【インタビュー】スペインからメロディック・ロックの精鋭、カフェイン誕生

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13年間にわたってスペイン産メロディック・ハード・ロック・バンドAIRLESSに在籍し、5枚のアルバムをリリースしてきたシンガーのイナーキが、バンド脱退後、様々なプロジェクトで活動していたギタリストのデイヴィッドと楽曲制作やセッションを行い、2015年、2人は新たなメロディック・メタル・バンドを結成した。それがこのカフェインだ。

◆カフェイン映像&画像

影響を受けたヨーロピアン・メロディック系の音楽を主体に、様々なメタル要素を反映させ、パワフルでメロディアスなサウンドを標榜した。2月22日発売のデビューアルバム『サークル・オブ・タイム』は、ヘヴィなギターと力強いリズム・セクションがキャッチーなメロディを引き立たせてくれる。2016年の2月から7月にかけてマドリードにあるCronosoundでレコーディングが行われた当作は、バンドのギタリストのセルジオ・サルセドがプロデュースを担い、AIRLESS時代よりも張りと伸びを感じさせるイナーキの声を存分に引き出している。


──デビュー・アルバム『サークル・オブ・タイム』が完成しましたね。

イナーキ・ラズカーノ:ハッピーだしエキサイトしているよ。みんなのレスポンスが楽しみだ。スタジオでの作業はこれまでの経験があるのでスムーズに進行していった。プレッシャーのない環境での作業だったし、まさに求めていたサウンドになった。その仕上がりに満足しているし、バンドとして誇れるアルバムとなったと思う。

──カフェイン結成の経緯を教えてください。

イナーキ・ラズカーノ:ギターのデイヴィッドとオレがとあるプロジェクトで出会い、新しいクラシック・メロディック・メタル・バンドを立ち上げようというところからスタートしたんだ。2015年の後半だったよ。様々な情報や知り合いの紹介でいろいろなプレイヤーに会い、ライヴにも出掛けてはメンバーを探した。ジャムも沢山行った。プレイの才能よりも人として優れ、常識ある人を前提に人選したんだ。そしてミーティングを重ね、楽曲を創っていった。楽曲重視でメロディックだけど、アグレッシヴでひとつの枠に収まらない幅広い音楽性を目指しているんだ。

──イナーキはAIRLESSで活動していましたが、他のメンバーの活動歴は?


イナーキ・ラズカーノ:みんな様々な音楽の道を歩んできた。オレはAIRLESSのシンガーで13年間在籍し5枚のアルバムを発表してきた。デイヴィッド(G)はバンド・メインで活動してきているし、最後のバンドはBLACK ROSEだった。ギターのセルジオは自身のスタジオを所有し、サウンド・エンジニアとプロデューサーとしても活動してきたミュージシャンだ。ベースのアルベルトとドラムのルイスはバンド・メイトとしてプロジェクトやバンドで活動してきたふたりだから、グルーブは完璧(笑)。

──『サークル・オブ・タイム』はどんな作品になりましたか?

イナーキ・ラズカーノ:フレッシュで人を惹き付けるものがあると思う。ベストなものにするために努力を惜しまなかったし、その結果がこのアルバムそのものだよ。

──アルバムの中でオススメの曲を教えてください。


イナーキ・ラズカーノ:曲はオレたちの子供のようなものだから、10人の中からこれという曲に絞るのはタフだよ。最初に聴いて欲しいのはシングルにも決まった「Fragile」かな。とにかく全曲聴いて欲しいよ。

──楽曲はどのようにして生み出すのですか?

イナーキ・ラズカーノ:デイヴィッドとオレの2人で書いている。デイヴィッドがリフを作り、それにオレがメロディを付けて全体像を作る。それから2人でアレンジしながら仕上げていくんだ。このデビュー・アルバムでは事前にプリ・プロダクションを行って、それからスタジオでレコーディング・セッションに入ったんだけど、次回はバンドでジャムを行いながら作って欲しい売っていこうと思ってるよ。

──どんな音楽やバンドに影響を受けたのですか?

イナーキ・ラズカーノ:これと特定するのは難しいな。幅広くさまざまな音楽に影響されたからね。ロック系で言えばメロディック・ロック、ハード・ロック、AOR全般だね。中でもハーレム・スキャーレムは特に好きだよ。最近はメロディック・デス・メタル、メタルコア、プログレッシヴ・ロック、ソウル、ファンク、R&Bをよく聴く。最近のバンドでは、DGM、アヴェンジド・セヴンフォールド、BE THE WOLF、ザ・アゴニスト、JINJER、アルター・ブリッジ、コーン、ダーク・トランキュリティ、スリップノットがいいよ。

──あなたにとって重要な5枚のアルバムを挙げるとすれば?

イナーキ・ラズカーノ:6枚ピックアップするよ(笑)。
1.WHITESNAKE『1987』…80年代最高のロック・アルバム。カヴァーデイルとサイクスのマッチングがパーフェクトだよね。
2.QUEENSRYCHE『Operation Mindcrime』…言葉では表せない凄さがある。タイムレスなアルバムだよ。
3.DREAM THEATER『Images And Words』…QUEENSRYCHEと同様さ。初めて聴いたときは言葉を失ったよ。
4.HAREM SCAREM『Mood Swings』…大好きなバンド。ハリーの歌とピートのギターが最高。ハーモニーとメロディが完璧。
5.FATE『Scratch ‘n' Sniff』…マティアス・エクルンドのギターはこの世のものではないようなプレイを聴かせてくれるよね。ユニークなアルバムだし、大好き。
6.CIRCUS MAXIMUS『Nine』…オレにとって21世紀で最高のアルバムだ。

──では、日本のRock / Metalファンにメッセージをお願いします。

イナーキ・ラズカーノ:カフェインの音楽が日本でも発売されることを本当に感謝しているんだ。ひとりでも多くの人々にオレたちの音楽を聴いて欲しいと願っている。日本の音楽ファンはどこの国の人よりも耳が肥えているし、世界で一番音楽を愛している人が多いということを知っているよ。Best wishes from Spain! See you soon!


カフェイン『サークル・オブ・タイム』

2017年2月22日発売
BKMY-1043 2,222円(税抜価格)
※日本盤仕様CD(帯、プロフィール、インタビュー付)
1.Fragile
2.Fallen Angel
3.Take This Life
4.Isolated
5.Life In A Showcase
6.Save Me
7.Broken
8.No Escape
9.The Hate Within
10.Circle Of Time

Produced by Sergio Salcedo

Line-up
・Inaki Lazcano(Vo)ex ; Airless
・David Villarreal(G)
・Sergio Salcedo(G)
・Alberto Munoz(B)
・Luis Rodriguez(Dr)
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