【インタビュー】破天荒なライブも話題のジ・オーウェルズ、「ロックの人気を復活させたい」

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ジ・オーウェルズが、デビュー・アルバム『ディスグレイスランド』から約3年ぶりとなるニューアルバム『テリブル・ヒューマン・ビーイングス』を2月17日にリリースした。デビュー時には、“今最もスリリングなティーンズ・ガレージロック・バンド”と評された彼らの新作は、前作に続きアークティック・モンキーズ、カサビアンなど数多くのヒット・アルバムを手掛けてきたジム・アビスをプロデューサーに迎えている。バンドの成り立ちや、彼らの代名詞になっている破天荒なライブパフォーマンスのことも含め、ヴォーカルのマリオ・クオモが語ったインタビューが到着した。

◆アルバム『テリブル・ヒューマン・ビーイングス』ジャケット画像

  ◆  ◆  ◆

── 日本のインタビューを受けて下さって、ありがとうございます。お元気ですか?

マリオ・クオモ:元気だよ!

── メジャー・デビュー作『ディスグレイスランド』を発表した2014年に、<SUMMER SONIC'14>に出演しましたよね。日本で一番印象深かったことは何ですか?

マリオ:これはカルチャーショックだったんだけど、日本は俺が訪れた中で、一番クリーンな国だったよ。滞在中、一つもゴミを見かけなかったと思う。クレイジーだよ! 信じられないぐらい超清潔だった。

── (笑)アメリカと比べると本当に驚きますよね。ショウの他に、何か楽しいことをしましたか?

マリオ:俺は日本食が大好きなんだ。だから、寿司とラーメンを一杯食べた。あと、セブン・イレブンのコンビ二の寿司まで美味しくて驚いたね。こっちのセブン・イレブンじゃ寿司なんか絶対に買わないよ。具合悪くなるからね。

── ぜひまた来日公演を行なって欲しいですが、次回は日本で何をしたいですか?

マリオ:もっと色々な場所を観光したい。移動で新幹線に乗ったんだけど、富士山とか、車窓から見える景色が最高だった。日本は本当に、他のどんな場所とも違う特別な所だったよ。

── ジ・オーウェルズは、破天荒でクレイジーなショウをやることで知られていますが、昨年11月、ロサンゼルスのレジデントという会場でのライヴを観ました。始まった途端にモッシュピットが出現して、あなた達が放つエネルギーが本当に強烈でした。ライヴはあなた達にとって、どれぐらい重要なことですか?

マリオ:かなり重要だよ。多分、俺達は他のバンドよりも、ライヴを重要視してると思う。ステージ上に立っているだけで、毎晩同じようなショウをやるバンドも多いけど、俺達のショウは、もっとその瞬間に作ってる感じで、そんなに計画されてないんだ。でもレジデントのショウは、観客が大人しかったから、俺自身はそんなに楽しめなかった。

── あなたは昔から、破天荒でクレイジーなパフォーマンスをしていたんですか?

マリオ:バンドを始めた当初は、マイクスタンドを使ってて、ほとんど動いてなかった。それが自分にとって快適だったからね。でも1、2年プレイを続けた後で、クレイジーなパフォーマンスを快適にやれるようになったんだ。

── セカンド・アルバムとなる新作『テリブル・ヒューマンビーイングズ』について伺う前に、バックグラウンドを少し教えてください。あなたはこのバンドに最後に加入したメンバーだったそうですね?

マリオ:当時、バンドはフロントマンを探してたんだ。15歳の時かな、メンバーの一人と同じ授業に出てて、彼らの練習にこないかって誘われてさ。そこでカバー曲を歌ったら良かったみたいでさ。だけど俺は乗り気になれなくて、その後練習をすっぽかしたんだけどね。でも結局、金曜の夜の練習にやっと顔を出した。その時もカバー曲をやって、上手くいった。それで翌週の金曜日に、俺達は初めてオリジナル曲の作曲にトライしたんだよ。15歳がやるにしてはいいバンドだって思えたから、それからは毎週金曜日に練習を続けた。土曜日に練習する時もあったね。それを4年続けたんだ。

── アトランティック・レコードとの契約に至った経緯は?

マリオ:<サウス・バイ・サウス・ウェスト>で、当時所属してたインディー・レーベルのショーケースに出たんだ。それからマネージャーが、俺達のショウを見たがってるレーベルと連絡を取り始めて、シカゴでショウをすることになった。それまで俺達は、ロサンゼルスに移住するだろうって思ってた。レコード契約を獲得してロサンゼルスに行くって、定番のストーリーだからね。一番好きな街で、ずっと住みたいと思ってたから、ワクワクしてたんだ。でもシカゴまで観に来るからって言われて。地元の人がDIYスタイルで経営してるハコで、臭いキッズで一杯の会場に、レコード会社の偉い人達が来たんだよ。かなり変な空間だったけど、俺達はまあまあいいショウをやれた。結局いくつかオファーをもらって、ロサンゼルスに移住する意味がなくなったんだ。最初はがっかりしたけど、俺達のアルバムを出したいって言ってくれるレーベルがあったからいいやって思った。

── 新作『テリブル・ヒューマン・ビーイングズ』は、キャッチーでポップなメロディに、強烈かつクールなロック・サウンドが合わさった素晴らしいアルバムに仕上がりましたね。サウンド面では、前作『ディスグレイスランド』と比べてどんな違いがあると思いますか?

マリオ:前作は、プロデューサーが3人いたんだ。3人が一つの作品をまとめようとしてたから、一つのまとまったサウンドに仕上げるのが難しかった。でも、今回のプロデューサーは一人だけだったんだ。

── 前作も手がけたジム・アビスですね。

マリオ:ああ、彼は本当に、すごく優秀だと思う。俺達が一番気に入ったプロデューサーだった。彼が沢山アイディアを持っていて、俺達はそれをオープンに聞き入れて、その結果としてこういうアルバムになったんだ。俺はアイディアを共有して、曲を聴いた後で、より良くする提案をくれるプロデューサーが好きなんだ。だから俺達は、ジムのアイディアを真面目に聞いて、よりいい曲にしようとしたんだ。

◆インタビュー(2)へ
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