【レポート】WANIMA、初ワンマン@たまアリに2万人の歓喜「信じてよかった!」

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WANIMAが3月19日、さいたまスーパーアリーナにてワンマンライブ<JUICE UP!! TOUR FINAL>を開催した。超満員の2万人が歓喜した同公演の模様をレポートしたい。

◆WANIMA 画像

2016年8月にリリースした2ndシングル「JUICE UP!!」を引っさげ、9月からスタートした<JUICE UP!! TOUR>が、3月19日にいよいよファイナルを迎えた。全30本の締めくくりとなったワンマン場所は、WANIMAとしては最大規模となる会場、さいたまスーパーアリーナ。しかも、この日がWANIMA史上初のワンマン公演である。インディーズながら大型フェスのメインステージも張るバンドへと成長した3人だが、ワンマンが初とは驚きだ。しかも、その初の場所がさいたまスーパーアリーナという、国内でも最大級のハコとはなんとも冗談のような、夢のある話である。そしてこの贅沢な空間を持った会場を、実にWANIMAらしいフレンドリーさと、やりたい放題のバカバカしい笑いとで満たし、しかし最後には換気や感動のダイナミックな渦を作り上げていくという、今のWANIMAの力量を見せつけるライブを行なった。




登場するなりKENTA(Vo/B)は、「やばいぞ、この、人!」「これ、何人おる?」と笑顔で会場を見渡し、「今日もとことん、元気になって帰ってもらいましょうね」とツアー・ファイナルの開催を宣言した。

1曲目の「Hey Lady」でファンファーレのように紙テープがスパークし、会場が一気に明るさを増して、歓声も大きくなった。「みんな飛ばしすぎじゃない?!」(KENTA)と言いながらも、「雨あがり」「つづくもの」を連投。ステージには大きな照明の装置のほか、たっぷりとワイドなヴィジョンが会場後方までメンバーの姿を大きく映し出していく。KO-SHIN(G)もFUJI(Dr)も笑顔で、走りがいのある左右に伸びたステージを、KENTAは楽しそうに走り回る。






「多分初めて見る人もいると思うので、自己紹介します。東京都在住、熊本出身、谷間でーす」(KENTA)、「見た──い!」(FUJI)、「WANIMAでーす」(KENTA)と、合間、合間でネタを放り込んだり、元大関の把瑠都から“WANIMA兄さん”宛に祝福のビデオレターが届き、「昨日の歌」の曲振りまでしてくれたりと、随所で遊び心がふんだんだ。本人たちも言っていたが、何しろWANIMAは1曲が短い。「Hey Lady」や「昨日の歌」などは1分ほどの曲でもある。この日は、曲数もたっぷりなのはもちろん、普段以上に個性豊かなWANIMAの3人のキャラクターを味わえそうなセットリストであり、内容のようだ。

「Japanese pride」や「1CHANCE」「夏の面影」「BIG UP」など、前半はレゲエやファンクの気持ちのいいタメの効いたパンクチューンが中心で、観客は大きくジャンプし、またタオルを振るう。スタンディングのエリアでは、大きなサークルも出現して汗を飛ばしている。疾走感のあるアグレッシヴなサウンドだが、メロディアスで歌もののパワーが強いWANIMAの曲は、大きなアリーナ会場でもよく映える。






中盤には、フロアの中央に設けられたサブステージで、アコースティックセットも披露。メインのステージからサブステージへの移動は、天井から巨大な橋=花道が降りてきて接続するという、大掛かりなものだった。その花道を真っ先に渡ったのは、FUJIが扮する長渕剛。このファイナル公演でも絶好調のモノマネで花道を歩き、サブステージでひとり圧巻の“乾杯”を熱唱。アリーナの会場でもやることはブレない──それどころか、もはや円熟の域にすら突入しているあっぱれな美声を披露した。そして3人が集まったサブステージでは、「切手のないおくりもの」「SLOW」「終わりのはじまり」の3曲をアコースティックで演奏。グッドメロディが際立つアコースティックサウンドと歌心とで、頭から元気に飛び跳ねっぱなしのキッズの熱を、心地よくさますひとときとなった。




サブステージからメインステージへの戻りは、VTRに。迷彩服に身を包んだ3人が特訓と称して、アスレチックやバンジージャンプに挑戦し、さいたまスーパーアリーナへと帰還するもの。ここは元自衛隊員であるKO-SHINがビシッときめてくれた。

「あきらめないでやってきたら、みんなのお陰でさいたまスーパーアリーナに来ることができました。みんなが来てくれて、やっぱりこの歌を一緒に歌いたいと思います」──KENTA

KENTAのこの言葉から、会場一体の「ともに」の大合唱が起こる。“♪火を灯せ”と力強く歌う「リベンジ」では、ステージから豪快に炎が上がる。「Hey yo…」「1106」と、このブロックでは、ラウドなサウンドとともにぐっと強く背中を押す曲から、郷愁を誘い、大事な場所や人を思い出させるエモーショナルな曲とで、涙腺を刺激した。そして、会場にいるひとり一人に語りかけるように、「このまま帰りたくないし、帰したくない」「そろそろ、踊る時間じゃない?」と「オドルヨル」〜SMAP「夜空ノムコウ」〜「いいから」というつなぎで、踊らせ、歌わせ、フロアをカオスと化していった。












「ずっと見てられるね。この景色」。終始笑顔だった3人は、そう語りかける。「ここにいる人、来れなかった人や地元熊本や東北、全国にも、改めて歌いたい」と「THANX」、そして「For you」を最後に届けた。“♪信じて届くまで”という「For you」の歌詞を受けて最後に、「信じてよかった!」と叫んだKENTAの声が会場に響き、観客の手拍子や歓声がさらにエモーショナルに広がった。最高のクライマックスだった。






アンコールに応えて登場した3人は、5月17日にワーナーミュージックジャパン、unBORDEレーベルから3rdシングル「Gotta Go!!」をリリースすることを発表し、そのなかの1曲で、お守りにしてほしいという想いで作った「CHARM」を披露した。「TRACE」「やってみよう」、最後の最後に「ここから」を据えるというドラマティックな展開で、WANIMAの新たなはじまりを宣言した。初のワンマンとしては最高の、祝祭感のある船出だ。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎瀧本 JON... 行秀




■<WANIMA「JUICE UP!! TOUR FINAL」>
2017年3月19日@さいたまスーパーアリーナSETLIST

01.Hey Lady
02.雨あがり
03.つづくもの
04.Japanese pride
05.1CHANCE
06.エル
07.昨日の歌
08.夏の面影
09.BIG UP
10.切手のないおくりもの (Acoustic)
11.SLOW (Acoustic)
12.終わりのはじまり (Acoustic)
13.ともに
14.リベンジ
15.Hey yo…
16.1106
17.オドルヨル
18.いいから
19.THANX
20.For you
ENCORE
21.CHARM (新曲)
22.TRACE
23.やってみよう
24.ここから

■3rd Single「Gotta Go!!」

5月17日(水)発売
WPCL-12663 ¥1,200円+税
1.CHARM
2.ララバイ
3.これだけは

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