【インタビュー】マイ・ダイナマイト「レイナード・スキナードはインスピレーションだ」

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オーストラリアのメルボルンを拠点とするブルーズ・ロック/ロックン・ロール・バンド、マイ・ダイナマイトが、前作『MY DYNAMITE』から5年振りとなるセカンド・アルバム『OTHERSIDE』を完成させた。

◆マイ・ダイナマイト画像

1980年代ハード・ロック由来のメロディ・オリエンテッドな作曲技法と豪州産ハード・ロックならではと言える大らかさや剛胆さが結びつくという作風は、前作のそれをダイレクトに継承したもの。とは言え、前作にともなうツアー活動の成果が反映されたのだろう、バンド全体としての熟練をも感じさせる仕上がりとなっている。

2月初旬、バンドのメイン・ソングライターであるジョージ・ベラス(G)がインタビューに応じてくれた。



――セルフ・タイトルのデビュー・アルバムが発表されたのは2012年のことでした。あれから5年が経ちましたが、活動はいかがでしたか?

ジョージ・ベラス:うん、かなりスローな感じだった。あのアルバムをリリースした翌年にはヨーロッパでツアーをしたけれど、戻って来てからは、シンガーのパット・カーモディに最初の子供が生まれたんで、そっちに費やす時間が必要になった。それから2014年の前半にはレイナード・スキナードのショウでプレイしたほか、単発のショウをあちこちでやった程度だった。そして次のアルバムのレコーディングに取りかかったんだ。2014年にね。だから、かなりゆっくりとしたプロセスだった。主に家族が増えたというのもあったし、音楽は主な収入源ではなくて、収入の大半は日々の仕事で得ているからね。

――『MY DYNAMITE』の発表に合わせて2013年に行なったヨーロッパ・ツアーはどういうものでしたか?会場の規模、共演者といった点で。

ジョージ・ベラス:5週間ほどのツアーで、30回ぐらいショウをやったよ。会場は小さなバーから大きめのクラブまで様々で、オランダでは中規模、小規模のフェスティバルでもプレイした。あれはとても楽しかった。どれも主に小さな規模だったけれど、サポート・バンドや共演バンドはなくて、俺達だけでプレイしたから、一晩に2時間プレイしたんだ。

――新作の制作前、何か方向性のようなものを決めましたか?それとも曲を次々と書き上げていき、それの集まりが新作ということでしょうか?


ジョージ・ベラス:とにかく書いていったという感じだね。最近はどのバンドも、アルバム制作/音楽作りにすべての時間を注ぐというのは難しいと思う。特に、マイ・ダイナマイトの場合、リハーサル・スタジオに集まってバンドとしてプレイしながらやっていくのが多いからね。俺は曲の大半をベーシックな状態で持ち込んで、バンドとしてリハーサル・ルームで曲にしていく。皆で一緒にね。そして1週間後か2週間後にまた集まって一緒にプレイして、更に変えて…そういうのを何回か繰り返して、俺達が満足できるものに仕上げるんだ。だから、俺達のやり方は長いプロセスになる。でも、これがとても上手くいっていると思うんだ。曲作りをする速度はかなり遅いバンドだけれど、これが俺達の気に入っているやり方だからね。急ぐ必要はないとも感じているし、大きなレコード・レーベルに急かされているわけでもない。そういう自然なペースで進んでいるね。

――ツアーを行なったことは創作面に何か影響を及ぼしましたか?レイナード・スキナードとの共演で何かインスピレーションはありましたか?

ジョージ・ベラス:そうだな…レイナード・スキナードがプレイするのを間近で観られたのは最高だったよ。彼らの音が素晴らしかったからね。彼らが「Free Bird」をプレイしている間、俺は目を閉じて聴いていた。ステージの脇でね。「ワーオ!」という感じだった。まるで、ごくごく初期にレコーディングされたもののように聞こえて、これは凄いと思った。マジカルだった。あれはかなり大きなインスピレーションになった。そういったインスピレーションのいくらかは、信じられないかもしれないけれど、アルバムのタイトル・トラックである8曲目の「Otherside」にも入っている。「Otherside」は、「Free Bird」にそっくりなわけではないけれど、同じようなところを狙っている。6分を超えないようにはしたけれど、ちょっと長いギター・ジャムも入っているし、最後に向けての盛り上がりもある。ああ、間違いなくレイナード・スキナードからはインスピレーションをもらったんだと思う。

――その「Otherside」はブラック・クロウズを思わせるところもありますが、後半のギター・ソロや女性コーラスはレイナード・スキナードに近い雰囲気です。ギター・ソロは「Free Bird」に通じるくらいに強力だと思います。

ジョージ・ベラス:おお!ワオ!それは凄い褒め言葉だ(笑)。嬉しいよ、ありがとう(笑)。

――このギター・ソロをレコーディングした時のことを覚えていますか?

