1990年のストーンズ初来日公演から2作品目の映像作品『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン-トーキョードーム 1990.2.24』の映像を観ることができたのでご報告したい。

◆ザ・ローリング・ストーンズ画像

実際観てみると、これがかなり正攻法のコンサート映像だな、という印象を受けた。2月26日に収録された1作目『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』は日本テレビの当時の放送映像をベースに、ストーンズ側が撮ったリアルタイムのスクリーン映像用の素材なども交えて再編集され仕上げられたものだった。今回の2月24日収録の映像も、同じ日本テレビのチームがテスト用に撮影したものを基本に同様な方法で制作されているものと思われるが、カメラの切り換えも抑え目、メンバーのアップというよりバストアップのショットが多く、パトリック・ウッドロフのデザインによる豪華でグルーヴィな照明の様子も適度に伝わってくるものとなっているし、ステージ後半で炊かれているスモークの様子までより実感できる仕上がり。日本テレビのカメラとストーンズ側のカメラの画質の違いはやはり残っているが、嬉しいのは『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム』では少しハレーションを起こしているカメラのものも含まれていたストーンズ側の映像が自然な色調でつなげられていることだ。

この日本公演でのメンバー、特にミックの表情は結構堅いのだが、比較してみるとこの24日の方が若干だが柔らかめ。これは本番とテスト撮影の違いでもあるのだろう。この日の映像では「ロック・アンド・ア・ハード・プレイス」のシーンに同曲のフロモーション・ビデオと同様の手法で大きな英文字が画面上を飛び交う編集がされていたり、「黒くぬれ!」のシーンのみモノクロに仕上げられていたりと演出過剰な部分はあるものの、「ギミー・シェルター」でミックとデュエットするのがいつものリサ・フィッシャーだったりすることも含め、あの初来日公演の平均的なコンサートの様子は、こちらの方に近かったのかもしれない、と思ったりしている。ただ、ソロ・コーナーで上着を脱いだキースは白いワイシャツを着ていて、コンサートの後半は毎日、例のコムデギャルソンのものらしい三色重ね着セーターで弾いていたと思い込んでいた自分の記憶の誤りは訂正させられることになった。

それと前回のニュースで書いた、サウンド面の目新しさ、特に低音部の充実ぶりについての補足も少々。映像が届いてみてわかったのだが、エンド・クレジットにはミックス担当のいつものボブ・クリアマウンテンの名前の下に、有名な音楽編集ソフトであるプロ・ツールスのオペレーターとして彼のボブのアシスタント・エンジニア、セルジオ・ルーラス(ポルトガル語読みならホエラス?)の名前がわざわざ記されていた点がひとつ。さらにその下には、昨年リリースされた新作『ブルー&ロンサム』も手がけていたマーカソン・マスタリングのふたり(スティーヴン・マーカソンとスティーヴ・ウィットモア)の名前も並んでおり、『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』の時より一層、音の調整に手間隙をかけてこの作品が制作されていたこともわかってきたのだ。ご期待いただきたい!

文:寺田正典

ザ・ローリング・ストーンズ『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン - トーキョー・ドーム 1990.2.24』

2017年3月31日日本限定発売
【200セット通販限定ボックスDVD+2CD+3LP】¥15,000+税
【1000セット限定スリーブ付き『フロム・ザ・ヴォルト・エクストラ~ライヴ・イン・ジャパン - トーキョー・ドーム 1990.2.24』DVD+『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム1990』DVD+ボーナスDVD】¥9,800+税
【初回限定盤DVD+2CD】¥8,500+税
【通常盤DVD】¥6,500+税
※日本地域限定発売/日本語字幕付き/日本語解説書封入
1.イントロ:コンチネンタル・ドリフト
2.スタート・ミー・アップ
3.ビッチ
4.サッド・サッド・サッド
5.ハーレム・シャッフル
6.ダイスをころがせ
7.ミス・ユー
8.ルビー・チューズディ
9.オールモスト・ヒア・ユー・サイ
10.ロック・アンド・ア・ハード・プレイス
11.ミックスド・エモーションズ
12.ホンキー・トンク・ウィメン
13.ミッドナイト・ランブラー
14.無情の世界
15.キャント・ビー・シーン
16.ハッピー
17.黒くぬれ
18.2000光年の彼方に
19.悪魔を憐れむ歌
20.ギミー・シェルター
21.イッツ・オンリー・ロックン・ロール
22.ブラウン・シュガー
23.サティスファクション
24.ジャンピン・ジャック・フラッシュ

【メンバー】
ミック・ジャガー(ヴォーカル)
キース・リチャーズ(ギター)
ビル・ワイマン(ベース)
チャーリー・ワッツ(ドラムス)
ロニー・ウッド(ギター)
【サポート・ミュージシャン】
リサ・フィッシャー(バッキング・ヴォーカル)
バナード・ファウラー(バッキング・ヴォーカル/パーカッション)
シンディ・マイゼル(バッキング・ヴォーカル)
チャック・ラヴェール(キーボード/バッキング・ヴォーカル)
マット・クリフォード(キーボード/バッキング・ヴォーカル/パーカッション/ホルン)
ボビー・キーズ(サックス)
ザ・アップタウン・ホーンズ
クリスピン・シオー
ポール・リテラル
アルノ・ヘクト
ボブ・ファンク

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