【ライブレポート】3月9日=SuGの日に初代Dr・MITSURUが登場。奇跡の“6人SuG”の夜

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「今日3月9日から本当の意味での挑戦が始まります。9月2日、日本武道館。本日夜からチケット発売します」

ステージの上から万感の想いを伝える武瑠(Vo)の言葉に、2年前にここで見た景色が重なり、胸が熱くなった。毎年3月9日を“SuGの日”としてFC限定のスペシャルライブを開催している彼ら。それは2年前の同日、慢性扁桃炎で療養中だった武瑠(Vo)がアンコールのとき、サプライズでステージに現れたときのことだ。男泣きしながら「SuG復活のときに、日本武道館でライブがやりたいと思いました。でも、いまのSuGじゃあ無理でした。みんなと一緒で、俺たちは弱くて完璧じゃないし、すぐに立ち止まるし壁にもぶち当たる。でもこんなSuGが夢叶えたら、もっともっとみんなに勇気を与えられると思ってます。いつか一緒に武道館やりましょう!」と言い放ったのだ。あのときまだ夢でしかなかった武道館を、みんなで本気で掴みに行くときがついにやってきた。そのスタートをきった夜だった。

◆SuG ライブ写真

今年2017年、東京・恵比寿LIQUIDROOMで開催したSuGの日は<3/9 SuGの日 FROM PSC>と題して、インディーズ時代から活休前までのSuGにスポットを当てたライブを開催した。10周年というアニバーサリーイヤーを迎えて、それに伴ったベストアルバム『MIXTAPE』をリリースし、3月11日からはそのベスト盤を提げた全国ツアー<39 LIVE ADDICT chapter1 THE BEST TOUR>もスタートさせて日本武道館へと向かっていく彼にとって、この日はいわばそのゼロ地点となる場所。

このゼロ地点で、自分たち自身もきっちり“原点回帰”させたところからスタートをきろうという意味も込めてなのか、ライブはいまから7年前、彼らがメジャーデビューを飾ったシングル「gr8 story」で幕を開けた。照明がともったステージにはその当時着ていた真っ白い衣装を着て、光り輝くキラキラのSuGがいた。たちまちフロアは歓喜の渦に包まれる。そこに懐かしの「キャンディ★ロウポップ」が投入されると、場内から悲鳴が上がる。masato(G)が奏でる爽快なギターソロが印象的なこの曲では、フロント4人がステップを踏みながら左右に移動するという当時やっていたパフォーマンスをそのまま披露。こうして、懐かしいナンバーたちにもう一度命を吹き込んでいく。


「こんばんは。SuG改め、驚きの白さのSuGです(笑)」とコミカルに挨拶をした武瑠は、そこから早速衣装の話へと話題を展開。久々にこの衣装を着てみたら「ダサい…」と全員が痛感したことを伝えると、フロアから「そんなことない」、「カッコいいよ」という声が上がる。体型が変化したyuji(G)に至っては「衣装がパンパンやで?」とChiyu(Ba)の鋭い指摘が入る。それを聞いて半分開き直ったような態度で、yujiは「これが7年だ」といいながら、サイズがギリギリになったお尻を突き出して見せ、場内の笑いを誘った。

「もっと古い曲もガンガン飛び出すから」と武瑠がいって次のブロックは懐かしいナンバーを続けて披露。SuGの中でもV系メロを踏襲した「Alterna.」、武瑠のホイッスルに悲鳴が上がりフロアが左右にモッシュしていった「俺式Continue」、Chiyuのベースソロから、ビートに合わせてステージの真ん中でyujiがダンスを披露して見せた「P!NK masquerade.」。ここでは、音楽的スタイルにとらわれないSuGは、昔もいまも変わってないことを証明。

再び始まったMCで「この衣装が唯一イケてるメンバー」と武瑠にいわれたmasato。彼が、この衣装を綺麗な状態のまま家で保管していたこともここでは伝えられた。「“こんなに大きいのか〜”ってChiyuの衣装、隠れて着たりしてたんじゃない?」と武瑠がいいだすと、すぐにmasatoに向かって「変にドキドキしてんちゃうぞ!」とChiyuがいい放ち「ゴメンね。やってないけど」となぜかmasatoが謝り、妄想だけでファンを悶絶させていった。

