【インタビュー】「明確なビジョンを持って海外進出を」──ACE1、世界中のEDMファンに「YES」をもらった新曲「EMPIRE」をリリース

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2000年代中頃からDJ ACEとしてトランスシーンで活躍、クラブのみならずファッションショーやモーターショーなどビッグなスケールで活躍してきた彼。現在はACE1を名乗りEDMシーンを牽引する存在として、DJ MAG世界第5位、アジアNo.1のクラブ「韓国OCTAGON」を筆頭にアメリカなど海外での公演も精力的にこなしている。そんなACE1の新曲「EMPIRE」が代表的なEDMレーベル、SPINNIN'RecordsのTalentpoolにて日本人初の1位を獲得という快挙の情報が。ACE1とは何者なのか? 早速BARKS初となるインタビューを試みた。

◆ACE1 画像&映像

■自然と身体の中に入ってきたのが
■サイケデリックトランスの音だった

──音楽を音楽として認識して聴き始めたのはいつでしょうか?

ACE1:Jポップは小学生くらいからですかね。もともと小学生の時にピアノを習っていたんです。それほどの期間ではないですが、そのせいで昔から音楽に触れる機会は多かったと思います。ダンスミュージックに傾倒していったのは中学生くらいかな。

──それまでは周りの人が聴くいわゆるJポップ&歌謡曲ばかり?

ACE1:それに加えてピアノの練習曲みたいなものもよく聴いてましたね。ただピアノは習わされていた感じだったし、男がピアノを習うってどうなの?という思春期特有の思いはありましたね(笑)。当時はとにかくピアノが嫌でした。

──それで、中学生でダンスミュージックを聴くように。

ACE1:聴き始めたのは、ダンスミュージックがかかるようなところで遊ぶようになったのがきっかけです。その流れで自然と遊び仲間とDJを始めるようになったんです。自分たちでイベントやろうと……DJ、VJ、オーガナイズ、全部やろうぜって話になって。

──最初はどういうDJスタイルでしたか?

ACE1:最初はトランスですね。それからズーっと、いわゆる四つ打ちです。今はいろんなジャンルを混ぜるプレイスタイルでロウビートをかけたりしますが、基本は四つ打ちです。

──当時ほかジャンルのダンスミュージックを聴いたりは?

ACE1:一通り聴きましたが、身体に入ってこない……例えばドラムンベースを聴いても当時は入ってこなかったんです。今は視野を広げるために聴いていますが、当時は好きになれる、なれないだけがポイントで、サイケデリックトランスの音が一番しっくりきた。そういう意味では当時は視野が狭かったかもしれないですね。

──当時はどういう機材でDJしていました?

ACE1:最初は時代も時代だったのでレコードでしたが、その後はPIONEER CDJ-100から始めました。当時CDJ-100は扱いが難しくて、その方が練習になると思って(笑)。ミキサー……何使ったたんだろう。思い出せないけど、そういうシンプルなシステムでしたね。


■ファッションとDJは、
■僕の中では表裏一体のもの

──最初は遊びで始めたようですが、本格的にDJをやろうと思ったのはいつごろでしょうか?

ACE1:アパレルの仕事をするようになって、それとリンクしながらズーっとやってきた感じなんです。雑誌の取材を受けるときも、DJの側面とファッションデザイナーの側面があって……DJだけでどうのって感じじゃないんですね。DJ、アパレル、両方で引っくるめて飯を食ってきた。どっちが強い、弱いがないんです。ただDJとして、という意味だとおそらく6〜7年前くらいからかな、それだけで飯が食えるような状況になってきたのは。

──学生時代からDJをされているわけですが、卒業後はどうしてたんですか?

DJ ACE1:大学卒業と同時に、ファッションとDJで生活をしていきたいと思って友人と会社を立ち上げたんです。その会社は10年くらいやって、僕は改めて会社を作り直したんですけども。

──最初からDJとファッションがセットだったわけですね?

ACE1:そうですね。

──DJで稼ぐというより、最初からDJもやってアパレルもやって稼げればいいと思っていた?

ACE1:最初はファッションの方が強かったかも。その比重が時と場合によって波があるわけですが、ここ1年くらいで音楽の比重がより重くなっていった感じです。一時期トランスのブームがキテいたときにはDJの比重が高かったし、ブームが落ち着くとDJの比重は少なくなった。そんな波がありつつ、音楽にかける時間を少しづつ増やすことができて、もっと音楽にも集中したいと考えながら、ファッションの仕事をやりつつ葛藤していた感じですね。

──それに繋がる話なんですが、キャリアの割には持ち曲が少ないですよね? ファッションをやっていたから楽曲制作をする時間がなかった?

ACE1:それも確かにあります。サイケデリックトランスの持ち曲も何曲かあって、そっちの期間が長かったせいもあります。DJとプロデューサーでいうと、当時はDJの色が強かったことが大きい。プロデューサーより、トラックメイカーより、DJ。当時は感覚的に曲を作ってステップアップしていこうってビジョンじゃなかったですね。リリースのお話をいただいたら作る、そういう感じでした。

──では実際に自分から率先して曲を作り始めたのは最近?

ACE1:ここ2〜3年ですね。今までより積極的にやってます。

──制作はどのような環境で?

ACE1:PCとABLETON Live、ABLETON Live Pushなどを使ってます。基本的にはすべてラップトップで仕上げます。音源も代表的なとこで言うとMassive、Sylenth1など持ってはいますが、僕はABLETON Liveの中で完結させることができなかったら、どんな曲もできないんじゃないかって考え方なんです。だからいろいろなものを使うよりはなるべくラップトップだけで完結できるようにしています。

◆インタビュー(2)
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