【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第1回ゲスト:Ken [L'Arc-en-Ciel]

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■「セッションやってるっていうから、来たよ」って
■Kenさんがわりといい感じにベロベロで(笑)──ASH DA HERO

──Ken主宰イベントツアー<PARTY ZOO 2016 〜Ken Entwines Naughty stars〜>へのASH DA HERO参加も、そのときに決まったんでしょうか?

Ken:<BEAST PARTY>のときには<PARTY ZOO>開催に向けて走り始めていたんだけど、ツアー自体はまだ始まっていなかったんだよね。<PARTY ZOO>のセッションでは、自分より年下の世代がつながって、刺激を受けたり主観で話し合いながら和気あいあいとなったら、それを観ている俺自身が、音楽をすごく楽しめるかなと思っていて。今、思えばだけど、ASHにどんな友だち付き合いがあるか知らないから、<PARTY ZOO>へ出ることでASHも面白いことになったらいいなって。

──<BEAST PARTY>当日は、ASH DA HEROのアコースティックライヴと、KenさんとVAMPSのリハーサルが時間的に重なっていたので、物理的にKenさんはASHのステージを観ることができなかったわけですけど。2人の会話のなかでピンとくるものがあったということですよね。

Ken:ホントにそうなんだよね。

ASH:それが僕には嬉しくて。“Talking Blues”がこの対談連載のタイトルなんですけど、僕の持論のひとつとして“会話もライヴだ”っていうのがあるんです。ミュージシャン同士の会話には、その人の音楽観とかヴァイブスが表れる。世代も肌の色も言語も関係なく、それを共有したり交換し合えると思っているんです。<BEAST PARTY>でKenさんと初めてお話させていただいて、おこがましいですけど、改めてそれをリアルに感じたので。<PARTY ZOO>にお誘いいただいたときは、「ぜひ歌わせてください!」って何も考えずに即答しちゃいました(笑)。

Ken:当然、メロディとかアレンジとかが良ければそれに越したことはないんだけど。ASHの言葉を借りれば、個人が発する“ヴァイブス”なのか、それに共鳴する“ヴァイブス”なのか、そういうものがよりあったほうが絶対に伝わる気がするんだよね。そのヴァイブスは、その人本来が持っている性質で、これは主観の話だけど、それがあるっていうことがもの凄く重要になってくるんじゃないかな。曲がいい、アレンジがいいっていうのも重要、ヴァイブスも重要。そういう人のライヴを観るとやっぱり感動するからさ。だから、ASHの今の意見には賛成だよね。

▲Ken主宰イベントツアー<PARTY ZOO ~Ken Entwines Naughty stars~>2016年10月2日@Zepp DiverCity Tokyo

ASH:<BEAST PARTY>では、“トーク”でKenさんとジャムらせていただいて、ヴァイブスを共有できたと思うんです。それが切っ掛けで<PARTY ZOO>に出演させていただけることになった。その本番当日はリハーサルがほとんどない状態だったから、本当の意味で音のセッションだったんですよ。

──2016年10月2日のZepp DiverCity Tokyo公演では、ASH DA HEROと逹瑯のツインヴォーカル、KenさんとDuranのツインギター、AKi(B)とNao(Dr)のリズム隊からなるKen with Naughty starsが、L'Arc-en-Cielの「浸食-lose control-」を披露しましたね。

ASH:この対談を通してユーザーのみなさんに知ってもらいたいのが、あのステージ上でミュージシャンたちは言葉なき会話を楽しんでいたということで。ドラマーが鳴らすスネア一発、ギタリストの鳴らすコード一発から、僕には声が聞こえてくる。それこそがセッションで。本当にいいステージになったなと思えたんです。

──ミュージシャン同士が音で共鳴したわけですね。

ASH:だからこそ、楽屋裏が「イェー!」っていう雰囲気になってたり、「ASH、今日すごく良かったぜ」って言ってくれたり。本番前は、色眼鏡を掛けていたわけではないんですけど、ジャンルや畑が違う僕がステージをどれだけかき回すことが出来るか、どれだけギャフンと言わせられるかっていう意気込みでいたんですよ、ポジティヴな意味で。

Ken:うんうん。それでいいんだよ。

ASH:ステージが終わったら、みんなが共鳴してくれて、AKiさんとかA9のヒロトさんが、「ASHはこのあとの<MIDNIGHT PARTY ZOO>には来ないの?」って(笑)。

