【インタビュー】the GazettE、『TRACES VOL.2』で語り倒すメンバー5人のバラード論

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■女のダークネスってやっぱいいなって思うんですよね。(RUKI)

──しかし、バラード論面白いね。じゃあ、例えば、男性アーティストが書くバラードの歌詞と、女性アーティストが書くバラードの歌詞の響き方の違いについてはどう思う?

RUKI:俺ね、自分が男なのに、男性アーティストの書くバラード曲ってあんまり好きじゃないんですよね。あくまでも個人の感覚なんですけど、女の人の書くバラードの歌詞の方が好き。だからか、自分が書くときも女目線が多かったりするんですよね。

麗:あ、それ分かるかも。女の人が男目線で書いたバラードの歌詞とかにすごく惹かれる。だから、男が女目線で歌うのが、すごく入りやすいんじゃないかな? って思ったりする。

▲『TRACES VOL.2』初回限定盤

──じゃぁ、メンバーはRUKIさんが書く恋愛の歌詞をどう分析するというか、どう受けとめてるの?

葵:俺はそのまま受けとめて、深入りしないかな。RUKIに聞いたりもしないし。“こう?”って聞いて、“違う”って言われるのが怖いから(笑)。

RUKI:あははは。可愛いな(笑)。でも、人の歌詞はすごく分析して聴くくせに、自分の歌詞はメンバーにはあんまり分析してほしくないかな(笑)。ちょっとね、恥ずかしい(笑)。

葵:てか、REITAが、歌詞が上がってくると、いっつも、“これって、あの話なの?”って、歌詞の答え合わせを隣でし始めるんだよね。

REITA:あははは。だって面白いじゃん(笑)。

葵:いやいやいや、まずは読めよと(笑)。すぐに、“あのこと? あのこと?”って(笑)。

RUKI:あははは。たしかに言うね(笑)。

REITA:めっちゃ可愛いじゃん(笑)。

──可愛いって(笑)。

REITA:自分で言ってみた(笑)。

葵:そういうことはラインとかでやってよ(笑)。

一同:(爆笑)。

──そういうとき、RUKIさんは歌詞の真意を教えてくれるの?

REITA:聞くと教えてくれる。

RUKI:えっと、これはね、ってね(笑)。

REITA:昔、そういえば、「OGRE」の歌詞が上がってきて見たとき、“これ、文字化けじゃね?”って言ったからね、俺(笑)。

一同:(爆笑)

RUKI:でも、俺の場合は、さっきも言ったけど、“愛しさ”を描くときも、“何がどう愛しいか”を周りから攻めるというか。

葵:詩的だもんね。

RUKI:そう。本当はそんな人間じゃないんだけどね(笑)。歌詞になるとやっぱり書けるのかな。

──だからやっぱり“バラードだからこそ書ける言葉”ってところに繋がってくるんじゃないの?

RUKI:そうかもね。詩的な人でいたいなって思いますけどね、普段から。

葵:作文的なのは個人的にあんまり好きじゃないけど、RUKIのはすごく詩的なのに感情がすごく生っぽいからいいなって思う。

──そう言われてみると、女性アーティストの書く歌詞の方が日常的というか、日記的なのかな? この前、平松愛理さんの「部屋とYシャツと私」の歌詞を分析してたんだけど、あれはかなり怖い。

葵:あれはめちゃめちゃ怖いよ。

戒:あれは怖い(笑)。

REITA:え!? そうなの!? すごい幸せな曲じゃなかったっけ?

麗:死んでんだっけ?

