【インタビュー】サンタナ「鳥肌が立って涙が流れて体が動く、今年見た中で最も重要なコンサートになるはずだよ」

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2017年4月に来日公演を行うサンタナ。その来日を直前に控え、サンタナへの直撃インタビューが到着した。来日公演の見どころをたっぷり語ってくれているサンタナの声をお届けする。

◆サンタナ~画像~

――昨年『サンタナIV』がリリース、黄金期メンバーが再集結するというニュースは日本でも話題になりました。このメンバーをまた集めようと思ったきっかけは何でしょうか?

サンタナ:ありがたい話なのだが、『サンタナIV』はジャーニーのギタリスト、ニール・ショーンのヴィジョンがきっかけでスタートしたんだ。最初、ニールが考えていたのは、僕とニールと他のギタリストで何かをやることだったんだが、僕はそれは嫌だった。そうではなくて、オリジナル・バンドで何かをやってはどうだろう?と持ちかけたんだ。そこで当時のバンド全員に声をかけてみることにした。もしかしたら今こそ、何かを再びクリエイトするのにいい時期なのかもしれない。そこでグレッグ・ローリー、マイケル・シュリーブ、マイケル・キャラベロに電話を入れた。そして僕らが70、71年にやっていたことを再現するのに今がいい時期だということになったんだ。

――久しぶりに一緒に演奏した時の率直な感想を教えてください。

サンタナ:とても美しい、暖かい気持ちだった。信頼関係だ。目を閉じれば、彼らは僕の一部で、僕も彼らの一部だと感じられた。それは永遠に変わるものではない。一つになる“共生”という精神。サウンドはすぐに出来上がった。それは僕らを精神、魂、そして心で繋ぐケミストリーがあるからだ。素晴らしい気分だったし、満足感が得られたよ。

――少し前の話になりますが、2014年ブラジル・ワールド・カップ閉会式でのパフォーマンスは全世界の人がテレビの前で釘付けだったと思います。あの特別な舞台はいかがでしたか?

サンタナ:ああ、ワールド・カップにはどこか宇宙的なところがある。ここアメリカには野球、バスケ、アメフトなどのスポーツがあるが、世界標準ではサッカーなんだ。本当の意味でのフットボールだよ。アメリカン・フットボールではない、ワールド・フットボールだ。会場となった、エスタジオ・ド・マラカナンでやるのは2回目か3回目だった。最初にやったのは91年のロック・イン・リオの時だったと思う。でもワールド・カップでプレイするのは、すぐそこにペレの姿が見えたりして、特別なものだ。マラカナンという世界のステージに立つと、自分がその中心にいる気がしてくる。なぜならそれだけ多くの国がサッカーを称えているんだ。バスケや野球や何よりも。マラカナンに立つのは2年前から僕の夢だったんだ。

――ピットブルやミシェル・ブランチなど、数多くの違う音楽ジャンル・若いアーティストと一緒にやってきて、そこからインスパイアされるものは何でしょうか?

サンタナ:彼らのイノセンスかな。無邪気さを持つ人間と一緒にやるのは楽しいよ。セメントみたいにガチガチじゃないからね。ガチガチな頭からはシニカルな発想しか生まれない。シニカルなやつは頭が固い。でもイノセンスはソフトで柔軟で順応性があり、生産的でクリエイティヴだ。シニカルな人間と何かをしようとしても難しい。やっていてつらい仕事になってしまう。僕は仕事は嫌いだ。楽しみたいだけなんだ。イノセンスが感じられることの方がずっと楽しい。イノセンス、そしてピュアさ。この2つがあれば、どんなアーティスト同士でも、ごく自然に音楽の奇跡や恵みを生み出すことができる。

――日本に来る前のオーストラリアではドゥービー・ブラザーズとのジョイント・ツアーですね。彼らとは普段から交流はありますか?