Ken:だいたいみんな、そういうラフな誘い方(笑)。

▲ASH DA HERO on <MIDNIGHT PARTY ZOO>2016年11月28日/2017年2月23日@新宿LOFT

──10月2日のZepp DiverCity Tokyo公演終了直後、新宿ロフトで行われた公開打ち上げセッション&DJパーティですね。

Ken:<PARTY ZOO>自体にもセッションコーナーはあったんだけど、<MIDNIGHT PARTY ZOO>のほうが、もっとそんな感じ。“今、パッとステージで1曲やってきてよ”っていうくらいのノリでね。俺は、そういう感じでセッション出来るミュージシャンが好きなんだよね。たとえば、打ち上げで飲んでワーッって騒いでいるっていうのも、それはそれでOKだけど、そこに楽器があったら、“演ろうぜ!”っていう遊びもありかなって。“打ち上げ”兼“度胸試し”じゃないけど、『笑点』みたいな感じだよね。お題が出たら“はい!はい!”って根性で音楽にする、みたいな。

ASH:ロック大喜利ですね。

Ken:そうそう。それがバキーンと出来たら、より伝わるヴァイブスを生み出せるんじゃないかなって。もともとひとりのエネルギーでなにかできる。これをパワーアップするためにテクノロジーがあるっていう順番。その再確認なんだよね。

ASH:まったく同意見です。僕もそういう遊びのなかからプロを目指したので。名古屋のジャマイカン・バーで、全然知らないアフリカ人たちが酔っ払いながらリズムを奏でているなかにパッと入って、“♪When the night has come〜”って歌うみたいな。

Ken:ははははは! 俺はあんまりそういう文化を通ってないのね。そういうものへの渇望もあったと思う。

──Kenさん自身が臨機応変なセッションが出来る場を求めていた?

Ken:心のなかでは、そういうものが重要な気がしているんだけど、なかなか機会がないんだよね。そういう人達が集まったらなにか出来るんじゃないかなと思ってやってみたら、すごく面白い。そこにはエネルギーしかないんだよ。

ASH:そういう流れのなかで開催したのが、僕のデビュー1周年記念ライヴ<ASH DA HERO 1st Anniversary Live BABIES NIGHT 2016>のアフターパーティ<BABIES NIGHT 2016 〜After Party〜>で。これは<MIDNIGHT PARTY ZOO>にヒントを得たものだったんです。本編ライヴ直後に別会場でJu-kenさんやDuranを迎えてセッションしたり、狂犬さんにDJしてもらったり。でね、その当日、午前3時くらいに突然Kenさんが現れたんですよ。これは今も、どこにも情報が出ていないんですけど(笑)。

▲ASH DA HERO<BABIES NIGHT 2016 〜After Party〜>2016年12月9日@渋谷・GARRET udagawa

──えっ!? あのアフターパーティーには、そんなサプライズがあったんですか?

Ken:近所で飲んでたの。

ASH:わりといい感じにベロベロで、「ASHがセッションやってるっていうから、来たよ」って(笑)。

Ken:俺としては<MIDNIGHT PARTY ZOO>でいっぱい歌ってもらったし、お返しじゃないけど、“俺も出よう”っていう気分で行ったんだ。

──そこではどんなセッションを?

Ken:ステージ上で狂犬くんが皿を回してるっていうから、Duranにギター使っていい?って聞いて、DJの狂犬くんに「なんか爆音で鳴らしてよ、それに合わせて弾くから」って言ったんだよね。だけど「これから弾くから、音を小さくして」って聞こえてたみたいで、DJの音が段々下がっていく(笑)。俺はトラックに合わせて、弾くつもりだったんだけど、それがどんどん聴こえなくなっていくから、スピーカーへ徐々に耳を近づけていきながらギターを弾くっていうカオスな状況のなか(笑)、ASHが出てきてセッションが始まったの。

ASH:Ju-kenさんとかとNIRVANAの「Smells Like Teen Spirit」をやったんです。

Ken:一瞬爆発したよね。さっきで言うヴァイブスが共鳴した感じ。最初はみんな、コードもうろ覚えだから探り探りだったんだけど、途中でドン!といった。そのドン!は音楽でしか感じられない気持ちいいところで。

ASH:なににも代えがたいエクスタシーです。

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