【インタビュー】丸本莉子、“日常を切り取った”心の声が聴くものを癒してくれる1stアルバム『ココロノコエ』

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2015年6月にメジャーデビューを果たしてから、止まることなく楽曲をリリースしてきた丸本莉子が、ついに1stアルバム『ココロノコエ』を3月22日に発売。これまでリリースした全シングルを含み、デビューしてから今までのベストアルバム的な要素もありつつ、新たな魅力も詰まった一枚だ。癒しの歌声がたっぷり聴けると共に、丸本莉子の多面的なアーティスト性にも触れられるこのアルバムについて語ってもらった。

◆丸本莉子~画像&映像~

■当たり前のことを当たり前じゃないんだよって歌うこと
■普段、素直に言えないことを歌なら言える
■そういう心の声を私は表現していきたい


――早くも1stアルバム『ココロノコエ』が完成したんですね。すごく早いペースなのでびっくりしました。ずっと制作していたの?

丸本莉子(以下、丸本):はい。2年前からアルバムをこのタイミングで出すことを目標にしていたので。これまでいろんなシングルをリリースしながらも、1stアルバムのことを考えていたんですけど、結果的に、私はこういうことがやりたかったんだっていうのがわかった1枚になりました。

――“こういうこと”を具体的に言うと?

丸本:今回のアルバム収録曲は、それぞれテーマも違うし、チャレンジして新しい世界観で作った曲もあるし、昔からの私もギュッと詰まった1枚ではあるんですけど、“日常を切り取った”というところで共通点があると思うんです。当たり前のことを、でも当たり前じゃないんだよって歌うことだったり、普段、素直に言えないことを歌なら言えるというか。そういう心の声を私は表現していきたいんだなっていうのがわかったんです。それでタイトルも『ココロノコエ』にしました。

――なるほど。楽曲について聞いていきますが、1曲目、2曲目はシングルでもリリースされた「ココロ予報」「誰にもわからない」と続きますね。そのあと新曲「夜を泳ぐ」が流れるので、一気に新鮮さを感じて、アルバムの世界観が広がるなぁと。「夜を泳ぐ」というタイトルから、夜しか会えない二人なんだということがわかるけど、きれいなアルペジオに騙されますよね。

丸本:ははは(笑)。いま、これを弾き語りでやるのを練習中なんです。でもギターがすごく難しくて。今、頑張っています。


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――この二人はこの後どうなっちゃうんですか?

丸本:結局、こういう恋は報われないまま幸せになれないから、最後は「もういい」ってなると思うんです。でもきっかけがないと変われない。例えばもっと素敵な人が現れるとか。まだそこには至っていないという。この曲は、1年くらい前にはメロディは出来ていたんですが、アルバムに入れたいと思って、昨年末から作詞家の藤林聖子さんと一緒に作詞に取り掛かった曲なんです。「報われない恋」というテーマは最初に私が書いていたものとは変わっていないんですけど、半分くらい歌詞を書き換えました。元々の歌詞では「ダメだとはわかっていても、そんなに簡単に変われない……」とか、そんなことを書いてたんですが、藤林さんに、メロディが訴えかけるような感じだから、もう少し強い言葉を選んでもいいんじゃないかというアドバイスをもらって。

――強い言葉だけど、最初の方はサウンドが優しいから、引き込まれていきますよね。

丸本:そうなんです。強い言葉を並べても、メロディに入ると馴染むような言葉を選ぶというところでも藤林さんにはアドバイスをいただきました。内容的にはもっと具体的に変化して。最初は響き重視で、流れるように作っていたんです。それがサラっとしすぎていたので、もっと言葉を浮き立たせてもいいんじゃないかっていうことで、そういう部分も最初に書いていたものから変化したところです。

