【インタビュー】ONE☆DRAFT、10周年の節目「ただ音楽を続けていられれば、それでいい」

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■部活と恋愛がくっついてるみたいな
■すごくうまい感じで、3人がまとまってる

――こうやって聴き返すと、あらためていいラブソングが多いんですよ。「アイヲクダサイ」「TRAIN」「TIME」とか、すごく流れがいいし。好きなラブソングってありますか。

RYO:やっぱり「アイヲクダサイ」かな。「会いたい夜 feat. Macheri」も、SNSとかを通じて今になって若い子に響いているみたいで。学生が生配信してる番組のうしろで、この曲をかけて、それが検索ワードに上がってきたりとか。

――ONE☆DRAFTって、どっちのイメージが強いんですかね。青春ガチうたのイメージと、せつないラブソングのイメージと。今回はとてもバランスよく入っていて、個人的にはもっとアッパーなイメージが強かったけど、意外とスローでメロディアスな曲も多いなと思ったり。

LANCE:そうですね。シングルは特に。

MAKKI:逆にライブでは、パンチの効いてる曲のイメージが強いんじゃないですかね。

LANCE:自然とそうなってると思うんですけどね。シングル中心なんで、恋愛に寄った曲が多いと思うんですけど、たぶん青春のことを書いていくとその隣には常に恋愛があるというか。部活と恋愛がくっついてるみたいな、そういうことだと思うんですよね。あの子が好きだから同じ部活に入ったとか、そういう子もいたりすると思うし。

――ああ。絶対いますね。

LANCE:今は時間がすごく早くて、24時間じゃ足りないと思う年なんですけど、今青春してる人たちはもっとゆったりした時間を持っていて、二人で一緒にいる時間がすごく長く感じるとか、あるんじゃないかと。僕らよりももっといろんな時間を持っている気がして。僕らが書いてるのはそこだから、青春を書いてると、自然と恋愛の曲も出てくるんじゃないかと思いますね。

――青春期の男子が思うことをずっと歌っているという。逆に言うとそれ以外のテーマがない。

LANCE:ないんですよ。もっと言いたいんですけどね。トランプ政権はどうなるかとか。

MAKKI:社会派としてね(笑)。

LANCE:本当はやりたいんですけどね。

――可能性はまだまだあるぞと。

▲RYO

LANCE:こうやって並べていくと、すげぇ振り切れてると思うのは、2015年に徳間ジャパンで出した「湾怒羅不斗 ~不屈の特攻隊長~」(アルバム『ALL FOR ONE』収録)とか、デビュー曲とは全然違う、陰と陽みたいな感じなんで。このハネ方は、突破してきたものがいっぱいないと、ここに降り立てないという気はしますね。「フルサト」を書いて、それにのっとってソニーが作ったルールでずっとやっていたら、「湾怒羅不斗 ~不屈の特攻隊長~」はないし。そういう振り幅は生活にも出てくるものだから、僕はそっちのほうを思い切り振り切ってやれてよかったなと思いますね。僕がそれを担当して、二人が曲がらずにしっかりとそこにいてくれるから幅が出るというか。僕から見て、この10年間でMAKKIとRYOの変わったところとか、何もないんですよ。言ったら、二人の安定があっての自分なので。

――ああ。なるほど。

LANCE:二人が成長してないという意味じゃなくて、たとえばRYOの考え方が変わったり、やることが変わったりしていく中で、僕の立場に寄ってきちゃったら、僕はもっと行かなきゃいけなくなる。そういう意味で、ずっとそこにいてくれるという、僕にはできないことを二人はやってくれてるなと思います。それはRYOに関しては特に思う。MAKKIは二人の間を行ったり来たりしてくれて、すごくうまい感じで、3人がまとまってるんだなと感じますね。

――いい話。普段は面と向かってはしないでしょうけど。

RYO:3人だけでこんな話してたら、ちょっと気持ち悪いですね(笑)。

MAKKI:LANCEは、ポップになりましたね。昔はもっとエッジの効いてる感じでトゲが多かったですけど、今はよりポップでマイルドになった。いい意味で。RYOは、結婚して父親になったことが大きいですね。そんなこと考えもしない時期からの付き合いなんで。

――ちょうど、デビューの頃でしたよね。子供が生まれたのは。

RYO:まあ二人とも、丸くはなりましたよね。大人になった。MAKKIも25歳ぐらいの時は、もっと酒飲んで、もっと暴れてましたからね。今は飲めなくなって、どんどん落ち着いてきてますし。

MAKKI:飲むと、眠くなっちゃって(笑)。

RYO:そういう、普通の人間としての変化はすごく出てきてる。LANCEに関しては、相変わらずぶっ飛んでるところもありますけど、やっぱり変わってきてますね。遅刻魔だったんですけど、それも最近治ってきてるし。

LANCE:ONE☆DRAFTを始める時に、すべてのルールを取っ払って始めたんですよ。世間的には常識だと思われていることを全部捨てて、自分の中の憲法みたいなものを作ろうと思って、だから言っちゃいけないことをわざと言ってみたりして。それはわかってやってることだから、トゲだと思われたんでしょうけど。たとえるなら、でかいボンタン履くと怒られるけど、最初にもっとでかいのを履いておけば、ちょっと短くすると「お、短くなったな」とほめられて、最終的にいい感じのボンタンが履けるという。

――そのたとえ、わかるけど、よくわからない(笑)。

LANCE:最初にかましとく、というのが僕のやり方なので。そこだけですよ? ほかにRYOとMAKKIに頼ってる部分はたくさんあるんですけど、最初の一点突破は自分が開こうと。自分がそういう存在でないと何も始まらないという考え方が、デビュー当時はあって。それで周りに迷惑をかけたことがたくさんあるのは承知の上で。でも最近は、人に迷惑をかけることだけはやめようと思って、そういうところは丸くなったなと感じられるけど、よく考えたら普通のことなんですよね。

RYO:俺とMAKKIで、何度頭を下げたことか(笑)。
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