戒:違う違う違う(笑)。そういう怖さじゃなくて、好き過ぎて、その好き過ぎる表現が怖い(笑)。

REITA:あ、そうなんだ! そんな印象ないわ。

RUKI:ちょっと不協和音とかを入れたら、すごく印象変わるんだろうな。

──だから、話的に音色がすごく大事ってことにも繋がるよね。

RUKI:たしかに。それに、女のダークネスってやっぱいいなって思うんですよね。

──RUKIさんが女言葉を使うのは、つまりそのダークネスさを狙っているってことだもんね。そう思うと、女の怨念的な歌詞はthe GazettEに多く存在するからね。

RUKI:そう。その怨念がすごくいい。

麗:恨み節なんだよね。

RUKI:そう。恨み節なんだよ。聴いてて怖い。女の人の書くそういう歌詞って、悲しいが自然と出ちゃってるからね。

麗:そう。なんか、すごくクールに怨んでる感じが怖い。それもカッコイイしね。

葵:そんな恨まれるほど愛されてみたいね。

──またまたまた、いっぱい泣かしてきてるんじゃないの(笑)?

葵:いやいやいや、彼ら(他のメンバーを指し)に比べたら俺なんて(笑)。

REITA:生き霊とかついてたら怖いよね(笑)。

──あははは。演歌の世界って、まさにそうだよね。日本のブルースというか、バラードだと思うんだよね。

RUKI:たしかに。日本の歌謡曲はそうかも。リアルな泥沼をそのままリアルに描くんじゃなく、やっぱりちゃんと詩的に仕上げているのがすごいことで。みんなそういう経験して書いてるのかな? って思ったりしますからね、純粋に。

──RUKIさんが恋愛を描いていくときは?

RUKI:俺の場合はニュースだったり、事件だったりを第三者的に描くことが多い。

──なるほどね。たしかに、RUKIさんの歌詞は社会的であり、世論について思うことだったりを歌詞として描いていることが多いからね。15年続けてきて、ここに入りきらないほどのバラードを作ってきたわけだけど、この先、the GazettEとして、どんなバラードを生み出していきたいと思う? ロックバラードに向き合った時のように、この先、どんな新たなバラードが生まれていきそうかとか。

RUKI:どうかな? 今の時点ではそういう想いはないというか。作ろうと思ったときに、いろんな挑戦がそこに入っていくことになると思うけど、『DOGMA』にバラードを入れなかったのは、綺麗なバラードって何処にでもあるから、敢えてここに入れる必要ってなくない? ってことになったから入れなかったし。今回のベストの中にも入れたかったバラードは他にもいっぱいあったんだけど、そこはバランスを見て。2枚組とかにしちゃうと聴く方も疲れちゃうし、レコーディングが追いつかなくて来年になっちゃうからね(笑)。

▲『TRACES VOL.2』通常盤

──何故、この12曲だったの? って、いろんな取材で必ず聞かれていることでもあると思うけど、敢えて聞いてもいい?

RUKI:あんまりthe GazettEを聴いたことがない人も、“あ、聴いたことあるかも”っていう曲も入れたくて。そこを入れつつ、やっぱりコアな曲が多かったりするんですけどね。

麗:でも、ここ最近ライヴでやってない曲を敢えて選んでいるかも。「千鶴」とかも入れようかと思ったんだけど、そこはライヴで結構やってるから、今回はいいかってことで。ちゃんと今の音で再現出来てるって思えてるから。

RUKI:そのあたりは自己満足な話ではあるんだけどね(笑)。

麗:「体温」とかなんて、本当にずっとやっていなかったからね。

葵:まず、バラードばっかりを出してみて、その中から選んでいったんだけど、かなりの数があった中で、弄りがいのあるものだったり、いろんな要素を感じたものをピックアップした感じだったというか。

戒:曖昧な曲も多くあったからね。ミドルテンポの歌モノなのか、バラードなのかをまず種類分けして、その後、最近すぎる曲は再録する意味がないからというので、そのあたりは外し。

麗:「十七歳」とかも候補に上がってたけどね。

RUKI:上がってたね。この先、どんなバラードが生まれてくることになるかは、本当に未知だけど、自分たち的にも楽しみではあるかな。

──そこが広がると、さらにバンド自体のサウンド感も変化してくるだろうらから、そこは楽しみだな。3月10日のライヴはどんな感じになりそう?

