イヤホン王子に訊く「ポータブルオーディオのトレンドは?」【新春企画】

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老若男女問わず誰もがスマホを使いこなす時代にあって、音楽もスマホで聞くのがデフォ。そんな昨今だけに、ポータブルオーディオ・アイテムはテクノロジーの発達とともに物凄い勢いで進化を遂げている。そこでBARKSでは、TBSテレビ『マツコの知らない世界』でお馴染みの「イヤホン王子」ことe☆イヤホン広報部部長/アンバサダー岡田卓也氏を直撃、ポータブルオーディオのトレンドを探るべく、2017年に注目すべきアイテムを訊いてみた。

イヤホン王子は今、何に注目しているのか、さっそく話を聞いてみよう。


──ポータブルオーディオ事情の傾向と対策を伺いたいんですが、2017年、注目すべきイケてるアイテムはどのようなものでしょう。

岡田卓也:True Wireless(トゥルーワイヤレス)でしょうね。

──トゥルーワイヤレス……ってなんですか?

岡田卓也:完全なるワイヤレス…つまりケーブルが一切ないワイヤレスイヤホンのことです。左右が独立しているBluetoothのイヤホンで、appleからもAirPodsが発売になりましたよね。2015年12月にEARIN(エアーイン)というモデルが登場して、最近ではSol RepublicのAMPS AIRもよかったですよ。



▲Sol RepublicのAMPS AIR

──トゥルーワイヤレス・イヤホンって何が凄いんですか?

岡田卓也:とにかく一切ケーブルがないんです。左右もつながっていない。「イヤホンって、突き詰めていくとこうなるんだろうな」という、半歩先の未来が形になったような商品なんです。ここにきてデザインも使い勝手もどんどん良くなって、今では音も有線のイヤホンと何ら変わらなくなってきている。トゥルーワイヤレスのイヤホンは、2017年で一番盛り上がるところだと思います。すでに各社取り組んでいる製品群です。

──なるほど(メモメモ)。イヤホン王子に訊きに来てよかったー。

岡田卓也:いやいや(笑)。

──iPhone 7にはすでにイヤホン端子がありませんが、iPhoneからイヤホン端子が無くなると聞いたとき、e☆イヤホンとしては焦りました?

岡田卓也:いや、むしろ「チャンスだな」って思っていました。結果としてワイヤレスへの注目が高まりましたから。もともとワイヤレスの時代が来るということで、ワイヤレス商品の取り扱いを強化していたんです。e☆イヤホンでしか扱っていないワイヤレス製品にも注力しました。

──独占販売の商品もありますよね。

岡田卓也:e☆イヤホンの魅力って、たくさんの商品が全部試聴できるところだと思うんですが、Bluetooth商品ってそもそも製品があまりなかったんです。なので、そのラインナップを増やすことを意識しました。その結果、Bluetooth製品を売る実績もできて、いろんな新製品も優先的に扱わせてもらえるようになっていったんですね。いい意味でBluetoothの波に乗れたのかなと思います。

──Bluetoothに注目するというアンテナ感度の高さが勝因ですね。

岡田卓也:我々は販売店なんですが、メディアとしてPRを行う情報発信力も求められたりするんです。これまでの実績と発信力を積み重ねることでメーカーさんとのやりとりも太くなり、優先的に情報をいただいたり。2016年は海外メーカーさんとの直接取引も大分増えましたね。

──ぶっちゃけ、トゥルーワイヤレス・イヤホンっていいですか?

岡田卓也:実際のところ、Bluetooth製品に関して一番多いのは「使い方がよくわからない」「接続の仕方がわからない」という意見なんです。「設定はどうするの?」というもの。それが8割かな。でもAirPodsって、いきなり充電ケースの蓋を開けるだけで自動的にiPhoneにつながるんです。設定とか一切する必要が無いというのは凄いですよね。

──ペアリングの設定も必要なし?

