ザ・ローリング・ストーンズ、強烈なローを叩き出す驚きのサウンド

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3月31日にリリースが決定したザ・ローリング・ストーンズの'90年初来日コンサートからの第2弾映像『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン、トーキョー・ドーム 1990.2.24~』。音の方が先に届いたのでさっそく聴いてみたのだが、飛び出してきたのは驚きのサウンドだった。

◆ザ・ローリング・ストーンズ画像

すでにリリース済みの2月26日(10公演中9日目)収録の『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』と今回リリースされる『フロムザ・ヴォルト・エクストラ』が収録された2月24日(同8日目)は、セット・リストも同じで、マニアックな楽しみ方はできても、そこまでの新味はないだろうと、少々舐めてかかってしまっている自分もいたのだが、見通しが甘過ぎた。

一言でまとめるなら今回のものは「強靱な低音!」。これは当日の出音の違いから来るものだった可能性はなくはないが(テレビ収録はあってもテストの日なので現場でより「攻めた」音作りが出来ていたのか?)、普通に考えるならば、今回もこの作品のミックスを担当しているボブ・クリアマウンテンがより大胆なミックスを行なった結果なのだろうと思う。

とにかく低音部の響きが強烈だ。それも単に音がデカいとか、イコライザーで低音を強調した、というようなものではなく、ソリッドなのだ。日本ではこの時しか観られなかったオリジナル・メンバー、ビル・ワイマンの自由度だがツボを押えたベースの輪郭が特にクッキリし、それがまたチャーリー・ワッツの踏むバス・ドラムと完全無欠の…いや、正直言うとチャーリーの側のミスはこの日は結構あるのだが、それでもガッチリとタッグを組んでるボトムが強力で、ついつい耳がそちらに向かってしまうほどなのだ。ストーンズのライヴを聴いていて、こういう経験をすることは珍しい。バンドマンたちに聴かせたいコンビネイションなのだ。

途中、ミック・ジャガーがMCで、FMラジオの収録をしてる云々と喋ったりしていることからも想像できるように、テレビのテスト収録日だから、というユルみは彼らの演奏には微塵も感じられない(最終的には東京FMでの放送も、2月26日のものが使われた)。「ギミー・シェルター」もイレギュラーだった26日とは違ってリサ・フィッシャーが歌っているし、「サティスファクション」後半のミックのミスもなし。PA側の技術的なミスは若干あるが、このツアーならではの硬質のグルーヴの、その本質が伝わってくるような充実ぶり。

そんな低音部の充実を指して、それはストーンズ的ではないのでは?という疑問を持つファンがいたとしたら、こう反論しておきたい。あの'90年2月の10日間、東京ドームのド真ん前のA10ブロックの前に置いてあった、主に重低音を担当していたらしいスピーカーからは毎日、まさにこんな低音が鳴り響いていたのだと!

文:寺田正典

ザ・ローリング・ストーンズ『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン - トーキョー・ドーム 1990.2.24』

2017年3月31日日本限定発売
【200セット通販限定ボックスDVD+2CD+3LP】¥15,000+税
【1000セット限定スリーブ付き『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン - トーキョー・ドーム 1990.2.24』DVD+『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム1990』DVD+ボーナスDVD】¥9,800+税
【初回限定盤DVD+2CD】¥8,500+税
【通常盤DVD】¥6,500+税
※日本地域限定発売/日本語字幕付き/日本語解説書封入
1.イントロ:コンチネンタル・ドリフト
2.スタート・ミー・アップ
3.ビッチ
4.サッド・サッド・サッド
5.ハーレム・シャッフル
6.ダイスをころがせ
7.ミス・ユー
8.ルビー・チューズディ
9.オールモスト・ヒア・ユー・サイ
10.ロック・アンド・ア・ハード・プレイス
11.ミックスド・エモーションズ
12.ホンキー・トンク・ウィメン
13.ミッドナイト・ランブラー
14.無情の世界
15.キャント・ビー・シーン
16.ハッピー
17.黒くぬれ
18.2000光年の彼方に
19.悪魔を憐れむ歌
20.ギミー・シェルター
21.イッツ・オンリー・ロックン・ロール
22.ブラウン・シュガー
23.サティスファクション
24.ジャンピン・ジャック・フラッシュ

【メンバー】
ミック・ジャガー(ヴォーカル)
キース・リチャーズ(ギター)
ビル・ワイマン(ベース)
チャーリー・ワッツ(ドラムス)
ロニー・ウッド(ギター)
【サポート・ミュージシャン】
リサ・フィッシャー(バッキング・ヴォーカル)
バナード・ファウラー(バッキング・ヴォーカル/パーカッション)
シンディ・マイゼル(バッキング・ヴォーカル)
チャック・ラヴェール(キーボード/バッキング・ヴォーカル)
マット・クリフォード(キーボード/バッキング・ヴォーカル/パーカッション/ホルン)
ボビー・キーズ(サックス)
ザ・アップタウン・ホーンズ
クリスピン・シオー
ポール・リテラル
アルノ・ヘクト
ボブ・ファンク

◆ザ・ローリング・ストーンズ『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン - トーキョー・ドーム 1990.2.24』オフィシャルページ
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