【インタビュー】Sonar Pocket、「気づいたら“一生は一瞬です”って書いていた」大病乗り越え生まれたSGのすべて

■ 人生はドラマでも映画でもないから、最終話が終わっても終わりじゃない
■ だから次の始まりは約束しておきたい

▲シングル「一生一瞬」初回限定盤B

── あらためて聞きますけども。「一生は一瞬です」というサビのワードは、病室で書いていた時からもうあったんですか。すごくキャッチーと言ったらあれだけど、すごく入って来るワードだから。

ko-dai：気づいたら書いてた言葉ですね。死んでたかもしれないなと思った時に、俺の一生って一瞬だったなと。何か考えて出したわけじゃなくて、気づいたら「一生は一瞬です」って書いていた。やっぱり一瞬の連続が一生に変わっていくというか。

── そうか、そういう意味もある。

ko-dai：いつ終わるかわかんないから、一瞬なんだなって。僕も30年以上生きてきて、死ぬかもしれないと言われた時に、「もう終わりか、速っ」みたいな、一瞬だったなって思ったんですよ。過去のことなんて、思い出せないんですよ。あの時あんなことがあったな、ああしておけばよかったな、とか何も思わない。「ああ、楽しかったな。一瞬で終わっちゃうんだな」って。だからこそ大切にしなきゃいけないんだって。一生で一瞬が終わるし、一瞬が一生を作るし、だからこの一瞬一瞬をもっと大切にするために生きていかないと。人を大切にするとか、人を笑顔にするとか、人を幸せにすることが、生きてる上でのすごく大切な生きがいだと思うんですよ。私利私欲のためだけに何かをしていても、生きがいは感じられないし、生きてるからこそ、生きた証を残してほしいなという思いとか、生きてるからこそ大切な人を大切にしてほしいとか。命がある以上はまずそれをしてほしいんですけど、でもいつか終わるということは決して回避できないものなので、終わってしまうから、終わったあとの約束を今しておきたいなと。だから僕はあの日あの瞬間に死んでいたらあれで終わりなんですけど、でも死んだ時に「あっちで待ってるから。音楽やってるから」って、約束をしておきたいなと思ったんですよ。死んだらはい終わり、というものではないと思うし、人生はドラマでも映画でもないんで、最終話が終わっても終わりじゃない。だから、次の始まりは約束しておきたいなと。

── それがサビの「約束しよう」にかかってくる。僕がこれを聴いて思い出したのは、デビュー曲の「Promise」なんですよ。「君が年を重ね　まわりにおばあちゃんと呼ばれる頃に」なっても、幸せだと言える未来にするというあの歌詞は、この「一生一瞬」にも脈々とつながっている気がして。同じ「約束」という言葉を使っているし、しかも死んでしまったあとの約束をするという、さらに世界観が大きく広がっているので。


ko-dai：ある意味これも「Promise」ですね。「おばあちゃんになっても」じゃなくて、この人生が終わっても、次にまた一緒に始められるように約束しようというのは、確かにそうかも。たぶん無なんですよ、死ぬことって。でも続きがあるって信じたいんですよ。回避できない終わりがあるから、それで終わりじゃなくて、続きがあることを信じていたいなと思うんですよね。

── 簡単に言えないことですよ。それこそ、死に直面するような経験がないと。

ko-dai：その経験が僕らをより強くしてくれたし、僕らの絆もより一層固くなった。第二章と謳って1曲目に何を出すかという会議をした時に、eyeronが「これはたぶん今しか出せない、出しておきたい」と言ってくれたので。

── 新しい「約束」の曲だと思います。これが10代の子とかにどう響くかはわからないけど、年齢によって響き方が違うし、長く生きる曲になるだろうと思います。

ko-dai：あんな経験は二度としたくないですけど、あれがあったから今があると思えているので。自分の身から出たものを、しっかりと伝えられる曲だと思います。

取材・文◎宮本英夫

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