【インタビュー】ダイナスティ「初来日は素晴らしい気分だ」

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2009年にデビューを果たしたダイナスティは、同郷である北欧スウェーデン出身の数々のバンドと関わりが深く、勢力的にライブ活動を行ないながら2ndアルバム、3rdアルバムともにスウェーデンロックチャートで1位を獲得しているバンドだ。2000年以降は、1980年代リスペクトのバンドがいくつも北欧から輩出されているが、中でもダイナスティはクラシックな部分を持ち合わせながらモダンなメタルに進化を遂げ、急激に若い世代にも人気を得ているバンドとなっている。

◆ダイナスティ画像

数回のメンバーチェンジを経つつもコンスタントにアルバムをリリースし、地道なツアーでライブバンドとしての実力を確実に重ねてきており、ここ日本でも遂にそのステージを観る事ができた。前作『Renatus』と最新作『Titanic Mass』を中心に、ギタリスト2人のエッジの効いたリフワークでスタートした初来日公演は、ニルス・モリーンの熱くエネルギッシュな歌声とメンバー全員が長髪をなびかせる姿に、一気に引き込まれることとなった。

彼らの楽曲はメロディアスでキャッチーな上に、パワーメタル感全開である。パワフルなツーバス連打のイオルグ・ハルンステン・エッグのドラミング、ラヴ・マグヌソンとミカエル・ラヴィアの悶絶もののツインギター・ソロ、そしてベースのジョナサン・オルソンは若き頃のジョーイ・テンペスト(ヨーロッパ)のようなルックスにコーラス・ワークも際立っている。セバスチャン・バックのスキッド・ロウ風だった頃の初期曲も披露され、ミドルテンポな選曲の中盤にはドラム・ソロ、ギタリスト2人のギターソロ・コーナー、そして疾走曲の後半への流れ、フロント4人のフォーメーション、観客とのコール&レスポンスなど、ショーのパッケージとして非常に上手く出来上がっている。

観客にスクリームさせるみせ場の作り方も場数から学んだものだろう、もっと大きなステージでも映えるバンドだ。楽曲の素晴らしいバンドは多いが、ライブでの実力とともにここまで引きつける事ができるのは近年の若手ではナンバーワンではないだろうか。このパワフルなステージ前にシンガーであるニルス・モリーンとオリジナルメンバーであるギタリスト、ラヴ・マグヌソンがインタビューに応えてくれた。


──初来日はいかがでしたか?

ニルス:素晴らしい気分だよ。このバンドを始めた頃から日本に来る事を目標に持っていたから、それが実現したよ。

ラヴ:うん、夢が叶ったよ。ミッションコンプリートさ。

──以前、同じスウェーデンのザ・プードルズともツアーをしていましたね。

ニルス:2009年だったけど、ザ・プードルズとのツアーはダイナスティにとって色々な事が初めての経験だったよ。あんなに長いツアーで、ドイツやスペインを3週間、毎日ライブをやる事も初めてだった。ファンに会う事もね。

ラヴ:新しい事づくめで凄く良い勉強になった。最近の僕らはサバトンとツアーをしているよ。

──3rdアルバムから変化を感じましたが、4thアルバム『Renatus』で一気にメタリックなサウンドになりましたね。




ラヴ:自然の流れでそうなった。バンドを始めたのは10年近く前だし、年月とともに受ける新しい影響もあるからね。

ニルス:最初にやりたかった事と変わってきたけど、具体的にどう変わりたいとかアイディアはなかった。ただ、新曲を作るときに何か新しい事をやりたい気持ちは常にあったからね。

──最新作『Titanic Mass』にもありますが、外部ライターの曲はどのような経緯で?

ニルス:バンドの方から外部ライターに働きかけて曲を頼んだわけではないんだ。彼らは僕達の友人で、ハンマーフォールのポンタスやマッツ・レヴィンとかみんなストックホルムに住んでいてよく会うんだ。

ラヴ:彼らの方から「この曲、君たちに合いそうなんだけど使ってみない?」って感じで、実際良かったから使おうって事になった。

──バンドプロデュースはやりやすいですか?

ラヴ: うん、そう思う。ダイナスティはデモの時点ですでに完璧なんだ。僕らにとっては曲作り=プロデュースのようなものだから、デモができた時点でプロデュースも終わっていて、あとは本番でプレイするだけだよ。

ニルス:プロデューサーは入る余地がないよ。デモはバンドが作るわけだしバンドプロデュースがやりやすいよね。

──ニルスの歌声は、ロニー・ジェイムス・ディオを彷彿とさせますね。


ニルス:ロックシンガーでロニー・ジェイムス・ディオに影響されない奴はアホさ(笑)。完璧だし40年以上のキャリアで常に99.9%の力を発揮できていた人だ。テクニックはもちろん呼吸法も素晴らしい。ロニーだけではないけど、とても尊敬しているし当然彼の影響は出ているよね。

──他にはどんなシンガーに影響を受けましたか?

ニルス:たくさんいるけど、特に挙げるならデヴィッド・カヴァーデイル、ロブ・ハルフォード、ブルース・ディッキンソン、グレン・ヒューズだよ。

──ラヴのギターは、時折、同じスウェーデンのイングヴェイ・マルムスティーンのような部分もありますね?

ラヴ:ありがとう!大ファンだよ、大好きで相当影響されたからね。会った事もあるし、子供の頃から僕のアイドルなんだ。メインはレスポールだけど、もちろん自宅にはストラトキャスターもあるよ。

──アルバムに入っているキーボードはライブではどうするのですか?

ラヴ:レコーディングでは色々なメンバーが弾いているけど、ライブではとても手が足りないから(笑)、予め録音したものを使うよ。

ニルス:キーボーディストを連れて来ないのは、あくまでもエッセンス的なものだから。今の5人がベストなんだ。

──ライブ映像作品はリリースしないんですか?

ニルス:いつか出したいね。でも作るからにはこれだという機会がないとね。特に焦ってはいないよ。

ラヴ:適当に作るような事はしたくないから、頃合いを見てかな。

──今後の予定と日本のファンへメッセージを。

ニルス:この後、スウェーデンで3月にいくつかライブをやるよ。日本のみんな、たくさん応援してくれてありがとう。

ラヴ:9月にはアメリカの「Prog Power」フェスティバルに出て、その後まだ未定だけどもう少しツアーをやりたい。みんなライブにも来てくれて本当にありがとう、またすぐに戻って来たいよ。





取材・文:Sweeet Rock / Aki
写真:Masayuki Noda

<Dynazty Titanic Mass Tour Tokyo Showdown 2017 2017.2.15 Shibuya O-West>

1.Run Amok
2.The Northern End
3.Raise Your Hands
4.Roar of the Underdog
5.Free Man's Anthem
6.This Is My Life
7.Lights Out(In Candyland)
8.Bring the Thunder
~Drum solo~
9.The Beast Inside
10.Incarnation(Include Bass Solo)
11.Salvation
~Guitar Solo~
12.The Human Paradox
13.Titanic Mass
~Encore ~
14.Starlight
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