ジョージ・ベラス:ちゃんとやれるまでに10回ぐらいかかったのを覚えている(笑)。今は問題なく楽にやれるよ。ベニーのソロは彼自身が書いたもので、あれも素晴らしい。俺達はギター・プレイヤー同士でお互いをとても上手く引き立て合っていると思う。ふたりともギター1本のバンドにいたことは一度もないんだ。いつももうひとりギター・プレイヤーがいる状態でやってきた。だから俺達は一緒にとても上手くやれていると思うし、この曲でのベニーと俺のプレイにもとても満足しているよ。それがこの曲の呼び物のひとつになっていると思う。パットが書いた素晴らしい歌詞と共にね。そしてバンド全体が、この曲では特に素晴らしいと思う。

――「Round The Bend」はスライド・ギターを用いており、Fフェイセズ+レイナード・スキナードという印象も少し感じさせます。曲調はパワフルで終盤のギター・ソロも盛り上がります。この曲が幕開けになることは直感的にわかっていたとか?


ジョージ・ベラス:レコーディングが終わった瞬間、これがオープニング曲になるとわかったよ。実際には、その前から俺にはわかっていた。というのも、俺達のライブではすでにこの曲でスタートさせていたからね。パーカッシブにスタートし、スローになってまた速度を上げて…というのが、温まろうとしているエンジンみたいだから。

――シャッフルのリズム、ピアノとギターによるソロ、活きのいいボーカル、朗らかなコーラスで構成される「Witch Hat」は曲調こそポジティヴですが、タイトルは謎めいた感じです。ここでは何を歌っているのでしょうか?

ジョージ・ベラス:「Witch Hat」は、ある女性と恋に落ちることを歌っているんだが、その女性がちょっとした魔女でね(笑)。彼女に魔法をかけられるという感じかな。そして、狡賢いところがあって、悪戯っぽいところがあって、それが魅力なんだ。タイトルの「Witch Hat」はその女性が被っている帽子のことで、誰も彼女のことを「Hey, witch hat」と呼ぶことはできないけれど、俺だけが言える。(笑)

――その帽子は魔法使いが被っている帽子ですか?ハリー・ポッターの映画に出てくるような。

ジョージ・ベラス:そう、それだよ。コーラスの歌詞は「I kind of like it, your witch hat, I kind of like it, your straw broom」となっている。箒も魔女が持っているものだからね。魔女の帽子と箒だよ。『オズの魔法使い』の邪悪な魔女みたいにね。

――男女混声のボーカルはレイナード・スキナードを思わせます。彼らからの影響はあると思いますか? それとも別のところからインスピレーションを得ている?

ジョージ・ベラス:女性ヴォーカルには、ジョー・コッカーの曲からの影響の方が大きいと思う。女性が真ん中辺りで、ブレイクダウンする部分にはその辺りからの影響がある。俺が無意識の内に聴いていたものだから、具体的にこれと言うことはできないけれど。

――『OTHERSIDE』では、より規模の大きいライヴ/ツアー活動が計画されているのでしょうか?

ジョージ・ベラス:今はまだ特に何もプランは立てていないんだ。もちろんオファーが来たら何でも検討するよ。パットには幼い子供が2人いるから、かなり大変だと思うし、仕事とかもあるからね。でも、とても良い招待が来たら、真剣に前向きに検討すると思う。ヨーロッパでのフェスティバルに何回か出るとか。俺は個人的には日本に行きたいと思っている。俺達にとって、とても良いチャンスになると思う。

取材・文:奥野高久/BURRN!


マイ・ダイナマイト『アザーサイド』

2017年2月17日 世界同時発売
【CD】¥2,500+税
※日本盤限定ボーナストラック収録/日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.ラウンド・ザ・ベンド
2.ウィッチ・ハット
3.ソー・ファミリア
4.ステート・ウィアー・イン
5.キャント・テル・ライズ
6.ラヴ・レヴォリューション
7.モーター・トーキン
8.アザーサイド
9.ドント・スティール・ザ・ライト
《日本盤限定ボーナストラック》
10.イン・ザ・ミドル
11.イフ・ウィアー・リヴィン(ライヴ・イン・メルボルン 2013)

【メンバー】
パトリック・カーモディ(ヴォーカル)
ジョージ・ベラス(ギター)
トラヴィス・フレイザー(ベース)
サイモン・アーロンズ(ドラムス)
ベニー・ウルフ(ギター)
ニック・クーパー(キーボード)

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