■本当に集中しているときは8時間ぐらい止まってる(にしの)

──ストーリーや曲作りのアイデアやモチベーションはどこから来るのですか?

にしの:天才的な閃きとかそういうことでは全然なくて、基本的に根性ですね。例えばすごく考えて何も思いつかない日ってあるでしょ。そのときに“ああ今日一日無駄だったな”ってなっちゃうじゃないですか。“どうせ思いつかないなら遊びに行ったらよかった”みたいなことになっちゃう。で、2日考えて、結局何も出てこなかったってなると、また2日無駄にしたみたいになっちゃう。だから、もうアイデアみたいなものが降ってくるっていうのは1回やめて、こういう島があって、どこかに埋まっていて、例えば“今日は南の方を掘って何もなかった。1日かけて掘ったのに何もなかった”ってなって、じゃあこれが無駄だったかっていうとそうではなくて、“あと残っているのは東と西と北で、その3つしかない。じゃあ次は東の方行くか!”みたいな感じで、“2日目は一生懸命東を掘っても結局出なくて、じゃあもう西と北しかないから……”って、要はどんどん確率が上がっていくっていう。だから絶対にあることは決まっていて、掘り起こすんだっていう、そっちです。

ロザリーナ:やっぱ冒険家だ(笑)。

にしの:冒険っぽかったな、確かに(笑)。

──そうすると、ストーリーが出てくるんですか?

にしの:絶対に出てくる。

ロザリーナ:それがすごい。

にしの:でも、ロザリーナも曲をムッチャ作ってない!?

ロザリーナ:作っていたときはメッチャ作ってたんですけど、でも“落ちて”こないと書けないんで、書けないときはマジで書けない(笑)。

にしの:そういうときはどうしてるん? 作業机みたいなのに座って“んー”って考えんの?

ロザリーナ:違います! 曲作るときは、“今、曲作りたいな”ってギターを持つこともあるし、(曲想が)落ちてきたときは“書かなきゃ”って思うんですけど、基本的に一番多いパターンはテレビをつけて音を消している状態で、ボーっとテレビを見ながらギターを弾いて、自分の声を出してる、みたいな。

にしの:テレビの音を消して見てんの!?  へぇ〜、すご。

ロザリーナ:テレビは文字が出るじゃないですか。その文字や絵にインスピレーションを受けたりするんです。“今の言葉いいなぁ”って思ったり……西野さんは、何か作るときは1人ですか?

にしの:作業は最終的には大勢になるけど、最初は1人。作業部屋があるんだけど、そこはもう誰も入れない。そこだけね(笑)。あとはみんなで共有する。

ロザリーナ:作業部屋で生まれるんですか?

にしの:そうそう。もう気持ち悪い話やけど、人もいないのに部屋の鍵閉めて(笑)、音も全部消して。本当に集中しているときは何も食べず、8時間ぐらい止まっていることがある。

──お二人は、どこで完成、OKを決めるんですか?

ロザリーナ:自分の中で“完成した!”みたいなのが決まっていて、やっぱり納得いかないと提出しないし、だから、“よっしゃ、完成!”って感じで終わります。

にしの:絵はどうなんだろう。“穴”が無くなったらじゃないですか。気になるところがあれば直し続けるし、自分は“できたー!!”って感じってあんま無いけど、気になるところが無くなったら一応完成にしています。ずっと粗探しして、嫌な見方してると思いますね(笑)。

──曲は誰かに向けて書くことが多い?

ロザリーナ:そうですね。曲を書くときは、みんなにではなく、1人の人に向けて書いたりすることが多いです。その人に聴いてもらいたくて書いている感じというか。友達と話しているときに思ったことを書いたりして、この歌でその人が“元気が出てくれたらいいな”って思うから。だから全員に向けてという歌だと、歌が若干偽善者なんです。でも本当に大好きな友達のために書くと、言葉じゃ言えないような恥ずかしいことも歌なら言える。

にしの:それいいよな。

──ストーリーを考えているとき、さっき話していたお友達の子供のことを考えて書いたりしてるんですか?

にしの:自分はそっちじゃなくて、挑戦して叩かれる人に向けてですね(笑)。僕はもうずっと、『えんとつ町のプペル』に限らず全部そうです。夢語れば笑われて、行動したら叩かれるっていう……そんなのに突っ込んでいくやついるじゃないですか。全部、そいつに向けての応援歌です。絵本に限らず、“大丈夫!いける!”みたいな。

──自分に対して書いている感じ?

にしの:そうかもしれない。自分を鼓舞させるためにもあるかもしれない。でもそいつの気持ちしか俺は分からないので。要は自分と同じようなヤツの気持ちしかわからないので。友達にそういうヤツが多いんですよ。仕掛けて、コケてっていうヤツ(笑)。

──チャレンジャーなんですね。

にしの:自分の周りにはそういうヤツが集まってきますよね。

──ロザリーナさんも影響されて、今度会ったときはチャレンジャーになっているかも(笑)。

ロザリーナ:なりたい(笑)!!

取材・文:伊藤なつみ
写真:伊藤圭

『ロザリーナ』

2016年12月7日(水)リリース
PDCX-9018 1,389円+税
■収録曲
1.メリーゴーランド
2.little star
3.星の国
4.Rabbit
5.モウマンタイ
6.真夏のスノーマン
ボーナストラック:えんとつ町のプペル

『えんとつ町のプペル』

2016年10月21日(金)リリース
脚本&監督:にしのあきひろ
幻冬舎 2,000円+税


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