岡田卓也:そう、蓋をあけるだけ。「ここまで来たのか」と驚きましたよ。無線の一番の障害だった「つなぎ方がわからない」というのがクリアされているので、そのハードルもついになくなったと思いました。

──さすがapple。


▲apple AirPods

岡田卓也:AirPodsが出たことで、そういう商品が増えるんだろうなと思いますね。昔と比べると接続も安定していますしBluetoothの品質もだいぶ改善されています。レイテンシー(遅延)も感じません。左右独立のトゥルーワイヤレス・イヤホンもサイズも小さくなり、デザインも凝ってきていますよ。

──各社、イヤホンケースがイヤホン本体への充電器になっているんですよね。

岡田卓也:そうです。最初にペアリングの設定さえしてしまえば、ケースから取り出すだけで自動的に接続されて、使い終わってケースに入れると充電を開始します。Sol Republic AMPS AIRのケースなんか、モバイルバッテリーとしても使えるんですよ。

──至れり尽くせりですねえ。

岡田卓也:凄いですよね。とにかく手間が省けるようになってきたのが2016年で、2017年は本当に有線に代わるようなBluetooth商品が出てくるんじゃないかという期待があります。

──凄いなあ。こういう進歩はイヤホンのみならずヘッドホンでも同様ですか?

岡田卓也:逆に、ヘッドホンの方が遅れ始めているかもしれないですね。特に日本ってイヤホン文化なんです。e☆イヤホンの販売構成比をみると8割がイヤホンなんですよ。昔は6割程度だったんですが、どんどんイヤホンの割合が増えている。海外だとヘッドホンの方が多いんですけどね。

──日本は世界から見ても大きな市場ですから、イヤホンの開発競争はまだまだ激化しそうですね。

岡田卓也:上海、香港、韓国あたりもイヤホンが主流ですしね。ポータブルオーディオ関連のイベントやショーもアジアで増えていますけど、このイヤホンブームのきっかけは日本ですから、イヤホンに関しては新製品が出るのは日本からであってほしいです。


▲e☆イヤホンのワイヤレス・イヤホンの販売コーナー

──一方、スマホの高音質化も今後のトレンドですか?

岡田卓也:ええ、e☆イヤホン梅田EST店では「e☆スマホン」というスマホのお店を作って取り組んでいます。オンキヨーの次世代ハイレゾプレーヤーではSIMが挿さるようになりますからね。

──スマホが高級オーディオプレイヤーに寄っていくと同時に、プレイヤーもスマホ化する動きがあるんですね。

岡田卓也:そうなんです。一般的にはほとんどの人がスマホで音楽を聴いていますから、そういう人達にもいい音を楽しむための提案をしたいんです。

──高級ハイレゾプレイヤーを使う人やポータブルアンプを繋げるようなハイエンド層から、気軽にスマホで楽しむ人まで、音楽の聞かれ方も様々ですもんね。

岡田卓也:ホントそうですね。いろんな方がいらっしゃいますしいろんな層がありますから、幅広いラインナップを提供しないといけないですね。

──今後、ポータブルオーディオはどのようなトレンドになるんでしょう。どんなことを考えているかメーカーの話を聞いたりするでしょう?

岡田卓也:むしろ逆に僕らに訊いてきます。メーカーもわからないんだと思いますよ。「どんな商品がほしいですか?」って訊かれるので、「こんな機能で、このくらいの価格帯で、こんな感じのデザインのものが欲しい」…とか伝えるんです(笑)。

──要するに、エンドユーザーの声が聞きたいわけだ。


岡田卓也:そうです。だからイベントを行ったり、毎週末試聴会を行って試作機なんかも聴いてもらって、お客さんから意見をもらったり、アドバイスをうかがったりしているんですね。あと、レビューは大事だなと思って、レビューキャンペーンを行ってユーザーレビューを増やしました。そうやって集まった色んな意見をメーカーさんにご提供したりしています。

──生の声にこそ次代へのヒントがある、と。

岡田卓也:イヤーピースのサイズもそうですよね。JVCケンウッドからスパイラルドットというイヤーピースが出た時、サイズがS/M/Lしかなくて「微妙にサイズが合わない」というユーザーさんの声を聞くんです。それをメーカーに伝えたら、本当にその中間サイズ(MS/ML)を作ってくれたということもありました。

──販売店だから、多くの生の声が集まりますね。

岡田卓也:あと初期不良とか、製品の問題点…「ここが割れやすい」とかも、お客さんが多ければ多いほど見つけやすいですよね。だから使い方の注意をしながら販売することもよくありますよ。「イヤーピースを外すときに無理に引っ張るとココが折れるから、ここをこのようにして外してください」とかね。

──なるほど、初心者にもありがたい話だ。

岡田卓也:初心者の方にこそ来てほしいんですよ。スタッフがちゃんとアドバイスできることも大事ですけど、お店の中でスタッフに聞かなくても分かるように、2017年は今一度きちんとe☆イヤホンというお店を再構築して、専門店らしく足元をしっかりと固めたいとも思っています。

──これからも楽しみにしています。ありがとうございました。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也









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