【NAMM SHOW】フロイド・ローズ、最新事情

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<NAMM Show2017>の会場でQ5のジェフリー(Dr)に遭遇、Q5オリジナルメンバーであるフロイド・ローズを交えたインタビューを、会場内フロイド・ローズのブースで敢行した。

──2016年、Q5は久々にアルバムリリースをしましたよね。

リック・ピアース:そうだね、8ヶ月くらい前かな。

──その前は1980年代ですから、30年ぶりのアルバムですよね。

リック:そうだね、以前のは1985年だ。

──オリジナルメンバーとしてQ5がどのようにスタートし、なぜバンドを去ったのか、そしてなぜ急にアルバムリリースしたのかを話してもらえますか。

リック:良い質問ですね。その昔、フロイドとジョナサン・ケイン(Vo)がバンドを始めて素晴らしい曲を作ってたんだ。僕は当時ゲリー・トンプソン(Dr)とエヴァンシー・リー(B)と一緒にTKOというバンドをやっていた。僕らはフロイドとジョナサンが作った曲をすごく気に入ってしまい、当時のTKOの状況を考えると向こう側にいってしまったほうがいいかな、と思って一緒にバンドをやることにした。それがQ5の起源さ。バンドは1989年まで続いた。

──フロイド・ローズは画期的なアームですが、いつから作り始めたんですか。


フロイド・ローズ:最初のトレモロは1978年に作った。彼らに会う前から作っていたんだ。僕はリノにいて、当時はまだシアトルには住んでいなかった。いくつかプロトタイプを作ってからシアトルに引越し、地下で製造をはじめるようになった。

──なぜフロイドさんはQ5を去ったのですが?

フロイド&リック:当時もう40才になっていて、これをやるにはもう歳をとっているような気がして落ち着いたほうがよいんじゃないかと思ったんだ。音楽産業や人気のある音楽も変わってきていたし、それはグランジの時代のちょっと前でU2も人気があったから、誰かがバンドを抜けたというわけではなくて、1980年代最後に自然と解散することになった。

リック:僕とジョナサンは新しいバンドをはじめて、それにこのジェフリーが入ったんだけど、ナイトシェードという名前のバンドだった。1990年代シアトルのグランジが流行っていて、僕たちのようなバンドには厳しい時代だった。唯一良かったのはメタルバンドがシアトルにやってきた時は僕らしかオープニングを務めることができなかったことくらいかな。シアトル唯一のメタルバンドだったから、おかげでたくさんのショーに出る事ができた。3枚のアルバムを作って、ヨーロッパをツアーしていたんだけど、ある時ヨーロッパのプロモーターが、「バンドにエヴァンシー・リーとリックとジョナサンがいて、そこにはQ5の3人がいるんだから、君たちをQ5と呼べないかな」と言ってきた。ヨーロッパの人々はQ5の2枚のアルバムを覚えていてくれていたんだよ。僕たちはすごく名誉に感じてね「いいよ、昔の曲を演奏するよ」ということで、2009年に昔のQ5の曲を演奏したんだ。反応はすごく良かった。僕らは<スウェーデンロック>に招待され2014年に演奏したんだけど、それがQ5の結束となった。僕は、実際の再結成としてフロイドにも演奏してほしかったし、ゲリー・トンプソンにもバンドの再結成に参加してほしかったけど、みんなのスケジュールがあわなかった。ナイトシェードのドラマーのリッキー・ブロンコとリック・ヴァンザンドが叩いてくれた。

フロイド:演奏してくれと言われたとき、僕はもう何年もギターを弾いていなかったから、その時は人前で演奏するのは恥ずかしいと思っていたんだ。最近は練習しているから、今後はまぁ…それは様子見だね。

リック:フロイドは謙虚だからね(笑)。でもいつもうまかったよ。リック・ヴァンザンドは今はメタルチャーチでツアーをしているよ。

──ジェフリーは、もともとQ5の大ファンだって言ってましたよね



ジェフリー:すごいファンで、最初のレコードが出たときタワーレコードで一番始めに買ったのは俺だよ。Q5が解散した後、ショッピングモールでリックを見かけたんだ。僕は「あなたはQ5のリック・ピアースですよね。僕はあなたの次のドラマーです」って言ったんだ。生意気な小僧だよね。優しいリックは僕の話を聞いてオーディションをしてくれることになった。そのおかげでドラマーになれたんだよ。ナイトシェードに入って一緒にアルバムを作った。

──音楽業界も時代とともに変貌を遂げましたが、どのような影響を受けましたか?

