【ライブレポート】吉川晃司「全部吐き出して帰ってください。そしていい年を迎えましょう」

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吉川晃司による<KIKKAWA KOJI Live 2016 "WILD LIPS">の追加公演が、12月29&30日にわたり国立代々木競技場第二体育館で行われた。オフィシャルから届いた29日の模様のレポートをお届けする。

◆吉川晃司 ライブ画像

今回の公演は、「ライブ、まだやりたりないという気持ちがあるので、年末やります」という本ツアー最終日の東京体育館での発言を受けたもので、体育館から体育館へとバトンを繋ぐ流れになった。オープニング・ナンバーは本ツアーと同じ「Wild Lips」。吉川が最初から気迫あふれる歌を披露していく。バンドのメンバーは、生形真一(G)、ウエノコウジ(B)、湊雅史(Dr)、ホッピー神山(Key)、菅原弘明(G、Key)と本ツアーと同じ顔ぶれだ。ツアーを経たことによって、バンドのアンサンブルは整理され、よりソリッドでタイトになり、歌も演奏もダイレクトに届いてくるのであった。

前半は最新アルバムからのナンバーが続く構成。突き上げられるたくさんのこぶし、大声での歓声、飛び散る汗……体育館らしい熱い熱い盛り上がりだ。5曲目の「Oh, Yes!!」が終わったところで、この夜最初のシンバルキックが炸裂したのだが、吉川は勢い余って頭から床に直撃した。

吉川は、「頭、打ちました。いい感じに砕けていくのがいいね。20回に1回くらい頭を打つ。40回に1回くらい足が折れる」と語った。さらに「みなさん、発散して、いろんなものを全部吐き出して帰ってください。そしていい年を迎えましょう」との言葉もあった。その発言どおり、発散しまくるライブとなった。「LA VIE EN ROSE」の終わりでもカカト落としでシンバルキックをしたが、またしても転倒して頭を打ちつけた吉川。満身創痍、壊れまくりの激しいライブだ。





本ツアーでは演奏されなかった「Nobody's Perfect」では、鳴海荘吉(吉川が演じた仮面ライダースカルの変身前の人物)名義で歌っていたこともあって、ハットをかぶっての歌唱となった。スケールの大きな歌の世界をバンドが見事に表現し、吉川が包容力あふれる歌を披露していく。この曲の“どんなときも立ち向かっていけばいい”という言葉が、この夜のファイティング・スピリッツあふれるステージを象徴するかのようだった。

「MODERN VISION」では、吉川と生形のユニゾンのギターに、ホッピー神山のキーボードが加わったアンサンブルがスリリングだった。そして、圧倒的な破壊力で突っ走っていったのは「BOMBERS」だ。「頭直った?」との観客の問いには、「無理だろうね。このまま壊れたままでいきたい。こんな世の中、壊れながらも言いたいことを言い、やりたいことはやっていこうと思っています」と返した。

本ツアーでは演奏されなかった「LUNATIC LUNACY」では、切れ味抜群の歌とシャープなグルーヴを生み出す演奏が最高だった。後半は怒濤の展開だ。「Black Colvette」ではKマークの電飾がまるで車輪が回転するように輝き、全身を使った吉川のアクションに会場内全体が白熱していった。

本ツアーでは演奏されなかった「SPEED」はイントロから大歓声。「RAMBLING MAN」では観客も一緒に歌い、踊っていた。本編最後は「BOY'S LIFE」。まさにすべてを出し切るような歌だ。その歌声に観客がシンガロングで応え、熱い熱い空間が出現していく。最後のシンバル・キックではまたハプニングが起こった。吉川のキックはシンバルを直撃したのだが、衝撃でシンバルがはずれて、ドラム台の前まで飛んでしまったのだ。予定調和とは無縁のドラマティックな、そして人騒がせなエンディングだ。

アンコールはこんな挨拶から始まった。「いろんなことがあると思いますが、また笑顔の再会を約束して。これはくたばるまで言い続ける言葉にしたいなと思います」



さらに、「ここも4年後のオリンピックで使う会場ですね。東京オリンピックまでの応援歌なので歌います」という言葉に続いてポセイドン・ジャパン公式応援ソング「Over The Rainbow」が披露された。Kマークの電飾が虹色に輝く中、突き抜けた歌声が会場内に響き渡っていく。「Dream On」は全身を揺らして、バンドのグルーヴと一体になりながら、自らの体にまで刻み付けるような歌声だ。この歌の歌詞ではないが、倒れ続けながらも進んでいくような歌に胸が熱くなる。すでにこの時点で完全燃焼と言ってもいい状態だろう。だがまだ終わらない。Wアンコールだ。

ホッピー神山のピアノをバックに、ふたりだけで「この雨の終わりに」。人間性までもが伝わってくるようなむきだしの歌が染みてくる。ここでもまだ終わらず、バンドのメンバーが全員登場して、「せつなさを殺せない」へ。フィニッシュの瞬間、シンバルを蹴ろうとしたのだが、壊れたのでそこにはない。以前、「なぜシンバル・キックをするのか?」という質問に、「そこにシンバルがあるから」と答えていたことがあるが、さすがにないものは蹴れない。出し切った先でさらに出し切っていくようなステージだった。この夜、印象に残ったのはこんな言葉だ。

「いつも今日が全盛期というつもりでやっていきたいし、実際にそうだと思ってます。ありがたいことに歌い手は今からが成長期ですから、これから磨きがかかってくるので、末恐ろしいなあと思ってます。自分で自分のことをそう言うなんて、“馬鹿じゃないの?”って自分にツッコミを入れながら、新年を迎えたいです」



ギリギリまで限界に挑んでいくことで、その限界値を上げていく。そんな末恐ろしいステージだった。全盛期はまだまだ先。2017年の活動がさらに楽しみになった。

  ◆  ◆  ◆

Photo By:Shigeru Toyama

【SET LIST】

2016.12.29 国立代々木競技場第二体育館
1.Wild Lips
2.The Sliders
3.サラマンドラ
4.Dance To The Future
5.Oh,Yes!!
6.にくまれそうなNEWフェイス
7.LA VIE EN ROSE
8.Expendable
9.Nobody’s Perfect
10.MODERN VISION
11.スティングレイ
12.BOMBERS
13.LUNATIC LUNACY
14.Black Corvette
15.SPEED
16.RAMBLING MAN
17.The Gundogs
18.Juicy Jungle
19.BOY'S LIFE
- ENCORE -
EN1. Over The Rainbow
EN2. Dream On
EN3. この雨の終わりに
EN4. せつなさを殺せない

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