【レポート】焚吐、初東名阪ワンマン最終日に「200%の力で歌い切る」

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焚吐が3月5日、SHIBUYA WWWにて東名阪ツアー<リアルライブ・カプセル Vol.2>のファイナル公演を開催した。同ツアーは2月8日にリリースした初のフルアルバム『スケープゴート』を引っ提げて行われたもの。その最終日の模様をレポートしたい。

◆焚吐 画像

SHIBUYA WWWは焚吐がデビューするきっかけとなったオーディションが行われた、焚吐にとって思い出深い会場だ。

「今日はみんなを連れて行けるように僕が先陣を切って200%の力で歌い切るので、よろしくお願いします!」力強く歌い出し、会場を埋めたオーディエンス、またラインライブでの生中継を見ている人たちを、焚吐はひときわ力の入った歌で魅了した。

今年2月に二十歳になったばかりの焚吐にとって『スケープゴート』は、「10代最初にして最後のアルバム。10代の集大成、今できることを全てやった」作品であることをMCにて胸を張って語っていた。ということは、二十歳になった焚吐の第一声を響かせるツアーが、<リアルライブ・カプセル Vol.2>だったのだ。そんな新たなフェイズに立つ意欲も、この日のライブからは感じられた。


幕開けは、アルバムのオープニングナンバーでもある「ハイパールーキー」。4人編成のバンドと息のあった演奏も小気味よく、新世代宣言とも言えるノリのいい曲に、「東京!」と地名もアドリブで歌いこんで、待ちかねたオーディエンスの気持ちを一気に掴む。畳み掛けるようにアッパーチューンを3曲ほど続けたところでMCへ。

「初のアルバムを出して初のワンマンツアー。初めてづくしで戸惑うこともあるので、気負うことなく自由に楽しんでいけたら」と空気をほぐす。その後、TVアニメ『名探偵コナン』エンディングテーマに起用された「ふたりの秒針」に。同曲で焚吐の存在を知った人も多いようで、一緒にコーラスするなどリラックスしたムードに場内が包まれた。

中盤では、“友達が少なかった中学時代に、卒業アルバムの寄せ書きを自分で書いて、かさ増しした”話で笑わせ、“卒業についての歌”と紹介して「彼方の明日」を弾き語り。シンプルなギターと歌は、寂しげであると同時に、彼の芯の強さを感じさせる。続いて、アコースティックセットの準備をしたバンドメンバーについて、くだけた話をしながら紹介して「ごった煮シティ」を演奏。同曲は焚吐のホームタウンである池袋のタワーレコード限定特典として『スケープゴート』に付録したナンバーだ。弾き語りで収録されたナンバーだが、今回はバンドによるアコースティックセットで披露。「全然違う風に聴こえるのが、“音楽は不思議だな”と思うところです」と率直な感想を漏らした。


SHIBUYA WWWでオーディションを受けた時、“一緒に待っている人たちにお菓子を配って迷惑がられた”話や、中学2年で某有名アーティストのオープニングアクトを務めた時、“大胆にも楽屋でゲームをやっていた”話で笑いを誘い、「ここから治安が悪くなるので、ついてきてください」と後半戦へ。

アグレッシヴな「てっぺん底辺」、オーディエンスとの掛け合いで盛り上がった「グリンプス・グランパ」、そして「皆さんへの感謝の気持ちを精一杯詰め込んだ楽曲」と紹介した「君がいいんです」ではオーディエンスが腕やタオルを振り上げて、熱演に応えた。

「2015年にデビューして1年あまり。本当にたくさんの出会いと、それと同じぐらいの発見がありました。どれも鮮烈すぎて昨日のことのように思い返せます。ここにいる皆さん、そして僕の音楽をきてくださる皆さんと出会えたことが、その最たるものだと確信しています」──焚吐

本編最後は、その“出会いの始まり”であるデビュー曲「オールカテゴライズ」だ。印象的なイントロのギターが響くと手拍子が起こり、一緒に歌う声があちこちから聴こえてきた。長めの前髪越しに焚吐は感無量といった風情で左右に視線を動かし、ひとつになったオーディエンスを見回しているようだった。


途切れないアンコールの声に応えて再びバンドと共に姿を見せた焚吐は、「『スケープゴート』の中でも特別な曲」と「夢負い人」を歌った。自分へのエールとも思える同曲に続けて、「小学6年ぐらいに書いた曲であり、過去の自分を、今の自分を、未来の自分を、誇って一生懸命歌いたいと思います」と「ティティループ」を熱唱。明るくなった場内に“僕から君へ 君から僕へ”と繰り返すコーラスが響き、手拍子が重なった。

「ありがとうございました。またお会いしましょう。焚吐でした」。歌い終わり、こう挨拶をすると深く頭を下げ、笑顔で手を振りながらステージを降りた焚吐。確かな手応えと自信を得た初ワンマン・ツアーは、彼の20代を美しくスタートさせたようだ。

取材・文◎今井智子

◆初東名阪ツアー<リアルライブ・カプセル vol.2>
2017年3月5日@SHIBUYA WWWセットリスト

01. ハイパールーキー
02. 僕は君のアジテーターじゃない
03. 子捨て山
04. クライマックス
05. ポテンシャルオセロ
06. ふたりの秒針
07. 黒いキャンバス
08. 人生は名状し難い
09. 彼方の明日(弾き語り)
10. ごった煮シティ(アンプラグド)
11. てっぺん底辺
12. グリンプス・グランパ
13. 青い疾走
14. 君がいいんです
15. オールカテゴライズ
encore
16. 夢負い人
17. ティティループ

◆アーカイブ放送『リアルライブ・カプセル@渋谷WWW 生中継ライブ』

配信期間:2017年3月6日(月) 20:00〜3月8日(水) 20:00
「LINE LIVE」視聴方法
・iOS(iPhone) https://lin.ee/goCPbh2/dtzb/h/0518
・Android https://lin.ee/4C8u0Ln/dtzb/h/0518
ダウンロード後に焚吐で検索し「リアル・ライブカプセル@渋谷WWW 生中継」で視聴可能

◆焚吐 オフィシャルサイト
◆焚吐 オフィシャルTwitter
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