フロイド:音楽業界は変わってきている。ヒップホップから始まりラップはアップルを使うのが主流だけど、僕たちのようなアンダーグラウンドなロックは必ず存在していて、インターネットやソーシャルメディアのおかげで僕たちのようなバンドや昔の時代の音楽が発見され戻ってきているんだと思う。僕らはアワードなどに出てこなかっただけで消えた訳ではなく常に存在し続けてきたんだ。今では十分な数のメタルバンドがあり、カントリーミュージックも地位を確立している。ハードロックもヘヴィメタルもそれぞれが生き残ってきているんだよ。

リック:コンサートでは若い世代の人たちが来ていて、僕たちの音楽を良く知っている。彼らは僕らの音楽にアクセスし、僕らの音楽をいまだに愛し感謝してくれているんだ。僕らのような音楽をやっている人にとっては、時代は良くなってきている。

フロイド:良いメロディーのものは流行が戻ってきているよ。ぼくらのようなメロディックロックが戻ってきている。良い時代になってきたよ。

リック:今のもうひとりのギタリスト、デニス・ターナーはフロイドのパートを弾くのを光栄に思っているんだ。本当に卓越したギタリストでなければフロイドのパートはできないからね。デニスもフロイド・ローズのトレモロを使っているよ。

──今年のNAMMショーで発表された新商品は?


フロイド:これはギブソンのためのニューモデル。元々はバックにバネをいれなくてはいけなかったんだけど、このモデルはブリッジの下にバネがあって、ギターのトップを加工する必要がない。ブリッジを外して、そのスタッドに入れるだけで簡単にフロイド・ローズが付けられるんだ。これはすごいことだよ。

リック:この新しいフロイド・ローズを僕のギターにつけてもらったんだ。すごく嬉しい。すごく気に入っている。次のアルバムで確実に聴けると思うよ。

フロイド:ヘッドホンも発表した。ふたつのモデルがあって、BluetoothとDJモデル。他バージョンもいくつか出るよ…LEDがついててライトアップするやつとかね。イヤホンも出すつもりなんだ。すごく良い音で、快適なんだ。



──これらの商品は日本ではいつ頃お目見えしますか?

フロイド:イヤホンはちょうど最初のオーダーを発送したところだから、もうすぐだよ。ウェブサイトでも買えるし、新しいフロイドローズは、ギブソンSG、レスポールにもこれが搭載されて販売されているよ。

──Q5の活動予定は?

リック:いつも新しい曲を書いているんけど、夏から秋にかけてヨーロッパツアーをする。ドイツ、ギリシャなどの日程は出ているけど、まだ発表できないエキサイティングなこともある。来年の今頃は新しいアルバム制作にとりかかってるかな。

──最後に日本のファンにメッセージを。

フロイド:たくさんのアームを買ってね。たくさんQ5のアルバムを買ってね、いい音楽だよ!以前、初めてブリッジを作ったとき、日本に行って各地をまわって多くの日本人の方々に会った。みんな既にこの商品のことを知っていたんだ。とても楽しかったね。また日本に行ってみたいな。

──みんなあなたのことを知っていますから、みんな敬服しますよ。

リック:僕らがQ5でヨーロッパをツアーした時、日本からのファンがフロイドを探しに来てね、彼らはとてもがっかりしていた。「フロイドは今回一緒に来なかったんだ」と伝えるのが悲しかった。日本のファンには「僕たちの音楽に寄り添ってくれてありがとう」と伝えたい。僕たちは日本に行ってまた君たちのために演奏したい。そして「ハードロックに対して誠実でいてくれてありがとう」と伝えたい。

フロイド:僕の心は一緒に日本にいくよ。

ジェフリー:日本のファンは世界で最高だって知っているから、できる限り早く行ってみんなに会いたいよ。



取材インタビュー:映像写真 Sayaka Shiomi
翻訳:Kyontan
取材協力:AP International / Floyd Rose
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