サンタナ:ああ、彼らはサンタ・クルーズ出身で、活動を始めたのも同時期だ。70年代~90年代にかけて何度も一緒にツアーしたよ。ステージで一緒に何曲か共演できればいいなと思っているよ。とても楽しみにしているよ。2バンドの間には良いエネルギーがある。 彼らとなにかをやれるなら僕は喜んでやるよ。お互いを補う合うことが大事なんだ、競り合うのでも、比べ合うのでもなく。

――今回は約4年振りの来日になりますが、日本に行って楽しみにしていることは何ですか?また、日本に来て必ずやることがあれば教えてください。

サンタナ:聞いてくれてありがとう。日本に行くたび、僕が楽しみにしているのはお寺を訪ね、静寂の中、たとえば庭園の中にある愛や美しさやリスペクトに立ち会う時間だ。日本では木を切断する代わりに、木の手入れをする。庭だけでなく日本では全てのものに、僕らアメリカ人が大いに学べる教訓があると思う。相手に対する尊敬の念、敬意、秩序、しかも実にエレガントに。73年に初めて日本に行ったとき、女性たちは着物を着ていた。今ほどアメリカナイズされていなかった。だから日本に行くと日本らしさが残っている小さな町を訪れるんだ。神戸のあたりとか。お寺や庭園からは日本らしさが伝わってくる。 相手を敬うこと、その美しくエレガントなパワーを日本では特に強く感じるんだ。

――今回のジャパン・ツアーの見どころを教えてください。

サンタナ:歓喜が爆発するところじゃないかな。サンタナはどこにでもいる典型的なアメリカのバンドじゃない。僕らのライヴはアメリカの旗を振り回すようなものではない。僕らが届けるのは宇宙の音の集合。音楽の中で全員が一緒になり、クライマックスに到達する。まず僕の妻がドラムで演奏を始める。彼女がトップバッターだ。そこで彼女がペースメーカーのように、走るテンポを決めるんだ。そしてその後、僕らが続いていく。これまでなんども日本を訪れたことはあるが、ここまで断言できるのはこれが初めてだ。今回のバンドほどパワフルでエネルギッシュで、輝きとパッションがあるバンドは今まで一度もない。匹敵する次点だと思えるのはアルマンダ・ペラーサがいた73年のバンドくらいだよ。しかし今回のバンドにはその時のまた違うダイナミックがある。もし、このバンドのライヴを見て聴いてくれたら、鳥肌が立って、涙が流れて、体が動くことになるだろう。きっと今年見た中で最も重要なコンサートになるはずだよ。だから、祖父母、両親、男きょうだい、女きょうだい、子供、孫・・・みんな連れておいで。今の時代、なくなってしまった2つのもの、それはバーナム&ベイリーとリングリング・サーカスだ。あれだけの歴史を誇ってきたが、興行を辞めることが発表された。だったら、代わりにサンタナを見においで、と言いたね。僕らにはライオンも虎もチーターもいる。なんでもある。僕らバンドの演奏を聴けば、そこにはアフリカがある。僕ら自身大好きなものを全部届けるよ。なので心の底から言いたい。僕らのライヴにおいで。そしてショック、エネルギーの爆発を感じてくれ。きっと家に帰った後は、前以上に夢を追い続けられるだろう。僕らのライヴを見れば「自分のやりたいことをやれ!何にも止めることはできない!」と思うはずだ。ミュージシャンとして、聴く人たちが「不可能に思えるかもしれないけど、きっとできる」と信じられる所まで、心を高めることが大切なことなんだよ。

――来日を待っている日本のファンへメッセージをお願いします。

サンタナ:ハロー、カルロスだよ。ぜひ僕らのコンサートに皆さん、いらしてください。きっと今年、皆さんが見たコンサートの中でも1、2を争うベスト・コンサートになるはずです。エネルギーとパワーと喜び、という意味で。まさにタイトル通り「スーパーナチュラル」(超自然的な)体験をしてください。僕らが体現するのは、この地球という惑星のサウンドや知覚の集合であって、それはとてもポジティヴなものなんだ。僕らは人の心から恐れや錯覚を取り払い、可能性とポジティヴィティだけを届ける。ポジティヴな振動さ。どうもありがとう。

ライブ・イベント情報

<サンタナ ジャパン・ツアー 2017>
【盛岡】
4/22(土) 盛岡市民文化ホール
お問い合わせ:ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp

【大阪】
4/24(月) 大阪市中央体育館
お問い合わせ:大阪ウドー音楽事務所 06-6341-4506 udo.jp/Osaka

【名古屋】
4/25(火)  名古屋国際会議場センチュリーホール
お問い合わせ:CBCテレビ事業部 052-241-8118

【東京】
4/27(木) 日本武道館
お問い合わせ:ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp


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