場内が落ち着いたところで、武瑠は発売したばかりのベストアルバム『MIXTAPE』についても触れた。SuGの10年も収録された曲たちも失敗と挑戦の繰り返しだと話し「あの曲の失敗があったからこの曲があるという風に、先輩と後輩になってる曲があって。次やる曲は「桜雨」の先輩」という説明を加えた上で、儚くメランコリックなバラード「四季彩」、続けて明るい光に包まれた「キラキラ」を届け、SuGの楽曲一つひとつに過去からいまへとつながる道程(ストーリー)があることをファンに見せていった。観客たちがノスタルジーな感情に浸っているのを感じとって「やってるといろいろ思い出すんだけど、みんなもそうでしょ?」と武瑠が話しかける。すると、SuGに後から合流したshinpeiからは「四季彩」をプレイするのは「メンバーと初めてスタジオで音合わせしたときに演って。それぶりだから、初めてライブで演奏できて感慨深いよ」と驚きのエピソードが伝えられ、みんなをびっくりさせた。


「後半戦は激しい曲いくよー! WELCOME TO mad$hip」という武瑠の号令から後半は「mad$hip」から畳み掛けていく。モッシュしながら大声でメンバーの名前を呼んだ「CALL NUMBER」、メンバーとフロアが掛け声で会場一体となって盛り上がっていった「heavy+erecto+dance+punk」を繰り出すと、場内の温度は猛烈なスピードで急上昇。一体感がどんどん高まる中「LOVE SCREAM PARTY」で本編はフィニッシュ。

“アンコール”の声に呼ばれ、再び舞台に登場した彼らは、何も喋らず、PSC時代の最後を締めくくったおしゃれなファンクチューン「sweeToxic」を、いまのSuGとしてこの日一番カッコよくクールにアクトしてみせた。そして、武瑠が原稿の冒頭に書いた武道館への熱い想いを語った後、突然shinpeiが「腕が…腕が…」と騒ぎ出し、腕の痛みを訴えていきなり舞台から退場。「FROM PSC、もう一人ドラマーがいませんか? 呼んでみましょう」という武瑠の合図で「MITSURU!」と呼ぶと、まさかの本人登場にフロアは狂乱状態に陥る。shinpeiの前にメンバー在籍していたドラマー・MITSURUが7年10ヶ月ぶりにSuGとしてステージへと現れたのだ。

「じゃあこの5人でやったFROM PSC初の曲」と武瑠の曲紹介から「scheat」、MITSURUが脱退して以降は演奏することがなかった「プライマル」が始まると、中には感動して号泣するファンも。masatoが間奏のギターソロに突入した後、MITSURUのドラム台の周りにyuji、Chiyu、武瑠が自然と集まっていって、さらに観客を感動させた。そして、負傷退場(演技です・笑)したshinpeiが、腕にわざわざバンドエイドを貼って再登場すると「記念日のこの日、この6人プラスお前らで締めるぞ」と武瑠がいい、shinpeiはドラム台へ、 MITSURUはドラムスティックをハンドマイクに持ち変えて「39Galaxyz」へ。武瑠とMITSURUが交互に歌い継ぐという、まさにこの日しか見られないようなスペシャルパフォーマンスで、今年のSuGの日の最後を締めくくった。

もう絶対にありえないと思っていたMITSURUの登場、共演などの奇跡のような“いま”を見せつけ「俺たちが今日6人でやったように、お前たちも途中いなくなったヤツとか久しぶりのヤツ、新しく入ってきたヤツ全員一丸となって、ここから日本武道館を一緒に目指しましょう!」とみんなと約束を交わし、最後に「メンバーに大きな拍手! 10周年を支えてきたお前らに大きな拍手! SuGでした! バイバーイ」と武瑠がいって、今年のSuGの日は幕を閉じた。