葵:セットリストはもう決まったんだけど、まんべんなくいろいろと入ってるなっていう印象。でもね、全曲ヤバイ(笑)。

麗:昔のRUKIだったら、絶対にセットリストに入れてなかっただろうなって思うような曲も入ってたからね。そこは逆に驚いた。メンバーみんなが注目してるからね(笑)。

RUKI:それってあの曲のことでしょ? そうなの!? 注目されてるの!? 全然知らなかった(笑)! でも、たしかに、自分の中では、だいぶ封印してましたからね(笑)。この先、やることはあるまい! って思ってた曲ではあったからね。

葵:でも、そこを敢えてやろうって感じだったよね。だから、メンバー的は、“RUKIがいいならやるけど、いいんだね!?”っていう感覚だったもん。

──そんなに!?

RUKI:もうないでしょうね、この先こんなライヴは(笑)。

──“そこ”を敢えてやろうと思ったのはどうして?

RUKI:ライヴ自体が振り切ってるからね。

戒:それと、その曲がリクエストの上位に居たっていう。

──リクエストにかなり忠実だってこと?

戒:リクエストのほぼ上位でセットリストが組まれてる感じ。

RUKI:ほぼ組んでるね。とにかく、3月10日に関しては、ウチらがやりたい曲ってのは、無視したからね。

──すごい! すごくファン想い!

RUKI:でしょ! だから、これで楽しくなかったとか言うなよと(笑)。

戒:絶対楽しくなかったとは言わせない! って思うくらい忠実にリクエストに答えてるからね。

RUKI:ここまで応えてるんだから、楽しくなかったって言うなよと! 楽しまなかったら、さっき言ってた、メンバーに注目されてる“その曲”、真面目にやらない(笑)! 口笛にしちゃう!

一同:(爆笑)

戒:それはそれでいいなぁ(笑)。

──残念ながら3月10日のチケットはもう既にソールドアウトということなので、後日、ここでもレポートしていくので、楽しみにしてもらって。まだまだ15周年イヤーはここからなんで!

葵:そうですね、1年を通して頑張っていけたらと思いますね。

取材・文◎武市尚子


the GazettE BALLAD BEST ALBUM『TRACES VOL.2』

2017年3月8日(水)発売
・初回限定盤:品番 SRCL-9336 ¥3,611+TAX
全12曲収録/デジパック仕様/Bonus Track:M11「絲」、M12「体温」収録
・通常盤 品番 SRCL-9337 ¥3,056+TAX
全10曲収録

<収録曲>
M1「枯詩」
M2「Cassis」
M3「D.L.N」
M4「CALM ENVY」
M5「reila」
M6「UNTITLED」
M7「WITHOUT A TRACE」
M8「紅蓮」
M9「白き優鬱」
M10「PLEDGE」

※初回限定盤のみ収録
M11「絲」(ベストアルバム「大日本異端芸者的脳味噌逆回転絶叫音源集」収録)
M12「体温」(2ndアルバム「NIL」収録)

■「TRACES VOL.2」2017年3月10日(金)世界86カ国(地域)配信リリース

■the GazettE BALLAD BEST ALBUM「TRACES VOL.2」リリース記念衣装展

<開催店舗>
タワーレコード渋谷店 1階 特設展示スペース
<開催期間>
2017年3月7日(火)~2017年3月13日(月)
<お問い合わせ>
タワーレコード渋谷店 TEL : 03-3496-3661
※the GazettEが2016年4月~6月にかけ、北米・中南米・アジア・ヨーロッパ、世界10カ国15都市において開催したワールドツアー「the GazettE WORLD TOUR 16 DOGMATIC -TROIS-」におけるメンバー着用のライブ衣装を展示。


<十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」>

日程:2017年3月10日(金)
会場:国立代々木競技場第一体育館
開場 / 開演:17:30 / 18:30
※SOLD OUT※
▼HERESY LIMITED TOUR17 十五周年記念公演 大日本異端芸者「暴動区 愚鈍の桜」追加公演
<日程>
・4月12日(水) Zepp Tokyo
・4月14日(金) 仙台PIT
・4月20日(木) Zepp DiverCity(TOKYO)
・4月24日(月) Zepp Nagoya
・4月26日(水) Zepp Osaka Bayside


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