【人間椅子連載】ナザレス通信Vol.20「年賀状」

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。郵便局のバイトを辞めたので年末年始は実家に帰ります。20数年出来なかったことなので喜びをかみしめています。お年玉も正月気分で振る舞います。自分も随分もらって嬉しかったのでお返しです。

お年玉に高校入学のお祝い金を足して買ったエレキギターとアンプが当時の一番大きな買い物でした。GRECOのミラージュ、Paul Stanleyモデルです。最初は嬉しくて訳も分らずゲインとリバーブを最大にしてDEEP PURPLEの「Smoke On The Water」のイントロをえんえんと弾きました。次に譜面を買ってKISSの「Detroit Rock City」を練習したのですが何だかチューニングが合いません。半音下げだということを知るまで相当時間がかかってしまいました。ギターソロは何度も弾きましたが何かが違います。今なら分りますが譜面が間違いだらけだったのです。もしこれからロックギターを始めるという方には、時間がかかっても耳で聴きとってコピーすることをおすすめします。がんばって聴き取ったフレーズが本物と違っていても、その作業自体がためになるからです。

ソロをコピーして楽しかったのはRAINBOWの「Starstruck」です。前半がスライドソロだと和嶋くんに教えてもらった時は衝撃でした。スライドバーを使ってスライドギターが何たるかを実演してもらいました。つまりそのギターソロは2回に分けて録っているのですが、そんな事実も衝撃でした。リッチーは一気にさらっと録っていると思っていたので。そんなRAINBOWの2ndアルバム「Rising」は是非とも聴いておきたいハードロック珠玉の名盤です。歌はRonnie James Dio、ドラムはCozy Powell、そしてもちろんギターはRichie Blackmoreです。この3人そろい踏みがまず奇跡です。A面には短いキャッチーな4曲が、圧巻はB面の2曲、「Stargazer」と「A Light In The Black」です。3人が持ち味を出し切って戦っているような応酬が繰り広げられています。聴いた後には心地よい疲労感が襲いぐったりしてしまう程です。

今思ったのですが、この「Rising」のジャケット、年賀状に使えます。虹をつかむ絵は幸福をつかむ感じでなかなかいいです。富士山から初日の出が昇る絵に構図が似てなくもありません。





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