【レポート】女王蜂、単独公演<仮面の宴>で「最高傑作が出来ました」

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女王蜂が2017年2月10日、赤坂BLITZにて単独公演<仮面の宴>を開催した。同公演は“仮面”をドレスコードとしたもので過去2回開催、今回は約5年ぶりとなる。「会場にて配布致します仮面を、開演中外さずにライヴをお楽しみください」と事前にアナウンスされていたとおり、場内は仮面を着用し、女王蜂に負けず劣らずな個性的ファッションに身を包んだファンで埋め尽くされていた。

◆女王蜂 画像

開演時間を少し過ぎた頃に場内暗転、湧き上がる歓声と共に仮面を被ったメンバーがステージに登場した。ルリちゃん、やしちゃん、ひばりくん、サポートメンバーのみーちゃんが、それぞれ鮮やかなカラースーツで統一された衣装にて、ステージ中央で会釈して各持ち場へ。そして、一際ヴィヴィッドな細身のスーツを身に纏ったアヴちゃんが姿を現すと、その仮面の額には燦然と輝く光が。


ルリちゃんのフィルを合図にスタートしたオープニングチューンは、今宵に相応しい幻想的なミディアムナンバー「夜曲」だ。さらに「<仮面の宴>! 踊れるかい?」というアヴちゃのMCと共に繰り出された「ヴィーナス」、「ギラギラ」が終わるとアヴちゃんがおもむろにマスクを外し、“アヴちゃん、かわいいいー!“の歓声が飛ぶ。しかし、これに「君らは外したらあかんでー!」とユーモアでたしなめるなど、ライブは柔らかな雰囲気に。

「スリラ」「一騎討ち」という必殺ダンスチューンの連発では赤坂BLITZが一夜限りの異次元ディスコ空間と化し、軽快なピアノの旋律とギターのワウの響きにミラーボールが輝かしい光を反射し続けた。獄門島一家とのスプリットシングル収録「金星」は、そのエンディングでやしちゃんのベースソロに繋いで「ワンダーキス」へ。「次の曲、一緒に歌ってくれますか?」というひと言が告げられると「もう一度欲しがって」のコール&レスポンスが湧き、男性女性の二面性を一人二役で演じる仮想デュエットソング「売春」が披露された。


中盤では、アヴちゃんが振り向きざまに「D!I!S!C!O!」のシャウト、曲はもちろん映画『モテキ』テーマソングとして知られるキラーチューン「デスコ」だ。舞い踊るアヴちゃんが上着とスーツの下を脱ぎ去ると悲鳴のような歓声が飛び交った。オーデイエンスの沸点は、この夜の最高潮を記録。「ダイ・フォー・ディスコ・リーミックス!」のシャウトと共に四つ打ちダンスパートへクロスフェード、狂乱のダンスがさらにヒートアップしていく。その勢いのまま、ひばりくんのギターのリフが猥雑な雰囲気を醸し出すロックチューン「く・ち・づ・け」へ。

「どうも、こんばんは。今日は来てくれてありがとう! 仮面を全員につけて欲しくて。帰りもその仮面外さず(街に)混沌を振りまいてください! 新曲やってもいいですか? この曲、みんなに歌って欲しいフレーズがあります。“BOY MEET GIRL! BOY MEET BOY! IRL MEET GIRL!”。みんな言える? こんなのあたしらしか歌えんやろ!」──アヴちゃん



やしちゃんのファンキーなベースラインがうねるポストロックなサウンドから、中毒性を有するブランニューな女王蜂ダンスチューン「DANCE DANCE DANCE」が炸裂。アヴちゃんが再び仮面を装着し、「鏡」「空中戦」を披露するとライブはいよいよ後半戦へ突入していく。

照明が暗転したところで会場の空気が一変。女王蜂の真骨頂と言うべきダークチューン・パートは、静寂が場内を支配した。固唾を呑んでファンが見守る中、さらに新曲を披露。ギターのアルペジオとピアノの哀愁を帯びたメロディに乗せてエモーショナルに歌いあげるアヴちゃん。まるで何かが憑依したかのような咆哮に、感極まって涙するファンの嗚咽も。


「簡単な曲なんで一緒に歌ってください」というMCに続いては、もはや代表曲といって過言でないオルタナティヴでエキセントリックでヘヴィな破壊力を有した「告げ口」を演奏。アヴちゃんの鬼気迫るパフォーマンスにオーディエンスがトランス状態に陥る。

