【インタビュー】新田恵海「未来へ進む力を歌に乗せて」

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新田恵海の新作「ROCKET HEART」が4月19日(水)に発売となる。前作から1年2ヶ月ぶりとなる5thシングルだ。

◆新田恵海画像

2016年は、パシフィコ横浜・国立大ホールと神戸国際ホールを舞台にワンマンライブも実施し、アジア圏を中心に海外でもライブ経験を重ねてきた新田恵海だが、ここでは「おいで おいで」とオーディエンスに直接呼びかけ、ファンたちと一緒に未来へ進もうと先頭に立って呼びかけている姿が描かれている。「未来へ進む力を乗せた歌にしたい」という彼女の思いを乗せた作品だ。


――「ROCKET HEART」は、とてもポジティブな想いを満載した歌ですね。

新田恵海:この1年間、とくに昨年はいろんなところでライブを行う機会をいただけました。パシフィコ横浜や神戸国際ホールでのワンマンコンサートもありましたし、海外のイベントもありました。そうやってファンのみんなと一緒に作ってきた絆やもらったパワーを何かの形にしたくて、作曲を担当した菊田大介(Elements Garden)さんや作詞を担当してくださった畑亜貴さんへ「応援してくれるみんなとのアンセム(応援歌)のような曲にしたい」「一緒に歌える箇所が欲しい」「未来へ進む力を乗せた歌にしたい」とお伝えしたところ、みんなと一緒に歌える楽曲を作ってくださいました。歌の中でも「おいで おいで」とみんなを呼びかけていますからね。

――自らファンたちを引っ張っていく気持ちになったのは、ライブ経験を重ねたことの影響でしょうか。

新田恵海:中でもパシフィコ横浜と神戸国際ホールで行った2本のワンマンライブの影響は、私の中ではとても大きかった。海外でも改めて歌のパワーを感じることができましたね。「いつも元気な姿や歌にパワーをもらってます」「もっともっといろんな歌を聞きたいです」と日本語で話しかけてくださって、言葉や文化の異なる環境の中でさえ、私は本当にたくさんの人たちに支えられてるんだなぁと感じる経験もできた。

――歌に国境はありませんからね。

新田恵海:言葉や国境を超えて人の心を動かしていくことを本当に強く実感しました。それを感じ続けた日々だったからこそ、みんなへ「ありがとう」を返したかったんです。「とにかく明るくて、楽しくてしょうがないんだ」という想いが「ROCKET HEART」にいっぱい充填されています。

――「ROCKET HEART」は、明るく弾けていますよね。

新田恵海:支えてくれるたくさんのファンにむけて、感謝の想いをエネルギーに変えて届けてこそ私らしい気持ちの返し方と思っているんですけど、それ以上のものをみんなが返してくれる。だから私も、もっともっと大きなエネルギーに変えて返そうとしてゆく。その終わらないラリーを続けていけるのが凄く嬉しくて幸せなことなんです。「ROCKET HEART」というタイトルもすごく好きなんです。ロケットは、大気圏を突破して宇宙にまで飛んでいくように、もの凄くエネルギーを積んでいる物体でしょう?「ROCKET HEART」も、もの凄いエネルギーを持って勢い良く前へ飛び出していく心の推進力を持った歌なんです。中でも、サビ頭の「おいで おいで!」の言葉には、私の中にある「みんなと一緒に楽しいことがしたい」という想いが詰め込まれています。楽曲全体にもの凄くエネルギーを積んでいるんですけど、歌詞では「スリーツーワン!」でカウントダウンが止まっているように、ゼロの瞬間をこの歌ではまだ迎えてないんですね。ここから何処へどう飛び立ってゆくのかは、私と応援してくださるみなさんと一緒にこれから作っていこうと思っています。

――「ROCKET HEART」のMVにも、笑顔で弾けている恵海さんの姿が投影されています。

新田恵海:今回、初めてえみつんバンドのみんなと一緒に撮影をしました。ライブと同じように明るく弾けた空気を出せているのは、これまで一緒に同じ景色を見て同じ思いを感じてきた仲間だからこそなんだと思います。

――新田さんの歌はどれも、気持ちを未来へ連れていく力を持っていますよね。

新田恵海:今の私はそうです。誰だって、どうしようもない時ってあると思います。そういう時、一緒に泣く音楽だって大事だし、実際にそういう曲も世の中にはあります。でも、今の私はそこへ寄り添うよりも、悲しみを抜け頑張りたいという気持ちが少しでも芽生えたとき、その想いへ手を差し伸べ「一緒に歩こう」と言えるそんな応援歌でありたいんですね。

――カップリング含め、すべて3曲とも応援歌ですもんね。

新田恵海:「ROCKET HEART」「Shine」「暁(2017 rearrenge ver.)」はどれも曲調や歌詞のテイストは違いますけど、ポジティブな歌ばかりです。私自身、挫折を味わった経験もあれば、悔しかったことや悲しかったこと、後悔もたくさんしてきましたけど、でも前を向いて生きていたいなと今も強く思っているんです。前へ進みたい、明日へ向かって立ち上がりたいと思っている人たちの元にこの作品が届いたとき、その人の背中をちょっとでも押せたら…「自分も一緒に頑張ろう」と思ってもらえる、そんな想いをこの3曲に記しています。