この日、会場限定で新曲「Darlin‘」を発売したSuGは、3月11日より長野・松本ALECXで行なうライブから全国ツアーをスタートさせる。また、9月2日の日本武道館公演のチケット先行予約開始とともに、その日本武道館公演をファンと創るというクラウドファンディング企画も同日よりスタートした。

取材・文◎東條祥恵

セットリスト<3/9 SuGの日 FROM PSC>

2017年3月9日 恵比寿LIQUIDROOM
M01: gr8 story
M02: キャンディ★ロウポップ
M03: Life 2 Die
M04: Alterna.
M05: 俺式 Continue
M06: P!NK masquerade.
M07: 四季彩
M08: キラキラ
M09: mad$hip
M10: 輪廻せんちめんたるギャング
M11: CALL NUMBER
M12: 武士道 -bushido-FREAKY
M13: heavy+electro+dance+punk
M14: Crazy Bunny Coaster
M15: LOVE SCREAM PARTY

リリース情報

Best Album『MIXTAPE』
2017年3月8日(水)発売
[CD収録楽曲]
01. gr8 story
02. R.P.G. ~Rockin’ Playing Game~
03. 不完全 Beautyfool Days
04. MISSING
05. KILL KILL
06. sweeToxic
07. Vi-Vi-Vi -Rebirth ver.-
08. 桜雨
09. 無条件幸福論 -Rebirth ver.-
10. teenAge dream
11. ☆ギミギミ☆
12. SICK’ S
13. mad$hip
14. Howling Magic
15. LOVE SCREAM PARTY -Rebirth ver.-
16. 小悪魔 Sparkling
17. CRY OUT
18. Smells Like Virgin Spirit

▼LIMITED EDITION
[品番] PCCA-04513
[形態] CD+2DVD(マルチケース仕様)
[価格] ¥3,611+tax

[DVD DISC1: MV COLLECTION Part 1収録内容]
01. gr8 story
02. dot.0
03. 小悪魔 Sparkling
04. Five Starz ~五枚目俳優~
05. R.P.G. ~Rockin’ Playing Game~
06. 無条件幸福論
07. Crazy Bunny Coaster
08. NO OUT NO LIFE
09. mad$ip
10. ☆ギミギミ☆
11. Toy Soldier
12. 不完全 Beautyfool Days
13. Pastel Horror Yum Yum Show
14. Howling Magic
15. sweeToxic
16. fat inside horror

[DVD DISC2: MV COLLECTION Part 2収録内容]
01. MISSING
02. Rolling!!
03. B.A.B.Y.
04. CRY OUT
05. BLACK
06. teenAge dream
07. 上海ハニー
08. SICK’ S
09. 桜雨
10. Smells Like Virgin Spirit
11. KILL KILL

▼STANDARD EDITION
[品番] PCCA-04514
[形態] CD
[価格] ¥2,315+tax

ニューシングル「Darlin’」
2017年3月9日(木) 1000枚限定・ライブ会場限定販売
BRCA-70030 ¥926+tax

<39 LIVE ADDICT chapter1 THE BEST TOUR>

3月11日(土) 松本ALECX
3月12日(日) 新潟CLUB RIVERST
3月17日(金) 柏Thumb Up
3月19日(日) DUCE Sapporo
3月20日(月) DUCE Sapporo
3月25日(土) 仙台darwin
3月26日(日) 山形ミュージック昭和Session
4月14日(金) 新横浜NEW SIDE BEACH!!
4月16日(日) 静岡Sunash
4月22日(土) 松阪M'AXA(三重)
4月23日(日) 名古屋CLUB QUATTRO
4月29日(土) 岡山IMAGE
4月30日(日) 高松DIME
5月3日(水) 宮崎SR BOX
5月5日(金) 福岡DRUM Be-1
5月6日(土) 大分DRUM Be-0
5月11日(木) 渋谷TSUTAYA O-WEST
5月14日(日) umeda AKASO

【日本武道館公演】
9月2日(土) 日本武道館

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