内容は<千歌繚乱アーティストBook>という冊子にひとまとめにしてあるので、機会があればご一読いただきたい。)

その取材の中で感じたのが「無理やりなキャパ上げをしてハクをつけても意味がない」と思い始めた若手バンドが多数いるということ。彼らは一様に「見栄を貼ることよりも着実に自分の音楽を伝えたい」と言う。それだけ自分たちの音楽スタイルに自信があるということなので、このようなバンドが増えているということは2017年のインディーズヴィジュアル系シーンに大きく期待ができると感じている。

<千歌繚乱>に出演してくれたバンドの中から、これからの活躍が期待できると思ったバンドを独断と偏見に基づき一部系統別に紹介しておきたい。なお、もちろん下記に挙げる以外にも素敵なバンドはたくさんいること、おすすめしきれないことも記しておく。

▲JILUKA

JILUKAは「V系モダンメタル」というテーマを掲げたバンド。演奏力の高さと楽曲制作のこだわりに定評がある。複雑に構成されかなりの音圧を感じられる楽曲だが、一音一音がクリアなのでとても聴きやすい。ヴィジュアル系バンドでありながら音楽性は多彩で、これまでにリリースされたシングルはそれぞれ違った雰囲気が楽しめる。特に2016年12月に発売された4thシングル「Divine Error」では彼らの魅力が存分に発揮されている。2017年7月には渋谷WWWでワンマンライブ<PHASE:synchronictity>の開催も予定されている。

▲ソニックデスモンキー

年明けすぐ1月11日(水)にデンジャークルーミュージックから3rdシングル「エキセントリック恋愛論」がリリースされるソニックデスモンキー。こちらのバンドは全員が楽しめるライブが売りだ。ライブステージではメンバーそれぞれの見た目の良さも相まって、華やかなヴィジュアル系の世界を味わえる。もちろん楽曲もとても聴きやすく、メロディが良い。3月に2周年を迎え、5月から初の全国ワンマンツアーを回るなど2017年を勢い良く駆け抜けてくれそうだ。

▲シビレバシル

シーンの中で異彩を放っているのがこのシビレバシル。和泉(Vo)のステージングやキャラクターは誰にも真似できない唯一無二のもの。初見の好き嫌いは別れるかもしれないが、何度も見ているうちにクセになる中毒性のあるバンドだ。ぜひ生でライブを見て欲しいバンドだが、歌唱力と“意外”にも美しい楽曲にも注目。3月にTSUTAYA 0-WESTにてワンマンライブが開催される。

▲DAMY

ヴィジュアル系の闇の部分を体現しているのがDAMY。ある種危険な言葉で紡がれた歌詞が、聴く人の普段は隠していた心の闇や凶暴な部分を浮き彫りにする。ストレスを感じたときなどに聴くと爽快感を感じることができるかもしれない。ライブは怒涛の勢いで、すさまじい。ただし暴れるだけのバンドではなく、CDで楽曲を聴くとノスタルジックなメロディと複雑なリズム構成が面白い。こちらのバンドも1月にワンマンライブ<飴と無知>の開催が予定されている。

2017年、未来のヴィジュアル系シーンを牽引していくように若手バンドが成長していくことを楽しみにしたい。また、どんどん新たなバンドも生まれてくるので、そこにも注目したい。若手にも素晴らしい音楽を作るバンドはたくさんいるので、これまで縁のなかった人にもぜひ一度発掘感覚で彼らのライブを味わってみて欲しいと思う。

text:BARKS編集部(服部)

◆JILUKA オフィシャルサイト
◆ソニックデスモンキーオフィシャルサイト
◆シビレバシル オフィシャルサイト
◆DAMY オフィシャルサイト

◆【新春企画】2017年を占う 最新音楽事情