――2コーラス目からより強い言葉になりますよね。言葉が演奏に負けない感じで。

丸本:そうなんです。元々の歌詞では1コーラス目の「♪曖昧な甘い言葉~」のところが2コーラス目のサビにも使われていたんですけど、それを変化させました。最初は強い言葉に落とし込むのって難しいなって思ったんですけど、強すぎちゃうんじゃないかな?って。でも、完成したら、バランスがすごくよくなっていて。言葉は強いけど、後ろで鳴っている楽器の音で柔らかくなっていますよね。

――「やさしいうた」はシングル曲でしたけど、イントロがリニューアルされているんですね。

丸本:はい。曲順を組み立てた時に、「夜を泳ぐ」でガツンと強いものがきて、その後、ギターイントロが始まったら、より新鮮な印象になるんじゃないかと思ってイントロをアルバム用に足しました。言葉がたくさん入っている曲が続いて「やさしいうた」がくるとまた新しい印象で聴けると思うんです。報われない恋の歌からガラっと変わりますよね(笑)。

――「今だけの永遠」もアルバム用に書き下ろした曲ですね。

丸本:この曲、実は高校生の時に作っていたものなんです。メロディがいいから、「いつかリリースしたいね」とディレクターが言ってくれていたんです。「ココロノコエ」を制作をする中で、アルバムを良くするためにこの曲を入れようということになって。歌詞は、高校生の時に書いた気持ちも残しつつ、今の私の気持ちも詰め込みたいと思って書き直しました。

――これも歌詞は藤林さんとの共作ですけど、どんなアドバイスをいただいたの?

丸本:元々の歌詞では、恋人同士なのか片思いなのかわからなかったんです。それをもっとわかりやすくしたほうがいいと。付き合っているけど、でも不安になって……っていう状況が思い浮かぶ歌詞にしようということで。

――以前のバージョンで関係が曖昧になっていたのにも理由があった?

丸本:はい。当時、好きな人に彼女がいて、付き合いたくても付き合えなくて。でも、高校生の変な見栄があって、付き合っていることを妄想して書いていました(笑)。それで曖昧な歌詞になっていたので、今回は付き合っているという設定の歌詞にしようということで。

――10代の時に歌うのであれば、それでよかったかもしれないけどね。

丸本:そうなんです。しかも、高校生の時に作ってた時はバラードだったんです。

――かなり軽快なアレンジに変わりましたね。

丸本:はい。かなりガラッと変わって。本当に新しい曲に生まれ変わりました。コード感もすごく変化したんです。バラードで悲しい雰囲気のコードをつけていたんですが、今回アルバムに収録したアレンジは、メジャーコードで本当にイメージが変わった。だから私も前向きな感じで歌ったんです。あなたのことが好きで不安になるけど、でも今はそんなことを考えないから、永遠を感じさせてって。

――「今だけの永遠」「ガーベラの空」「愛は」の流れはテンポのある曲が続きますね。

丸本:はい。「愛は」は今回新たに作った曲なんですけど、サビのメロディがすごく気に入っているんです。これも最初はバラードだったんですけど、その時はなんか物足りないなって感じていて。だったら思い切ってカントリー風味のカラっとした曲にしたいなと。それをアレンジしてくださった音楽プロデューサーの松岡モトキさんに伝えたらこういう形に仕上げてくださって。

――マンドリンも入ってブルーグラス風ですよね。歌詞は丸本さんなりの「愛」についての考えが詰まった感じですね。

丸本:はい。この曲を作った時って、最初に歌い出しの「愛は」ってところが浮かんだので、これはもう、「愛は」って歌いたいから、愛について書こうと。でも重たくなく、少しだけ核心をついているような歌詞にしたいと思って。

――シンプルだけど伝わる歌詞ですね。

丸本:洋楽のようなストレートな歌詞を描きたかったんです。最初はもっと、「愛は平気で嘘をつく」とか、ネガティヴな要素も入っていたんです。なげやりからのプラスに持って行くというような。それはちょっと唐突すぎる気がしたので、ストレートな歌詞に変えました。

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