登場前の呼び込みのアナウンスで、期待感たっぷりの唸るような歓声に迎えられたのは、Ken Yokoyama。SEはなく、観客の拍手や叫び声を受けて、松浦英治(Dr)、Jun Gray(B)、南英紀(G)、そして唐草模様の風呂敷を背負った横山健がステージに姿を見せると、一段とフロアの熱が上がる。

◆Ken Yokoyama 画像

「<東日本大作戦>、10-FEETがこういう場を作ってくれました。僕らも、新年一発目、元気でやってるよというのを見せにきました」──横山健

という横山の言葉で、「How Many More Times」へ。たくましいビートで一気に加速し、そして横山の「Singing!」という声で、さらに観客の声を乗せてロックンロールのスピードを上げる。フロアはすでに、もみクシャで、フロントエリアではグッと拳を突き上げて、観客が声を嗄らしている。



「現状、Ken Bandの最新アルバムからやります」──横山健

と披露したのは、「Maybe, Maybe」。横山は、ステージにしゃがみ込んでギターをかき鳴らし、泣きのコードとグッド・メロディに大合唱と、波打つようなジャンプが起こる。曲間には、ほかのどのバンドよりもメンバーの名前を叫ぶ男子の野太い声や、「最高だ!」という声が上がる。キャッチーでシンプルな曲で、そしてギターやパンクロックへの愛情が不器用なほどに溢れ出てしまうサウンドやプレイ。そういうバンドの姿そのものや、アンサンブルに、観客は興奮を隠せない。

「雪もちらついてきて寒いからね。ロックンロール浴びてあったまるといいずらよ」とギターをかき鳴らしながら語り、「もしかしたらみんな知ってるだろうという曲もやるから、わかるやつは一緒に歌ってくれ」と、「I Won't Turn Off My Radio」の扇情的なイントロを爪弾き歌い出すと、観客のシンガロングが大きく、大きく重なっていった。2015年にシングルとしてリリースされたこの曲は今や、ライヴでも1、2を争うアンセムチューンであり、2010年代のロックンロールアンセムでもある。




後半は、「Punk Rock Dream」や「震災後、東北でこの曲をやると自分に跳ね返ってくる」と紹介した「Ricky Punks III」など、さらにアグレッシヴな曲が並んだ。Jun Grayはステージを蹴り上げるようにダイナミックなプレイで魅せ、南はタイトかつエモーショナルなギターやコーラスで、どっしりと構える。横山は自らマイクスタンドを掴んで、ステージの上手側や下手側に移動して歌い、ステージに膝をついて、観客と同じ目線でギタープレイや歌を響かせる。メンバーそれぞれに耳打ちして、セットリストには予定してなかった「WALK」「Save Us」なども披露した。



つねに、何が起こるのかは予測不能なところもあって、ハラハラとスリリングな瞬間もある。そのドキュメンタリー性、ライヴ性が、見るものを強烈に引きつける。ラストの「Believer」では、「このマイクに、知ってるやつだけでもいいから歌ってくれるかな」とフロアにマイクを渡し、もみくちゃになりながらも必死に歌う観客の声が、Ken Bandの高らかなサウンドとともに会場に響いた。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN/みやざきまゆみ(横山健)

■【Ken Yokoyama セットリスト】

1.How Many More Times
2.Maybe, Maybe
3.I Won't Turn Off My Radio
4.Punk Rock Dream
5.Ricky Punks III
6.Your Safe Rock
7.WALK
8.Save Us
9.Believer


■10-FEET主催<東日本大作戦番外編>

2017年1月14日(土)宮城・ゼビオアリーナ仙台
▼出演アーティスト
Ken Yokoyama / G-FREAK FACTORY / 10-FEET / NUBO / MAN WITH A MISSION / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
2017年1月15日(日)宮城・ゼビオアリーナ仙台
▼出演アーティスト
サンボマスター / SiM / SUPER BEAVER / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / NAMBA69 / WANIMA
※仙台市太白区あすと長町1-4-10 東北本線「長町駅」より徒歩5分
開場12:00/開演13:00/終演20:30予定
▼チケット
全券種SOLD OUT

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