【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、ダニエル・ホーが語る「Takさんをもっと見て学びたい」

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2月8日に発売となる『Electric Island, Acoustic Sea』は、Tak Matsumoto & Daniel Ho名義のコラボ作品である。共通の知人を通して知り合ったという両者は、お互いのミュージシャンシップに惹かれ合い、あっという間にアルバム1枚分の作品を作り上げてしまった。

◆Tak Matsumoto & Daniel Ho 動画

ミュージシャン同士が自然に共鳴し、反響と残響を楽しみながら、まだ見ぬ新たな音楽の誕生に魂を震わせる。そんな理想的なコラボレーションはどのように誕生したのか。ここではダニエル・ホーの目線から『Electric Island, Acoustic Sea』を紐解いてみよう。

   ◆   ◆   ◆

■オリンピックを目指すような
■高揚感を感じていました

──来日は何回目ですか?

ダニエル:んー…もう30回くらいじゃないかな(笑)。15年間ほどヤマハと仕事をさせてもらっていますからね。ギター・クリニックやウクレレのパフォーマンスなどで何度も来日しています。

──日本の音楽シーンは触れることも多かったわけですね?

ダニエル:いや、実はそんなに多くないです。日本のミュージシャンと触れ合う機会があったのは、東日本大震災復興支援チャリティとして、スガシカオさんと「見上げてごらん夜の星を」を一緒にやったくらいです。

──ハワイ出身なんですよね?

ダニエル:ええ、18歳の時に音楽学校へ通うためにロサンゼルスに移住し、そのまま残って仕事を始めました。L.A.の音楽業界は面白いし、活気がありますから。

──今作では、日本人の松本孝弘を差し置いて、誰よりも日本古来のサウンドを操っている点に一番の驚きがありました。どういう経緯で今のミュージシャン像ができたのでしょうか。

ダニエル:とてもいい質問ですね(笑)。私は学校で作曲を専攻し、主にジャズなどの西洋音楽を学んでいたのですが、興味があるのはワールド・ミュージックでした。アボリジニー・ミュージックや満州のモンゴリア音楽のアルバムを作ったり、キューバのパーカッションを使用したり、その土地の人々がどういった構成で音楽を作っているのかにすごく興味があるんです。例えば、アボリジニー的な音楽の音階は西洋理論とはまったく異なっていますし、馬頭琴などもこれまで聴いたことのなかった音階で非常に興味深いんです。日本の太鼓でも、叩き方でアフリカっぽい要素を入れたりすると、まったく異なる音楽になります。『Electric Island, Acoustic Sea』でも、伝統的な三線/琴/太鼓を使いながら、そこにハワイアンの楽器カラアウを使ったりしました。Takさんの音が中心にあって、僕はその周囲を多彩にサウンドで飾りたいなと思っていたんです。せっかくだから日本の楽器とハワイの楽器を融合させたテーマでユニット作品を作ろうと思いました。“Electric Island”がTakさんという中心にある島。メロディー担当ですね。私がその周りを囲んで2つの文化を融合させるというアイディアです。

──ダニエルさんは“Acoustic Sea”ですね。

ダニエル:はい。とにかくユニークなものを作りたかった。今まで聴いたことのない「ウクレレのような三線の音」をみんなに届け、それらを駆使したサウンドをね。

──松本孝弘との出会いは、共通の知人からの紹介だったそうですね。

ダニエル:そうです。その後、しばらくしてからTakさんのことをイメージした「Soaring on Dreams」を作曲して送ったら「いいね、レコーディングしようよ」という話になったんです。この曲が二人によるオリジナル・サウンドのコンセプトになって、ここからどういう方向性でいくかを考えていきました。

──そもそも、なぜ松本孝弘のことをイメージした曲を作ったんですか?

ダニエル:B'zに対しても本当に素晴らしいミュージシャンシップだと思っていたので、Tak Matsumotoと、たとえ一曲でも共に曲作りができることは非常に光栄なことだと思っていましたから。「Soaring on Dreams」には、最高なものを作り上げようとする時に生まれるポジティブな高揚感があったんです。それは競争心から生まれるようなアグレッシブなものではなくて、最高級のものが生まれるときの、大きな波がやってくるようなワクワクしたフィーリングです。

──それは素晴らしい。

ダニエル:ひとつずつ成功を積み上げていくたびに、どんどん気持ちも高ぶって、オリンピック選手がオリンピックを目指すような高揚感のようなものを感じていました。始めてみるまでは、お互いの音楽性が合うかどうかわからなかったけど、実際やってみたらものすごく合ったし、似ているところも多かったと思います。

──どういうところにシンパシーを感じましたか?

ダニエル:Takさんは音楽のあらゆる面に繊細なんです。イントロ部分から曲の並びに至るまで、アプローチの仕方やバランスを考え抜いている様子が、非常に勉強になりましたよ。

◆インタビュー(2)へ
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