「最後の曲です。今日はありがとう!」──アヴちゃん

本編最後は、NHK「あさイチ」で生演奏して聴く者の心を鷲掴みにした最強バラード「鉄壁」だ。優しくも情感豊かに歌い上げてステージを後にした。


アンコールでは物販Tシャツとミニスカートに着替えたメンバーが再登場。「アンコール呼んだってことは、まだ踊れるってことやんな? 行くで!」というアヴちゃんのアジテーションから、80’sフレイヴァー溢れるシンセによるオーケストラフレーズが流れた瞬間、仮面姿のオーディエンスたちがバブル時代のディスコへとタイムスリップ。場内に揺れる数多のジュリ扇から色とりどりの羽が空中に舞い上がった。

「ソールドアウトと言うことで、今日は来てくださって本当にありがとうございます! ここで女王蜂からお知らせがあります。4月5日に新作を出します。アルバムのタイトルは『Q』。最高傑作が出来ました。今日ここに来てくれている人たちにも、この会場の外にいる人たちにも聴いてほしい。こんなこと言うのもカッコ悪いかもしれませんが、CDを買ってください。そして全国ツアーにいらしてください。答えを用意していますので」──アヴちゃん


このサプライズ発表に大歓声が湧き上がった。そしてラストには、アルバムからの新曲を初披露という粋な計らい。「最高傑作アルバムを作り上げた」と言う自負や手ごたえを感じさせる笑顔の女王蜂が演奏した新曲は、新境地とでも言うべきポップチューンだった。ファンキーなギターカッテイングと流麗なシンセの調べ、グルーヴするベースラインとブレイクビーツなドラムが誘うアーバンメロウ。極上のキラキラ・ダンストラックとアヴちゃんの抒情的歌詞世界の絶妙な融合に、会場が心地よいヴァイブスで染め上げられていった。

「全国ツアーでお会いしましょう」

アヴちゃんのこの言葉を残して、メンバーがステージを後にした。客電が灯り、BGMが流れているというのに鳴り止まない拍手。5年ぶりの<仮面の宴>が幕を閉じた。カリスマ性の高さと、桃源郷のようなライヴパフォーマンスを繰り広げる女王蜂は、映画『モテキ』と共に彗星の如くデビュー。そして今、まさにセカンドヴァージンとも言うべき、二度目の絶頂期を迎えようとしている。最高傑作『Q』、そして全国ワンマンツアー<A>をお楽しみに。

撮影◎岩根愛


■5th Album『Q』

2017年04月05日発売
【初回生産限定盤(CD+DVD)】AICL-3289,3290 ¥3,800(tax in)
【通常盤】AICL-3291 ¥2,800(tax in)
※収録内容等は後日発表

■<女王蜂 全国ワンマンツアー2017「A」>

04月06日(木) 神戸VARIT.
open 18:30 start 19:00
(問)神戸VARIT. 078-392-6655
04月08日(土) 福岡DRUM LOGOS
open 17:00 start 18:00
(問)キョードー西日本092-714-0159
04月14日(金) なんばhatch
open 18:00 start 19:00
(問)YUMEBANCHI 06-6341-3525
04月29日(土・祝) 広島セカンドクラッチ
open 17:30 start 18:00
(問)夢番地(広島) 082-249-3571
04月30日(日) 岡山IMAGE
open 17:00 start 17:30
(問)夢番地(岡山) 086-231-3531
05月06日(土) 札幌PENNYLANE24
open 17:00 start 18:00
(問)MOUNTALIVE 011-623-5555
05月12日(金) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
open 18:30 start 19:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
05月13日(土) 柏PALOOZA
open 17:30 start 18:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
05月25日(木) 京都磔磔
open18:30 start 19:00
(問)YUMEBANCHI 06-6341-3525
05月27日(土) 高松DIME
open 17:30 start 18:00
(問)DUKE高松 087-822-2520
06月02日(金) 仙台darwin
open 18:00 start 19:00
(問)ジーアイピー 022-222-999
06月03日(土) 盛岡CLUB CHANGE WAVE
open 17:30 start 18:00
(問)ジーアイピー 022-222-999
06月11日(日) 金沢AZ
open 17:00 start 17:30
(問)キョードー北陸チケットセンター(新潟) 025-245-5100
06月25日(日) 名古屋BOTTOM LINE
open 17:00 start 18:00
(問)JAILHOUSE 052-936-6041
07月02日(日) Zepp DiverCity TOKYO
open 17:00 start 18:00
(問)DISK GARAGE 050-5533-0888
▼チケット
¥4,000(tax in)ドリンク代別途必要
一般発売:
・02月25日(土)発売:神戸、福岡、大阪、広島、岡山
・03月18日(土)発売:札幌、埼玉、柏、京都、高松
・04月08日(土)発売:仙台、盛岡、金沢、名古屋、東京

◆女王蜂 オフィシャルサイト
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