「ねこふんじゃった」で話題のmiro、映像とのコラボ演奏でファン魅了

「ねこふんじゃった」のバラードアレンジが話題を呼び、注目を集めているピアニストmiroが、2月18日（土）に羽田のTIAT SKY HALLにて全国ツアー＜ミロワンTour2016 Dream ～キミと見る夢～＞を開催した。

◆miro画像

同公演は、昨年9月の東京公演を皮切りに全国8カ所を巡ったツアーの追加公演として実施。miroの愛猫みっちゃんの「夢の中」という空間コンセプトのもと、今年一発目のステージは、「ねこふんじゃった」のオルゴールBGMとともに幕開けした。

ステージ上部に設置されたスクリーンに映し出されたみっちゃんのイラストに対し「みっちゃん、眠くなったの？ 寝ていいよ。どんな夢見るのかな？ 皆さんも夢見る準備、OK？」と優しく語り掛けるmiroの声がホールに響くと、本人が静かにグランドピアノの前に登壇。椅子にゆっくりと腰を下ろし、さっそく得意の即興でメロディーを奏で始めると、スポットライトが照らされた。


「癒しの音楽」を届ける事をモットーに、ツイキャスといった生配信サイトや公演などを通じて音楽を発信し続けているmiro。この日も、即興演奏やカバー曲を次々に披露してみせた。彼のピアノの旋律は、その時々の感情も相まって、楽曲によっては高揚したり、温かい気持ちになったりと、音の“表情”を変えてみせ、観客を引き付ける。

中盤に差し掛かった場面では、話題になった「ねこふんじゃった」バラード篇の映像がスクリーンに投影。「わ～」という歓声や嬉し笑いが起こると、miroは猫耳のカチューシャを装着し、さらにファンを喜ばせる。そして「あの映像と共にピアノを弾くことを心待ちにしていたであろうファンへのプレゼント」という想いを込め、感動の話題作を生で聴かせた。

MCではユーモアに振舞って笑いを誘ったり、観客と合唱を楽しむなど、遊び心も散りばめた。公演後、miroに改めてあの場面を振り返ってもらうと「僕の音楽は、癒しのピアノがメインなので、寝ていただいても構わないんですけれど（笑）、楽しいコミュニケーションがあった方がいいですからね」と笑いながら明かしてくれた。


昼・夜の二回公演を行ない、夜公演には、ソロアコースティックギタリストのおさむらいさんをゲストに招いてセッション。二人は、大ヒット映画『君の名は。』の主題歌、RADWIMPSの「前前前世」や「なんでもないや」を息の合った掛け合いで展開。魅了されたファンからは大きな拍手が沸き起こっていた。

本編ラストが近づくと、miroは「追加公演は、みんながいてくれたからこそできた。去年、全国を回ることができたし、みんなと今年早々に会えて嬉しかったです。癒しを分かち合えたことが幸せでした」と感謝。続けて「僕には大きな夢があります。いろんなところにいって、リアルタイムに近い形で、いろんな人と僕の音楽の旅を分かち合いたい。みんなが支えです。宝物。今まで以上にコツコツ頑張っていくので応援よろしくお願いします」と呼びかけていた。

そして、最後のアンコールで披露したのは、書き下ろし楽曲「Dream」。ｍiroいわく「カバーの曲では締まらない。この曲で、夢がコンセプトのステージが完成」という渾身作で、“夢のひと時”を締めくくった。


この日はツアーの追加公演として催されたものの、これまでとセットリストを大幅にリニューアルし、新曲や映像をふんだんに盛り込んで臨んでいたとあって、miroにとっては「緊張と挑戦」のステージだったという。スクリーンに映し出されたイラストや映像といかに連動し、鍵盤上の指の動きや表情を捉えたカメラの映像でどう“魅せるか”、観客の五感をどのようにして刺激すれば楽しんでもらえるかにこだわっていたようだった。

「自分自身が癒されたくて。でも、弾くだけは面白くなかったから始めた」というネットへの動画投稿が、今では大きな話題性を生み、ファンを集めてコンサートを開くまでに至った。miroは「『ねこふんじゃった』の反響はすごかったです」と興奮交じりに振り返り、「僕の音楽を通じて、眠れたり、元気になってくれたりしてくれる人が増えれば嬉しいです。そのためにも、ぜひ僕の音楽を聴いてほしいです」と熱い想いも語っていた。


3月11日（土）に開催される2.5次元系コンセプトライブイベント『Blooming Episode.1 独白（モノローグ）』（東京・渋谷Duo）にも出演が決定しているmiro。同イベントでは、奏者のmiroをはじめ、歌い手たちが各々の感情に沿って歌ったり、人気絵師みっ君×えむめろによる映像コラボレーションによる演出が繰り広げられる。ここでは、彼のコンサートとは違う新たなmiroが見られるかもしれない。

文：伊藤緑