――「暁(2017 rearrenge ver.)」も「必ず新しい朝は来る」と最後に前を向いていますけど、流されたり自信がなくて消えてしまいそうだった頃もあったりなど、恵海さんの心の内側も赤裸々に描かれていますね。

新田恵海:「暁(2017 rearrenge ver.)」は、3曲の中でも実際の私に一番近い歌です。夜明け前の「暁」にひとりで考え事をしていると、すごく不安になっていくんですよね。当たり前のように明日は来るんですけど、「この不安は、夜が明けることなくずっと続くんじゃないか」と思うことって、誰にもあるんじゃないかと思います。この曲は、「自分が新しい明日をどうやって歩いていこうか」と考え込んでいたときに生まれた歌で、実は「暁」というタイトルの歌は、私の中では2曲目になるんです。最初の「暁」は私が高校生の頃に作った歌で、「明日は来るけど、今の自分はどうやって明日を迎えて良いのかわからない」「毎晩どうしてこんなに不安に駆られるんだろう」「夜が明ければ気持ちも明るくはなるけど、夜になるとまた同じ気持ちを繰り返してしまう」「こういう気持ちを繰り返してゆく日々なのかなぁ」など、「自分は何になりたいのか」「自分は何をしたいのか」がわからず、当時感じていた悩みを日記のように歌にぶつけていた頃で、「暁」もそんな中から産まれた曲なんです。でも、ふたたび「暁」というタイトルの曲を書こうとしたのも、自分の中で「明日が来る意味」が変わったからだと思います。

――明日が来る意味が変わった?

新田恵海:新しい日を迎えるということは、新しい自分になるということでもある。大きな変化はないかもしれないけど、昨日までの経験を積み重ねた、新しい自分。そう思えるようになったからこそ、前向きな気持ちで夜明けを迎えられるようになった。この「暁(2017 rearrenge ver.)」は、ぜひヘッドホンをしながらじっくり聴いてほしいです。そして、歌詞に込めた想いをいろいろ深読みしてもらえたら嬉しいな。

――「Shine」も力強くポジティブな曲ですね。

新田恵海:「ROCKET HEART」とは違った視点でのエネルギーを詰め込みました。思い立ったら吉日じゃないですけど「やろう」と思った瞬間のエネルギーを詰め込んだ楽曲です。しかも「Shine」の歌詞の根底には、「暁」と変わらぬ気持ちも投影しています。そこも深読みしていただけたら嬉しいですね。「Shine」の歌詞で一番のキーワードになっているのが「ひとりの夢が誰かの夢へと」の部分で、最初は私ひとりだけの夢だったのが、いつしか応援してくれるみんなも一緒になって同じ夢を見てくれている。夢って、そうやって大きく成長していくものだから。

――いろんな苦難を乗り越えた経験が、より説得力を持たせているようですね。

新田恵海:収録したどの曲も底抜けに明るいわけじゃないからこそ、ポジティブに歌っていけるのかも。私の歌の歌詞って、どれもネガティブな感情を記しながらも結果ポジティブに、何より光を求めようとしていく傾向があるんです。陽の光や輝くことなど、いろんな光へ想いを重ねあわせることが多いように…それが私なんでしょうね。

――常に光や未来を追い求めているから?

新田恵海:そうだと思います。影を感じる時でも自然と光の方向へ導かれる。そこを目指さずに夢を見ずにはいられないんです。

――恵海さんの歌は、着飾ってない想いを素直に届けてくれるので、想いを身近に感じられますね。

新田恵海:そう感じてくれたのは本当に嬉しいです。私の歌にはカッコつけた言葉も着飾った表現もないけど、それがみんなの気持ちに寄り添う歌であれたらそんな嬉しいことはないです。とくに今回のシングルは、本当にありのままの新田恵海自身を映し出した作品になっているので。

――僕らを引っ張ってゆく新田さんの背中が、逞しく見えてきました。

新田恵海:誰だっていろんなものを背負って生きていますけど、でも重い荷物は必ずしも苦痛なものではないんです。一緒にその荷物を背負ってくれる人や、傍にいて「一緒に頑張ろう」と言ってくれる人、そういう支えがエネルギーに変わるからこそ、私はそういう元気を届けたい。もちろん、時には荷物を降ろし「暁」のように自分を見つめ直すことがあってもいいと思う。そしてまたエネルギーを充填し、「ROCKET HEART」や『Shine』のような気持ちになって荷物を背負いながら未来へ歩いていけたら、それがベストなんじゃないかなって思います。

TEXT:長澤智典
編集:BARKS編集部



新田恵海「ROCKET HEART」

2017年4月19日発売
[通常盤] EMTN-10014 1,300円+税
[生産限定盤]EMTN-10015 1,900円+税
1.ROCKET HEART
2.Shine
3.暁(2017 rearrange ver.)
4.ROCKET HEART -Instrumental-
[DVD](生産限定盤のみ)ROCKET HEART Music Clip
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